2019-08-08

遺産相続の手続きと困ったら?各種相談窓口をご紹介

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遺産相続の手続きと困ったら?各種相談窓口をご紹介

この記事の目次

大切なご家族を亡くした時、誰しも虚脱感に襲われ悲しみに打ちひしがれることでしょう。けれども、そんな遺族を悲しみにひたらせる間もなく押し寄せてくる現実があります。それは遺産相続の手続です。「遺産など大した額ではないし、もともと当てにしていたわけでもない。そんなことより、今はただ誰にも邪魔されずに故人の思い出を一人静かにかみしめていたい」と思っても、残念ながら遺族は一つ一つの手続きを粛々と進めていかなければなりません。

ここではそんな方のために、どんな手続きをしていけばよいかをそれぞれの手続きの期限ごとに見ていきましょう。困ったときの相談窓口もあわせてお伝えしますね。

1-1から1-7までは、遺産相続の手続きに入る前の準備段階、2-1から2-8までが本格的な相続手続きになります。

なお、この記事では主に相続人が1人の場合についてふれています。相続人が複数いて、なおかつ公正証書遺言がない場合に必要になる遺産分割協議などについてはここではふれていませんので、必要な方は別記事をご参照くださいね。

 

困った時は? お住まいの役所の相談窓口へ

1-1 死亡届の提出(7日以内)

亡くなられた場所、または本籍地の役所に提出します。7日以内となっていますが、死亡届と同時に火葬許可申請書を提出し、許可証をもらわないと葬儀が執り行えませんので、死亡当日か翌日に提出するのが一般的です。葬儀屋さんで代行サービスを行っているところも多くありますので、そちらに任せればスムーズです。

 

困った時は? 最寄りの年金事務所または年金センターへ

1-2 年金受給権者死亡届の提出(厚生年金の場合は10日以内・国民年金の場合は14日以内)

最寄りの年金事務所か年金センターで手続します。亡くなった方の年金の受給は、停止する必要があります。届を出さずにいて、亡くなった後の分の年金を遺族がかわりに受け取ると不正受給となり、返還請求を受けることになります。なお、遺族年金の受給資格のある方は同時に遺族年金の申請も行うとよいでしょう。遺族年金の申請期限自体は5年間ですが、この機会に同時に申請しておくと迅速に受給開始できます。

 

困った時は? お住まいの役所へ

1-3 国民健康保険資格喪失届(14日以内)

1-4 介護保険資格喪失届(14日以内)

1-5 世帯主変更届(14日以内)

この3つについては、該当する場合だけ提出すればよいものとなります。亡くなられた方がお住まいだった市区町村の役所で行えます。

 

困った時は? 各金融機関へ

1-6 金融機関への連絡(3カ月以内)

亡くなられた方名義の口座に残された現金は、相続財産という扱いになります。相続人が1人であり、故人の生前から相続人が故人の口座を管理していた場合には大きな問題になることはないかもしれません。けれども、他に相続人がいる場合は、「死後に勝手に口座からお金を引き出した」と受け取られる行動は慎むべきでしょう。そのためにも速やかに金融機関へ死亡届を提出し、取引を停止してもらいましょう。

 

困った時は? 各生命保険会社へ

1-7 生命保険金の受け取り(3カ月以内)

生命保険金は相続財産ではありませんので、受取人の欄に特定の個人名が記されている場合は問題ありません。受取人は、他の相続人を気にすることなく全額を受け取り、自身の財産とすることができます。受取人の欄が空白の場合などは、複数の相続人で分割する場合もあるので注意が必要です。

 

ここまでで、遺産相続の手続の中では「準備段階」とも言える基本的な手続きについてお伝えしてきました。

それでは、ここからはいよいよ本格的な遺産相続の手続きに入っていくことにしましょう。

 

困った時は? 弁護士・司法書士・行政書士・税理士事務所へ

2-1 遺言書の有無の確認(3カ月以内)

遺言書が残されているかそうでないかによって、その後の手続きは大きく変わってきます。そのため、まず故人の遺言書があるかどうかをはっきりさせなくてはいけません。部屋の引き出し、銀行の貸金庫などに残されていることが考えられますが、生前にあらかじめインフォメーションをしておいてくれれば遺族にとってはスムーズであることは言うまでもありません。

~遺言書がない場合~

 この場合は「遺言書なし」ということで、相続人全員による遺産分割協議を行うことになります。

 

困った時は? 公証役場へ

~遺言書がある場合その1「公正証書遺言」~

公正証書遺言は、最も確実性の高い遺言です。公正証書遺言がある場合は、遺言人の死後、直ちにその効力が発生します。相続人と遺言執行人にとってはスピーディーに事務処理を開始できるという大きなメリットがあります。

 

困った時は? 家庭裁判所へ

~遺言書がある場合その2「公正証書遺言以外の遺言」~

公正証書遺言以外の遺言のある場合の手続きとしては、家庭裁判所の「検認」があります。検認とは、相続人全員が日時を決めて集まり、家庭裁判所の立ち会いのもとで遺言書の内容を確認し合うことです。ですから、検認の前に誰かが勝手に遺言書を開封してしまったりしてはいけません。誤って開封してしまうこともあるかもしれませんが、その後の流れがややこしくなり、時間がよけいにかかることにもなります。また、開封してしまった人にとっては不利な結果につながることもあり得ます。十分注意しましょう。いずれにしても、公正証書遺言がある場合とくらべれば手続きは煩雑になり、時間も要することになります。

 

困った時は? 弁護士・司法書士・行政書士・税理士事務所へ

2-2 相続人の調査(3カ月以内)

遺言書の有無にかかわらず、故人の法定相続人を調査し、確定させなければ相続の執行はできません。これには相続人全員の戸籍謄本を集める必要があります。戸籍謄本はそれぞれの人の本籍地の役所でしか取得することができませんので、遠方の場合は郵送でのやり取りとなります。相続人が多い場合は相当な枚数になりますし、時間も手間もかかる作業です。ただでさえ大切な人を亡くして心労の大きい遺族にとってはストレスもかかります。ケースに応じて専門家に依頼するのも賢い方法と言えるでしょう。

 

困った時は? 弁護士・司法書士・行政書士・税理士事務所へ

2-3 相続財産の調査(3カ月以内)

遺産相続をするからには、相続する財産について何がどのくらいあるのかを正確に知らなければなりません。土地家屋・現金預金・有価証券などはもちろん、自動車やゴルフの会員権なども相続財産に含まれますので、見落としがないように注意しましょう。また、相続財産はプラスのものに限りません。ローンの返済や借金などマイナスのものも相続財産です。マイナスの財産の方が多い場合は、相続人は相続を放棄することができます。けれども、プラスの財産だけを相続し、マイナスの財産は相続しないという選択はできません。プラスマイナスどちらが多いのかをはっきりし、よりよい判断をするためにも、相続財産の調査は正確に行いましょう。

 

困った時は? 家庭裁判所へ

2-4 単純承認・限定承認・相続放棄の選択(3カ月以内)

借金などマイナスの遺産がある場合、相続することは相続人に不利益をもたらします。こういった場合、相続人は不利益を回避するために限定承認または相続放棄という選択をすることができます。これらの手続きは、家庭裁判所で行います。マイナスの財産がない場合や、プラスマイナスで明らかにプラスの財産の方が多い場合は単純承認を選んで問題ありません。この3つのうちどれを選ぶべきかを考えるための「熟慮期間」として相続人には3カ月間が与えられているのです。

 

困った時は? 税務署・税理士へ

2-5 所得税の準確定申告(4カ月以内)

故人が個人事業主であった場合など、毎年確定申告を行っていたような人であれば、亡くなった年度分の確定申告を相続人がかわりに行わなければなりません。この準確定申告を期限内に行わなかった場合、延滞税や無申告加算税などが課されることになりますので注意しましょう。

 

困った時は? 税務署・税理士へ

2-6 相続税の申告と納付(10カ月以内)

遺産が少ない場合は、相続税は発生しません。具体的な計算式で言うと、法定相続人1人当たり600万円+3,000万円までの金額であれば相続税について頭を悩ます必要はありません。相続税を支払わなければならない方の割合は、全相続人のうち1割以下です。多くの人は対象外であり、余計な心配は無用でしょう。支払わなければならない方の場合は金額もそれなりのものになりますので、間違いを防ぎ、労力を軽減するためにも、ある程度の費用をかけても専門家に依頼するのがおすすめです。

 

困った時は? 司法書士へ

2-7 相続登記(10カ月以内)

相続した不動産の登記については、本来、期限は設けられていません。ということは、いつ行ってもよいし、極端な話、行わなくてもよいことになります。けれども、相続登記を怠るとさまざまなデメリットが生じてきますので、10カ月以内に行うのが望ましいでしょう。ちなみに、デメリットとしては、単独で相続した場合でも「相続した不動産の売却ができない」「公的書類の保存期間が過ぎて、必要な書類がそろわなくなる」などが生ずる可能性があります。相続人が複数の場合には、さらに「代替わりなどによって他の相続人が増え、協議が難航する」といったこともあり得ます。ですから、相続登記は10カ月以内をめどとして、早めに済ませるようにしましょう。

 

困った時は? 弁護士・司法書士・行政書士・税理士事務所へ

2-8 配偶者相続税軽減の手続き(3年以内)

相続人が故人の配偶者である場合は、相続税を軽減してもらえる場合があります。ただし、これは使い方によってはかえって損になる場合がありますので、相続財産がたくさんある方は、専門家に相談する方が得策です。

 

まとめ

困った時の相談窓口もたくさんあって、どれを選べばよいか迷ってしまいますね。それぞれの専門家によって得意分野も違えば料金も異なりますが、まずは信頼できる専門家を1人見つけましょう。そうすれば、分野によってはその人が、他の専門家を紹介してくれることもあるでしょう。素人が1人で悩むよりも、適切な専門家に相談する方が費用はかかってもストレスが少なく済むものです。まずは市役所などの無料相談を利用し、ある程度の知識を身につけた上で専門家選びをするのもおすすめです。

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