2019-07-07
夫婦は同じお墓に入るもの?|ペットと同じ墓に入る方法もご紹介
この記事の目次
夫婦別姓が叫ばれて久しいですが、ついには夫婦別墓を望む妻たちが増えているようです。
夫婦別姓は今のところ法律では認められていませんが、夫婦別墓は法律的には問題はありません。
なぜ、世の妻たちは夫の墓、あるいは夫の先祖が眠っている墓に埋葬されたくないのでしょう。また、夫と一緒の墓でなければどこに埋葬されたいと思っているのでしょう。
今日は、そんな妻たちが死後をどう考えて、どうしたいのか、そして現実としてどんな方法があるのかをまとめてみました。
我慢を重ねてきた妻たちの反乱
お墓のことを考える年代の妻たちは決して若くはないでしょう。
横暴で理不尽な夫に耐え、小うるさい舅・姑に耐え、堪忍袋の緒もとっくに切れているというのになぜ、墓まで一緒に入らなければならないの?
といったところでしょうか。「こんなお墓のことなんて夢にも思わなかったわ」と思い悩む奥様、安心してください、お墓は自分の好きな、自分が埋葬されたいと思う所を選ぶことができます。
やはり、近年は夫と同じ墓に入りたくないという妻が急増しているようです。
下記は「保険クリニック」が30歳~60歳の既婚者のうちお盆に帰省予定のある500人(男性、女性とも250人を対象にアンケート調査した)ものを引用しました。
・女性のうち32.8%は「配偶者と同じお墓に入りたくない」と回答しました。女性の半数ながら、男性の15.2%は同様の回答で、毎年増加を続けています。(Q1)
https://www.hoken-clinic.com/news/565/
なんと、これは!敵も同じことを考えている人が増えているようです。
では、両者とも同じ墓に入りたくないということで、具体的にはどんな方法があるのでしょうか。お墓の夢は叶うのでしょうか?
夫婦別墓の方法とメリット&デメリット
一般的には婚姻関係のある夫婦は同じ墓に入るものだと決められているかのように思っていますが、そうではありません。
とくに、田舎では先祖代々のお墓に入るのが習わしのように思われていますが夫婦別墓は法律的には可能です。
死んでしまえばどこに入ろうが同じだ、なんて考えていると死んでまであなたの嫌いな○○と一緒、なんてことになりかねません!
ケース1 自分の実家のお墓に入る
実家大好きな奥様もいます。何かといっては実家に帰る妻たち。
もし、自分の実家にお墓があれば生前に言っておく必要はありますが、法律的には問題ありません。ただし、実家の家族の許可だけではなく、お墓のある墓地や霊園の承諾が必要になります。
ケース2 マイ墓を建てる
実家のお墓に入るのもちょっと考える、また、入れないなどで悩んでしまうなら、自分のお墓、マイ墓を建てて、お墓の夢が叶うかもしれません。
・民営墓地→ 経営主体が宗教法人などで、民間企業が管理している墓地になります。宗派や宗旨を問われることが少ないので無宗教の人でも利用できるのがメリットです。ですが、土地や設備に費用がかかり利用料金や管理費の金額が高くなるのがデメリットとしてあります。
・公営墓地→ 経営主体が都道府県や市町村で管理も行っています。民営墓地に比べて総合的に費用が少なくて済むというメリットがあります。しかし、公営墓地を利用するには利用自治体に住んでいる、遺骨があるなどの条件があります。この条件を満たしたうえで公募に応募、応募が多いと抽選となり落選した場合は利用できないというデメリットがあります。
・寺院墓地→ 経営主体、管理とも寺院が行っています。寺院ということで、常に僧侶がいるので利用者の家族がお参りできない場合でも故人の供養を手厚くしてもらえる、法事を寺院で行えるといったメリットがあります。ですが、寺院墓地を利用するということは檀家になる必要があり、お布施や寄付などの経済的負担があることがデメリットでもあります。また、寺院によっては墓石の石材を指定しているところが多いため、指定以外の石材店を利用できないこともデメリットの1つです。
ケース3 納骨堂の利用
最近はよく耳にする納骨堂で収蔵してもらうという方法もあります。要は埋葬するか収蔵するかの違いであり、お墓と法律的な違いはないとのことです。
ただし、収蔵には期間があるので長く利用したい場合は更新が必要になります。生前に身内の方にお願いすることになりますね。
納骨堂の収蔵は、ロッカー式、棚式、仏壇式、お墓式など4つの方法があります。
・ロッカー式→ コインロッカーのように個別の収蔵庫が並んでいます。
・棚式→ 設置してある棚に骨壺を並べます。
・仏壇式→ 一列に仏壇が並んでいて仏壇の下に遺骨を納めます。
・お墓式→ 屋内にお墓を建てます。通常のお墓と同じような満足感が得られます。
ケース4 永代供養の利用(個別墓・単独墓、集合墓、共同墓)
永代供養は、夫婦別墓に向いていると言えそうです。
元々が独身の人や、子供のない夫婦、身寄りのない人が利用する墓なのです。
永代供養は継承者がいないため遺骨管理や供養ができないといったことを代わりに行ってもらえるという仕組みになっています。こちらも、通常の墓と同じように、公営、民営、寺院墓地が経営しています。タイプが3タイプに分類されています。
・個別墓・単独墓→ 通常の墓と同じで墓石を用意、納骨棺に納骨します。
・集合墓→ 小さな石碑や石塔を立て、その下に納骨棺を納骨します。
・共同墓→ 血縁のない人が一緒に埋葬されます。
ケース5 自然葬(海洋散骨、山林散骨)
最近はよく聞くようになった散骨や、昨年、亡くなった女優の樹木希林さんの樹木葬が話題になりました。人は自然の中で生まれ、自然に返る、このような考え方の人が増えてきているようです。ちょっと、おしゃれな感じがしますね。
この自然葬は自治体によっては禁止されています。市町村や漁業組合で決められた場所で、粉骨された遺骨を撒くといった形になります。確認して許可をとらなければならないので気をつけましょう。
・海洋散骨(海に散骨)→ 海上に散骨する方法ですが、進行は業者によって違うようなので市町村や漁業組合に確かめる必要があります。
・山林散骨(山に散骨)→ こちらも業者によって違うので自治体に確認しましょう。
ケース6 樹木葬
こちらの樹木葬は散骨ではなく、樹の下に遺骨を埋葬する形になります。墓石の代わりに樹木をシンボルとした墓になります。費用としては、一般的な墓よりも安く抑えられるため注目を集めているようです。
※樹木葬や納骨堂でコストを抑えたい場合は、以下に記事ありますので参考になさってみてください。(値段の相場について比較しています)
ケース7 自宅供養
遺骨を埋葬、散骨するのではなく、自宅に安置して供養するという形になります。
このケースも生前に家族にお願いしておかなければなりませんね。
「夫とは同じ墓に入りたくない」の意思を家族に伝える
いくら妻たちが夫とは同じ墓に入りたくないと思っていても、死ばかりはいつ襲って来るや分かりません。伝えておくと同時に形として残しておかなければなりません。それは、遺言状やエンディングノートなどの方法があります。これらに記して家族の同意も得ておかないと、勝手に夫の墓に入れられてしまう恐れがあるからです。
※エンディングノートについてはこちらにありますので参考になさってみてください。
40代・50代からはじめる終活~その必要性や、重要性~決して早くはない天国への準備
子供はどちらの墓に?
もし、婚姻関係にある2人に子供がいた場合、子供はどの墓に入ったらよいのでしょう。
やはり、男の子か女の子かによっても違いますよね。
子供でも亡くなってしまう頃は、おそらく年齢的にも高齢になっていることが予想されます。
男の子はお爺さんに、女の子はお婆さんになっていてほとんどの場合、結婚しています。子供の場合もどこの墓に入らなくてはいけないといった決まりはないので自由に選択できます。
また、女性の場合は結婚していて姓が変わっていることが多いと思いますが、墓は姓が同じでなくても入ることができます。これは、妻たちが実家の墓に入りたいと望んで、実家の家族の了承を得れば入れるということと同じですね。
ペットと一緒はあり?
妻たちが子供と同じくらい愛してやまないネコちゃんやワンちゃんたちとは一緒の墓に入ることはできるのでしょうか。
結論から言うと、法律的には大丈夫です!
故人が望めば大好きなネコちゃん、ワンちゃんと同じ墓に入ることができるのです。
ただ、宗教上や論理上の問題があるようです。
ペットというのは、宗教では畜生といふうに分類されていて人間より下位扱いで、生前に悪い行いをしたものが畜生に生まれ変わるといった考え方があるそうです。
そして、悲しいことにペットである動物の死骸は法律上では「廃棄物」と扱われています。
このような理由からペットは人と同じ墓には入れないといった墓地や霊園が多いようです。
探せばある、ペットと一緒に入れる墓
上記のような理由から人とペットが一緒に入れる墓はほとんどありません。とくに、寺院墓地は厳しく禁じられています。
ですが、近年のペット事情からペット受け入れの墓地も増えているようです。
・民営墓地(一部区画)
・樹木葬(一部区画)
これらがペット可の墓地です。
ペットと一緒に安らかに眠りたいと考えている奥様(旦那様)はぜひ、インターネットなどで検索してみてください。ペットと一緒のお墓なら夢は叶いそうですね!
まとめ
夫婦別姓は夫婦別墓とは違う意味合いがあります。嫌いだから同じ姓でいたくないという理由ではないですよね。でも、夫婦別墓ははっきり言って死んでまで夫と一緒にいたくない、嫌いだから別墓にしたいという気持ちがあります。
また、嫌いなのが夫ばかりでない場合もあります。生前は舅・姑で散々苦労させられたのに、そんな人の墓などに入るものか、と思う妻たちもたくさんいます。
そんな時は、実家の墓に入る、マイ墓を建てる、経済的にゆとりがなければ納骨堂に入るなどの選択肢があります。
でも、その方法をとるなら生前から終活をしておく必要があります。
世間一般的には妻は夫の墓、先祖代々の墓に入るのが常識とされているからです。
そんな常識など覆すためにも、ぜひ、エンディングノートや遺言状の作成などの終活をして妻たちの反乱の勢いを見せるのです。
さぁ、世の妻たちよ、安心して余生を過ごしましょう!