2019-07-07
仏壇を処分する3つの方法とは?手順に沿ってご紹介|費用やメリット比較
この記事の目次
仏壇を処分したい時に困るのが、適切な処分方法。
自分で捨ててもいいのか、業者に頼んだ方がいいのか…疑問点はたくさんありますよね。
仏壇は、ご先祖様の魂が宿っている大切なものです。
今回は、仏壇を処分する3つの方法を詳しくご紹介していきます。
仏壇を処分する前にするべきことや、注意点についても解説していくので、ぜひご参考にしてくださいね。
仏壇を処分する前にするべきこと
仏壇を処分する前に、仏壇の中身や供養の有無を確認しておく必要があります。
確認作業を行わずに処分すると、大事なものを一緒に捨ててしまったり、ご先祖様の魂を蔑ろにしてしまったりと大問題に発展してしまうことも。
順番に詳しく、ご説明していきます。
仏壇の引き出しの中をチェックする
仏壇には、収納スペースである引き出しがたくさんあります。
処分する時は、仏壇の中を全て空にしておくようにしましょう。
特に、仏壇の隠し引き出しには要注意。
その中には家系図や経本など、重要なものが仕舞われている可能性が高いからです。
処分する仏壇が代々引き継がれたものであるなら、両親や祖父母に確認してみてもらってくださいね。
開眼法要が行われているか確認する
開眼法要とは、仏壇にご先祖様の魂を宿らせる儀式です。
別名は魂入れで、新しいお墓を建てた時にも行われます。
仏壇を購入したら必ず行いますが、念のため開眼されているか確認をしておきましょう。
なぜ確認が必要なのかというと、処分する前に閉眼法要という儀式を行われなければならないからです。
開眼法要を行ったかどうかを確認する方法は2つあります。
- 家族(譲り受けた両親や祖父母)に聞く
- 菩提寺に尋ねる
開眼法要は家に僧侶を招いて大々的に行うので、購入時に立ち会っていた家族が居れば必ず覚えているはずです。
遥か昔から引き継いでいて家族に聞いても分からない場合は、菩提寺に訪ねてみましょう。
菩提寺とは、ご先祖様のお墓が眠るお寺のことです。
それでも確認ができない場合は、開眼法要済みと信じて閉眼供養の準備を進めて問題ありません。
不安な場合は、開眼法要と閉眼供養を続けて行ってしまうことも可能なので、お寺に相談してみてくださいね。
閉眼供養を行ってから処分する
閉眼供養とは、仏壇に宿ったご先祖様の魂を抜く儀式です。
別名は魂抜きで、開眼法要とは逆の行為になります。
閉眼供養の基礎知識
- 方法…自宅に菩提寺の僧侶を招いて取り行ってもらう
- 費用…平均相場は3~5万円(お布施+お車代)
閉眼供養は、菩提寺の僧侶にお願いして取り行ってもらいます。
自宅でお経を上げてもらいますが、特別な用意は必要なく儀式はすぐに完了。
費用は宗派やお寺によって違いますが、5万円以内が相場です。
菩提寺がない場合は、お坊さんの派遣紹介サービスを利用することも可能。
かかる費用はほとんど同じなので、菩提寺がなくても安心です。
仏壇を処分する3つの方法
仏壇を処分する方法は、3つあります。
- お寺(菩提寺)にお願いする
- 仏具店に引き取ってもらう
- 粗大ゴミとして出す
それぞれの方法について、詳しくご紹介していきます。
お寺(菩提寺)にお願いする
菩提寺に閉眼供養をお願いした場合は、そのまま引き取ってくれるケースが多いです。
お寺にお願いすると、古い位牌や仏具も一緒に処分してくれます。
お焚き上げをしてくれるので、供養もばっちり。
安心して仏壇一式の処分を任せられますよね。
費用は、閉眼供養のお布施に含まれている場合とそうでないことがあります。
閉眼供養に含まれている場合の平均相場は、3~5万円。
含まれていない場合は、上記の金額に+1~3万円が目安です。
費用はお寺や宗派によって大きく変動することもあるので、事前に問い合わせて確認しておくと安心です。
仏具店に引き取ってもらう
仏具店は、ほとんどの店舗で仏壇の処分サービスを行っています。
閉眼供養から引き取り、処分までをまとめて行ってくれるところが多く、面倒な手間が省けるのが嬉しい点です。
費用は仏壇の大きさやお店までの距離によって異なりますが、平均2~8万円が相場だと言われています。
ただし、閉眼供養を行ってもらったり仏具を一緒に処分してもらったりすると、追加料金がかかることも。
見積もりは基本無料で行ってくれるので、いろいろな店舗で比較してから検討するのがおすすめです。
粗大ゴミとして出す
仏壇は、自分で処分することもできます。
閉眼供養の済んだ仏壇にはもう、ご先祖様の魂は宿っていません。
煌びやかな仏壇もただの家具になるので、粗大ゴミとして処分しても全く問題ありません。
費用は一番安く、500~3000円くらいです。
自分で小さく解体すれば、燃えるゴミとして出すことも可能。
ただし、自治体によっては仏壇を粗大ゴミとして出すことを断られる場合もあります。
そうなると、民間の粗大ゴミ処分業者にお願いすることになりますが、費用はやや高めで1~7万円が相場です。
自分で処分を考える時は、必ず事前に自治体へ問い合わせをするようにしましょう。
仏壇を処分する3つの方法のメリットとデメリット
仏壇をどの方法で処分するかは、各項目で比較して検討する必要があります。
費用、手間、注意点…何を重視するかで、選ぶ方法は変わるもの。
仏壇を処分する3つの方法のメリットとデメリットを、それぞれご紹介していきます。
お寺(菩提寺)にお願いするメリットとデメリット
お寺(菩提寺)にお願いするメリット
- 菩提寺なので安心
- 古い位牌や仏具も一緒に処分してくれる
- 閉眼供養をした流れで引き取ってもらえる
お寺にお願いする一番のメリットは、安心感です。
仏壇以外の仏具品も、しっかりお焚き上げで供養してくれます。
閉眼供養をした流れで、そのまま引き取ってもらえるのも嬉しいところ。
とにかくスムーズに、安心して処分を一任したい人にはおすすめです。
お寺(菩提寺)にお願いするデメリット
- お寺や宗派によって費用が違う
- 仏壇は自分で運ぶケースが多い
費用の平均相場は3~5万円ですが、お寺や宗派によって違うので注意が必要です。
お寺はサービス業者ではないので、仏壇の運搬は自分で行うケースがほとんど。
全ての手間を完全に省きたい人は、少し割高になりますが仏具店で引き取ってもらうのが良策です。
仏具店に引き取ってもらうメリットとデメリット
仏具店に引き取ってもらうメリット
- サービスが充実している
- 運搬も行ってくれる
- 宗派に関係なく料金は一律
仏具店は仏壇を扱うプロなので、処分する際のサービスもとても充実しています。
専用の車やトラックで運搬も行ってくれるので、一切の手間がかからないのもありがたいですよね。
また、費用は仏壇の大きさやお店との距離で計算されます。
宗派は関係なく一律料金なので、思わぬ高額請求をされることもなく安心。
なるべく全ての手間を省きたい人に、おすすめです。
仏具店に引き取ってもらうデメリット
- 費用が高い
仏具店に引き取ってもらうデメリットは、1つだけ。
運搬やオプション(仏具の処分など)まで含めると、費用が高くなってしまうことです。
お店に頼むので仕方がありませんが、なるべくコストを抑えたい人にはおすすめできません。
仏具店での処分を検討するときは、なるべく多くのお店で見積もってもらって比較するようにしましょう。
粗大ゴミとして出すメリットとデメリット
粗大ゴミとして出すメリット
- 費用が安い
- 自分でできる
粗大ゴミを出す時にかかる費用は500~3000円なので、処分にかかるお金を最小限に節約できます。
自分でできるので、人やお店にお願いをする手間が省けるのも魅力。
閉眼供養さえ済んでいれば、いつでも好きな時に処分できます。
粗大ゴミとして出すデメリット
- 自治体によっては断られることがある
- 粗大ゴミを出す手続きをする必要がある
自治体によっては、仏壇を粗大ゴミとして出せないところがあります。
粗大ゴミの集荷当日に断られてしまうことがないように、事前の確認はしっかりと行っておきましょう。
また、粗大ゴミを出すには事前予約など、簡単な手続きをする必要があるので要注意です。
仏壇を処分した後の供養方法
仏壇を処分する理由は、買い替えや引っ越しなどさまざまですよね。
仏壇は必ずしも必要なものではありませんが、ご先祖様の供養は続けていくべきです。
最後に、仏壇を処分した後の供養方法をご紹介します。
コンパクトな仏壇を活用する
最近は、マンションでも使えるコンパクトな仏壇が流行っています。
ご本尊や仏具を置くスペースがあれば、サイズが小さくても立派な仏壇です。
価格も1万円前後と、比較的安く購入できるのが魅力。
仏壇の目的は供養だけでなく、ご先祖様との対話の時間を持つことにあります。
仏壇を処分した理由が引っ越しや新居のスペース問題なら、ぜひコンパクトな仏壇を置くことをおすすめします。
コンパクトな仏壇をマンションで活用する方法【基礎知識とサイズ】
1年に1回はお墓参りをする
仏壇は、家の中の小さなお寺の役割を果たしています。
そのため、仏壇を拝むことはお寺やお墓を参るのと同じ意味をなします。
家の中の仏壇を通して習慣的に供養できるのがベストですが、どうしてもの事情で置けない場合はお墓参りでしっかりと供養を行いましょう。
お墓参りをするのに、決まりはありません。
頻度も自由ですが、最低でも1年に1回はお参りすることをおすすめします。
ご先祖様への供養と感謝の心を忘れずに、仏壇を置かない場合は特にお墓参りの機会を大切にしてくださいね。
仏壇を処分する3つの方法【まとめ】
仏壇は、ご先祖様の魂が宿っている大切なものです。
開眼法要と閉眼供養の確認を必ずしてから、処分の手順を踏むように気をつけましょう。
あなたに最適な仏壇の処分方法が見つかることを願っています。