2019-08-08
仏壇の引っ越し方法と費用の値段相場について|仏壇は家具ではありません
この記事の目次
仏壇というものは、日頃あまり宗教や仏様に馴染みがない人でも厳粛に感じるものではないでしょうか。
もし、仏壇に何か悪いこと、たとえば実家で仏壇のお線香をあげるのに灰を散らかしてしまった、仏花の水をこぼしてしまったということがあるとバチが当たるなんて思ったりすることありませんか?
そんな厳粛な仏壇を含めた引っ越し、転居はどのようなことに注意が必要でしょうか。
また、費用はどれぐらいかかるのでしょう。
この記事では、仏壇の配置を変える時や引っ越す時の方法、注意することをまとめてみました。
ぜひ、読んでいただき仏壇の配置変え、引っ越しをする際にお役立てください。
仏壇の配置変え、引っ越しはどんな時?
仏壇を移す時、引っ越ししなくてはならない時は当然、仏壇の持ち主が部屋から引っ越しをする時になります。
転居で引っ越しする
いわゆる、普通の引っ越しです。
仏壇をお参りする人が転出する時は仏壇も転出することになります。
また、実家に誰もいなくなり相続する場合に仏壇の承継などもあるようです。
家の増築
家族が増えたりすることで部屋を増築する場合に仏壇の設置してある部屋も改装するようなら仏壇も移さなければなりません。
この場合、仏壇は違う部屋に配置できるように整えましょう。
家の改築
家を改築する時は、住んでいる人はもちろん、家財道具を全部ほかの場所に移さなくてはなりません。
普通、家を改築している間は近くのアパートなどに移動することが多いようです。
そうなると、住んでいた家より狭くなることがあるので仏壇を置くスペースがなくなる可能性が出てきます。
そのような場合は、仏壇を保管してくれる店舗があります。
大掃除をする時
普段の掃除では仏壇を動かしてまできれいにはできません。
でも、大掃除の時は仏壇を動かしてきれいにして差し上げると、ご本尊様もご先祖様も喜んでくださるのではないでしょうか。
仏壇を動かす時には供養をする?
仏壇を入家時には開眼の法要をします。
仏壇を配置変え、転居の時の供養は必要なのでしょうか。
転居、引っ越しの場合
仏壇を購入した時には開眼の供養をします。開眼の供養とは魂入れのことです。
魂を入れることでモノから、お参りされるといった対象になります。
やはり、転居は仏壇を外に出すことから供養が必要となるので転居の前に寺の僧侶に閉眼の供養を依頼しておきましょう。
この閉眼の供養はそれまで懇意にしていた寺の僧侶や家の近くにある寺の僧侶にお願いすることになりますが、引っ越し当日は忙しくなると思うので数日前までにおこなえることが望ましいです。
そして、仏壇を新しい家に入れたら開眼の供養をしてもらいます。
この開眼の供養は転居先近くの寺の僧侶にお願いすることになるので事前の調査が必要ですね。
少し手間がかかりますが、閉眼、開眼の供養をして気持ちよく仏壇を設置することができますね。
離れなどに移す場合
家屋の離れなどに仏壇の持ち主が移った場合は外へ出すことになります。
そのため、転居に倣う閉眼の供養をします。
転居の場合は遠く離れてしまうため1日で終わらすことはできませんが、同じ敷地内だと同日で済むことが多いようです。
また、僧侶に依頼するのも一度で済むので手間が省けます。そのような時は、僧侶にしばらく待っていただくようにお願いしましょう。
供養が必要ないケース
同じ敷地内の家屋でも部屋から外に出すと供養をした方が良いということでした。
それでは、一軒の家中で仏壇を動かす時も供養が必要なのでしょうか。
このような場合の供養は必要ないようです。
ただ、ご本尊様、ご先祖様に線香をあげ、これから動かすことをお伝えして線香が消えてから始めましょう。
その際に、位牌やご本尊様も移すことになりますが清潔な手で持ち、作業するように心がけましょう。特に、白い布で包む必要はないようですがご自身で判断を。
仏壇の引っ越しの日次
仏壇を動かす引っ越しはどのような日次が良いのでしょう。
やはり、仏壇を含めた転居ということで日にちは六曜を選ぶ人もいます。
六曜とは、結婚式や葬式を決める時に使われる大安、友引、仏滅などのことをいいます。
仏壇はとても崇拝されるもの、仏滅などに動かしてはならないという考えかたの表れなのでしょう。
仏壇の搬出、搬入順序
まず、引っ越しをする前に仏壇、仏具を写メに収めて置くことをおすすめします。
毎日のようにご供養していても意外と仏壇の中の様子、仏具を置いてある場所をはっきり覚えていないなんていうことはありませんか?
写メに収めたら、仏具を取り出し1つずつ丁寧に紙に包みダンボールなどに詰めます。
仏壇、仏具を他の家財道具と同様に運搬することも可能ですが、できればご本尊、位牌、仏具だけでも自分の手で運搬した方が良いですね。
また、引っ越しトラックに積む際は、仏壇は横向き下向きにならないように気をつけます。
立てた状態のまま固定して運んでもらえるように引っ越し屋さんにもお願いしておきましょう。
転居先の家に運んだら、仏壇を設置、写メを見ながら仏具を仏壇の中に設置。その際には引っ越しで汚れてしまっているかもしれないので、硬く絞った布で汚れを拭き取ります。
落ち着いたら、開眼の供養の準備をします。
その後、依頼しておいた僧侶に開眼の供養、魂入れをしてもらいましょう。
この搬出搬入の流れで気をつけたいのが、仏壇をトラックの荷台に乗せる順序です。
前の家で家財道具をトラックに積み込む時は、仏壇は1番最後に乗せるようにします。
すると、新居に家具などを入れる時に仏壇が1番最初に入ることになります。
こうすることで、仏壇がトラックに入っている時間を最短にすることができるわけです。
閉眼の供養をしたとはいえ、仏壇はご本尊様、ご先祖様の「家の中の寺院」でもあるわけですから大切に丁寧に扱うようにしましょう。
仏壇の閉眼、開眼供養の費用
仏壇を外に移す時には、僧侶を家までお呼びして閉眼、開眼供養をしてもらわなければなりません。
その費用はどのぐらいかかるのでしょうか。
世間一般では僧侶を家にお呼びした場合の費用としてお布施、交通費、お茶代などをお支払いするようです。
一般的なお布施代というのが、10,000~50,000円と言われているようですが、だいぶ幅がありますよね。
よく分らず不安だという人は寺院に直接聞いてみても失礼な作法ではないようです。
一般的な引っ越し会社の費用
仏壇を引っ越し屋さんに運搬してもらう際は、引っ越し見積もり費用プラス10,000~20,000円となるところもあるようですが、明確な金額は提示されていない業者が多く、運搬距離によっても金額は変わってくるので事前に確認しておくと安心です。
また、一般的な引っ越し屋さんでも仏壇の専門業者に依頼するケースもあるようですが、そのようなケースの費用はオプションとなるようです。
仏壇の専門業者の費用
値の張る仏壇、特別な思いのある仏壇などといった事情から仏壇を、より丁寧に扱うため費用はかさむようです。
仏壇は普通の引っ越し屋さんでも取り扱ってくれるようですが、値が張る仏壇はプロに依頼した方が安心ですね。
プロである専門業者にお願いすれば、仏壇全般、仏具全般まで全部おこなってくれます。
また、引っ越しの際に仏壇仏具の清掃をおこなってくれる業者もあるので、この際にきれいにしてもらうのも良いかもしれません。
引っ越しの運搬費は仏壇のサイズや転居先までの移動距離によって違うので、いくつかの業者に見積もりをとることをおすすめします。
世間一般的には引っ越し業者より高く、50,000~100,000円はかかるといわれています。
普通の引っ越し会社、仏壇専門業者、どちらにしたら良いか分からないといった時は仏具店、仏壇屋さんに尋ねてみるのも良いようです。
家の改築で仏壇を移したい
家を改築する時、住人は近くのアパートなどに一時引っ越さなくてはなりません。一時的に住む場所なので狭くなるケースが予測されます。
そのようなケースは、仏壇だけでも預かって欲しいものです。
そうした場合、仏壇専門業者で取り扱ってくれます。
転居の時と同じように、閉眼の供養をおこなった後に専門業者に引き取りにきてもらいましょう。
専門業者の仏壇の保管費用は月に2,000~5,000円ぐらいが相場のようです。
仏壇を処分したい
引っ越しを機に仏壇を処分したいといったケースもあります。
または、古い仏壇から新しい仏壇に替えるケースもあるでしょう。
そのような場合は、閉眼の供養をおこなったうえで
・仏壇の専門業者
・仏壇専門店
・寺院
などに引き取ってもらえるかどうか聞いてみましょう。
仏壇の専門業者、仏壇専門店が引き取る場合の費用は仏具の処分で2,000円程度、仏壇の処分に10,000~40,000円程度かかるようです。この場合も運搬距離によって費用も変わってくるので前もって見積もりをとっておくことをおすすめします。
まとめ
仏壇の転出、転入は普通の引っ越しとは違い作法や運搬方法に手間がかかるようです。
仏壇を運搬する費用は、普通の引っ越し屋さんにオプションで依頼する、仏壇専門業者に依頼する、自分で運ぶ、によって変わってきます。
自分で運ぶことが1番安く済みますが、仏壇が大きなもので重いと難しいですよね。
仏壇専門業者に依頼すれば安心ですが費用も高額になるようです。
そうなると、普通の引っ越し業者のオプションを依頼することが無難と言えそうです。
また、仏壇は他の家具とは違います。
仏壇を家から出す時には参拝の対象からモノにするために閉眼の供養をして魂抜き、外から家の中に入れる時はモノから参拝の対象とするための魂入れの開眼の供養をする必要があります。この際には寺の僧侶にお願いするために別な出費もかさむことになります。
仏壇の引っ越しは上記のことを踏まえて移す手段を選びましょう。
仏壇はご本尊様、ご先祖様をお祀りする「家の中の寺院」です。
丁寧に扱うと共に、敬う気持ちを忘れないように心がけましょう。