2019-08-08

京アニ、交通事故から学ぶ終活~大切なあなたへ~

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京アニ、交通事故から学ぶ終活~大切なあなたへ~

この記事の目次

終活は高齢者がするものというイメージがありますが、いつどんな形で亡くなるか分からないという意味では、若い方を含むすべての人が向き合うべきテーマといえます。

最近でいえば、2019年4月19日に東京・池袋で起きた高齢者運転事故、2019年7月18日の京都アニメーション放火事件で、大勢の若い人を含む方々が亡くなりました。

死傷者の数は、池袋高齢者運転事故で12名、京都アニメーション放火事件で69名

そのなかには、まだこの世に生を受けて間もない女の子とその子を守り育てる母親も含まれていました。

このように、「突然命を奪われることの理不尽さ」は、今この瞬間も私たちや私たちの大切な人の身の回りで静かに息を潜めています。

同様に、私たちが加害者となって人を傷つけてしまう可能性も無視することはできません。

そこで今回は、高齢者交通事故、京都アニメーション放火事件を通じて、突然命を奪われた時の備え、亡くなる前に家族で何ができるかを考えるきっかけにしたいと思います。

大切な人の人生を守るために、そして誰かにとっての大切な人を奪わないために、知るべきことを知ってできることをしていきましょう。

 

高齢者の死亡事故件数は、一般ドライバーの2.5~4倍にも上る

警察庁のデータによると、75歳未満の運転者と比べると、75歳以上の高齢運転者の事故件数は約2.5倍、80歳以上の高齢運転者は4倍近くにも上ります。

また、ほかのデータによれば、死亡事故の半数以上が高齢ドライバーによる事故とされています。

テレビのニュースで最近よく見かける高齢者による死亡事故は、実際に増えているのです。

さらに最近は認知症の患者数も増えており、高齢者運転の危険性は今後も高まることが予想されます。

このような背景のもとに、東京・池袋での高齢者運転事故は起こりました。

 

被害者遺族の痛切な訴え「少しでも交通事故による犠牲者が減ってほしい」

東京・池袋の高齢者運転事故で妻と娘を亡くした夫は、

少しでも運転に不安がある人は、車を運転しないという選択肢を考えてほしい。

また周囲の人も本人に働きかけてほしい。

家族の中に運転に不安がある人がいるならば、いま一度、家族内で考えてほしい。

少しでも交通事故による犠牲者がいなくなる未来になってほしい。

と会見で訴えました。

また、

「最愛の妻と娘を突然失い、ただただ涙することしかできず絶望している。」

「娘がこの先どんどん成長し、大人になり妻と私のもとを離れ、妻と寿命尽きるまで一緒にいる、そう信じていた。

たった一瞬で私たちの未来は奪われてしまった。

悔しくて悔しくてしかたがない。」

「この数日間、何度もこの先、生きていく意味があるのかと自問自答した。

しかし同時に、今回の事故での妻と娘のような被害者と、悲しむ遺族を今後絶対に出してはいけないとも思った。」

とも語りました。

また、京都アニメーション放火事件の被害者遺族のある方は「もう二度と会話できない」と取材に応じています。

失った命は戻りませんが、高齢ドライバーの交通事故については対策が練られており、実際に取り組みも増えてきています。

続いては、主に高齢ドライバーの方や高齢ドライバーのご家族がいらっしゃる方に向けて、交通事故を減らすために利用可能な取り組みをご紹介します。

 

増える取り組み・高齢ドライバーと家族を応援する行政

急発進防止装置の設置費用を東京都が9割負担

2019年7月31日より、車の急加速を防止する装置の設置費用を東京都が9割負担するという取り組みを始めました。

交通事故総合分析センターの調べによると、70歳以上の高齢ドライバーによるペダル踏み間違い事故は毎年1200件以上。

こういった背景のなか、今回の設置費用9割負担施策は行われました。

東京都の取り組みの対象者は、都内在住で今年度(2019年)中に70歳以上になる人で、さらに、免許を所有していて自家用車があることなどが条件となります。

限られた条件ではありますが、条件に合えば個人負担額は4千円~1万円程度で済みます。

設置費用9割負担の緊急対策は、2020年8月まで実施予定。

さらに、9月には茨城県交通安全協会が1万円補助の開始を予定しており、今後高齢ドライバーへの補助の動きは全国的に広がりを見せていくと予想され、利用が推進されています。

 

免許の自主返納の仕方と、家族をサポートする取り組み

免許の自主返納を推進する動きも大きくなってきました。

しかし、「免許を返納してと言っても、全然話を聞いてくれない」とお悩みのご家族も多いといいます。

まず、運転免許の自主返納の仕方についてご紹介し、そののちに免許の自主返納を応援する行政の窓口についてご紹介します。


運転免許自主返納とは?

1988年4月から高齢ドライバーの事故の多発を受けて、「運転免許自主返納」は導入されました。

また、免許証を返納すると身分証が無くなってしまうという声を反映して、2002年には「運転経歴証明書」も導入されました。

手続き方法については、管轄地域の警察署や運転免許センターにて受け付けており、地域によって交番でも手続きが行えます。

持ち物としては運転免許証が必須ですが、印鑑などが必要となる場合も。

詳しくは、地域の警察署公式HPでご確認ください。

 

さまざまな特典もある公的な身分証「運転経歴証明書」の申請方法

免許の取り消しや免停を受けているなどの場合を除いて、運転免許を返納してから5年以内の方は「運転経歴証明書」を申請できます。

申請場所は、運転免許の自主返納と同じく、お住いの地域の警察署や運転免許センターで申請が可能です。

持ち物としては、

  • 運転経歴証明書交付申請書(申請場所で記入する)

  • 住民票または申請者の指名、住所、生年月日が確認できる身分証明書

  • 申請用写真

  • 印鑑

が一般的ですが、地域や施設によっては申請用写真や印鑑を準備しなくてもよい場合もありますので、事前にチェックしておきましょう。

 

「高齢者運転免許自主返納ロゴマーク」のある店舗や施設でさまざまな特典が受けられる

「高齢者運転免許自主返納ロゴマーク」のある店舗や施設で「運転経歴証明書」を提示するとさまざまな特典が受けられます。

東京都を中心にご紹介しますが、ぜひお住まいの地域の特典についても調べてみてください。

こちらのサイトでは、都道府県ごとに特典がまとめられています。→高齢者運転支援サイトhttp://www.zensiren.or.jp/kourei/return/relist.html

 

東京都の特典

ごく一部の例です。

・イオンで、お買い上げ金額に関わらず即日配達便が1個あたり100~300円で可能

・デザイン仏壇コーディアルで、仏壇仏具が10%割引

・巣鴨地蔵通り商店街振興組合は、お買い物をされたお客様に記念品プレゼント。そのほか、商店街によっては店ごとに全品5パーセント割引などの特典あり。

・ピザ屋さんで、サイドオーダーのサービスや1500円以上注文の方にミックスパックひと箱プレゼントなどの特典

・西部ハイヤー株式会社のタクシー乗車料金が10%割引

・銀河鉄道株式会社の路線バスに1年間乗り放題定期が無料進呈される

 

簡単に例を挙げましたが、ほかにもたくさんの特典があるので詳しくはこちらをご確認ください。警視庁ホームページhttps://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/jikoboshi/koreisha/shomeisho/support.html

 

家族だけで説得できない場合は、警察署の相談窓口を利用

高齢者事故を減らす取り組みは増えていますが、家族だけでは説得できない場合もあります。

とくに、運転を生きがいや自立の証として考えている方を説得するのは大変です。

そんな方々に向けて、「運転適性相談窓口」が全国各地の警察署に開設されています。

通常は担当職員が対応にあたり、助言や指導、運転免許の自主返納を促していますが、最近では看護師が対応しているところも増加しています。

専門家によって認知症を発症しているかどうかを判断することが、高齢ドライバーの運転をを考えるうえで重要なポイントになるためです。

この取り組みが効果を発揮し、熊本県内の2015年の免許返納件数は、配置前の2014年から4割近く増えた3千件弱となりました。

認知度は4割程度といまだ低いのですが、看護師の採用など全国的に「運転適性相談窓口」の充実・強化が広がっています。

お悩みの方はぜひ、地域の警察署にお問い合わせください。

 

さらに、私たちにできること・保険への加入

どんな取り組みがあろうとも、全ての高齢者が免許を自主返納できるわけではありませんし、京都アニメーション放火事件のような凶行が防止されたりするわけでもありません。

さらに、自分側だけでなく相手側の人生を狂わせないためにも、備えは必要です。

そういったことを考えるなら、死亡時の保証として終身保険への加入は外せないといえるでしょう。

とくに終身保険はメリットが多く、必ず保険金が支払われる点や、相続税の控除が大きい点、解約返戻金があり死亡保険金以外の用途に充てることもできる点などが人気を集めています。

また、残された家族の葬儀費用負担の軽減のために、葬儀保険に入ることも考えられます。

そのほか、自動車保険には高齢者の方の保険料が高くなるというデメリットもありますが、とくに加害者側の視点に立ったときのメリットは大きく、無視できません。

年齢に応じた保険料増加率は保険会社によって大きく異なるため、複数の保険会社で相見積もりを取って比較することも重要です。

 

まとめ

終活は、今を生きる私たち全員が向き合うべきテーマです。

高齢ドライバーの家族がいる方は、急発進防止装置の設置や免許の自主返納をうまく勧めてあげましょう。

また、避けようのない凶行に対しても、できることはあります。

大切な人のために、死亡保険・葬儀保険・自動車保険に入るなどして万が一に備えましょう。

今回の記事が、あなたやあなたの大切な人の幸せを考えるうえでお役に立てば幸いです。

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