2019-09-09

三回忌や七回忌の法事はいつするもの?法事の基本的な知識まとめ

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三回忌や七回忌の法事はいつするもの?法事の基本的な知識まとめ

この記事の目次

仏教では法事を行う年が決められており、これを年忌法要(ねんきほうよう)といいます。
一周忌や三回忌、十三回忌など、よく聞く言葉ですよね。
しかし、いつどのように行うべきなのか、そもそも何をするのかなど、法事のあれこれを知らない方が増えているそうです。

そこで今回は、年忌法要の基礎的な知識をまとめてみました。

法事を控えていて故人の供養につとめたい方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね。

 

三回忌や七回忌ってなに?

三回忌は、「さんかいき」と読み、一周忌の翌年に行われる年忌法要です。
一周忌は亡くなった年の翌年に行い、三回忌はそのさらに翌年に行います。

3という数字だから亡くなった3年後にやるものと思われがちですが、年忌法要は数え年のため没後2年の時期に行われるものです。

一周忌は亡くなった翌年に行われますが、これはいわば二回忌と考えればよいでしょう。
また、七回忌は「ななかいき」と読み、亡くなった翌年に一周忌、そのさらに翌年に三回忌と続いた後、四回忌ではなく七回忌(ななかいき)が行われます。
こちらも勘違いされがちですが、行う時期は没後6年です。

法事を「3」と「7」のつく年に行う理由は2つある

一周忌は除くすべての年忌法要は「3」と「7」のつく年に行うのが一般的で、三回忌、七回忌、ときたらその次は十三回忌ですし、そのさらに次は十七回忌となります。

毎年お盆にお墓参りをするように法要も毎年行ってもいいように思うという方もいらっしゃるかもしれませんが、これには理由が2つ考えられます。

一つは、法要がとても準備と手間のかかる大きな行事であることです。

お坊さんや親戚一同を集めて法要を行うのはなかなか大変で、そのために法要を行う年が決められたのだと考えられます。

そのうえで「3」と「7」という数字が選ばれたのは、仏教で大切な意味を持つ数字だからです。
たとえば「7」は、お釈迦様が生まれたとき、七歩歩いて天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)と言ったといわれます。

また、私たちの迷いの世界である六道を超えて悟りに至る、という意味で「6」を超える「7」という数字が大切にされているともいわれています。

「3」も同様に「2」を超えるという意味のようです。

「2」を超えるというのは、「勝ち・負け」「損・得」「生・死」といった両極に偏った考え方から離れて、中道の生き方をするということを意味します。

中道というのは、悟りを目指すうえで非常に重要な姿勢で、お釈迦様も息子の尊者に「2を超える生き方をせよ」と言ったそうです。

そこから、毎年法要を行えなくても、仏教で大切な意味を持つ数字の年はしっかり供養を行おうということが習慣化し、「3」と「7」のつく年に年忌法要が行われるようになったといわれています。


次は何回忌?一目でわかる早見表

三回忌、七回忌、十三回忌…と続く法事をいつ行うのか、一目でわかる表をご紹介します。

 

令和元年/平成31年(2019年)時点での年忌早見表
 

年忌

死去年

一周忌

平成三十年

2018年

三回忌

平成二十九年

2017年

七回忌

平成二十五年

2013年

十三回忌

平成十九年

2007年

十七回忌

平成十五年

2003年

二十三回忌

平成九年

1997年

二十七回忌

平成五年

1993年

三十三回忌

昭和六十二年

1987年

三十七回忌

昭和五十八年

1983年

四十三回忌

昭和五十二年

1977年

四十七回忌

昭和四十八年

1973年

五十回忌

昭和四十五年

1970年

百回忌

大正九年

1920年


引用:https://www.e-butsuji.jp/butsuji1-2.html

上の表が分かりづらい方は、以下の表の方が分かりやすいかもしれません。

 

法要の種類

時期(年数の数え方)

一周忌(いっしゅうき)

お亡くなりになられて満1年

三回忌(さんかいき)

お亡くなりになられて満2年

七回忌(ななかいき)

お亡くなりになられて満6年

十三回忌(じゅうさんかいき)

お亡くなりになられて満12年

十七回忌(じゅうななかいき)

お亡くなりになられて満16年

二十三回忌(にじゅうさんかいき)

お亡くなりになられて満22年

二十七回忌(にじゅうななかいき)

お亡くなりになられて満26年

三十三回忌(さんじゅうさんかいき)

お亡くなりになられて満32年

三十七回忌(さんじゅうななかいき)

お亡くなりになられて満36年

五十回忌(ごじっかいき)

お亡くなりになられて満49年

 

引用:https://obousan.minrevi.jp/nenkihouyou-tomuraiage/

五十回忌で年忌法要は終了となり、これ以降は遠忌法要となります。


最後の法事、弔い上げって?

最後の年忌法要を指す言葉で、三十三回忌か五十回忌が弔い上げとなるのが一般的です。

ただし、32年もの月日が経っていると、故人と縁の深かった方も亡くなってしまっている可能性が高くなります。

そのため、三十三回忌で弔い上げとする場合が多くなっており、中には十七回忌を弔い上げとするケースも増えているようです。

年忌法要はいついつまで行わなければならないといった決まりは基本的にありませんので、ご自身のお気持ちや親族の都合に合わせて弔い上げの時期を決めるのがよいでしょう。


年忌法要はどんなもの?当日の流れを紹介します

三回忌や十三回忌の年忌法要で、何をすればいいか分からないという人も多いのではないでしょうか。

一般的に、法事は以下のように進行します。

 

  1. 施主・親族は参列者を出迎える

  2. 施主は僧侶に挨拶

  3. 参列者全員が着座する

  4. 施主が開始の挨拶をして、僧侶入場

  5. 僧侶による読経

  6. お焼香

  7. 読経と法話が終了すると、僧侶が退場

  8. 会食の前に、施主挨拶

  9. 献杯

  10. 会食

  11. 参列者は引物を持ち帰る

  12. 施主挨拶をして、閉式

ここでは、法事の具体的な内容について紹介します。

 

僧侶入場と施主挨拶

参列者全員が席に座り、僧侶が入場して始まります。

法要を自宅で行う場合は、僧侶に座っていただく席をお仏前に準備しましょう。

お寺や式場を借りて行う場合は、お寺や葬儀社スタッフが準備を行ってくれるので、法要の時間までに到着しておきます。

なお、席につく順番は故人と縁の深い人から前に座ります

僧侶が着座すると、施主は挨拶を行います。

挨拶内容としては、「本日は、ご多用のところご参列いただきまして、まことにありがとうございます。これより〇〇〇〇(戒名)の〇回忌の法要を執り行いたいと思います。(僧侶に顔を向けて)それでは、よろしくお願いいします。」このように短く簡潔にするのがよいです。

 

読経とお焼香

施主挨拶の後、僧侶が読経を行い、参列者の焼香が始まります。

このとき、一般的には前の人から順番に焼香します。

焼香の仕方は宗派によって違いがありますので、参加する法要がどの宗派の形式をとっているのかを前もって確認しておくと、失敗がありません。

読経の時間は、約15分ほどが一般的です。

 

法話が終わると僧侶退場

読経が終わったら僧侶が法話をします。

法話は僧侶が仏教の教えを分かりやすく話すことですが、法要では簡単に済ませることが多いようです。

僧侶が退場する際には、お布施などをお渡しします。

ただし、僧侶が法要後の食事に同席する場合には、ここでの退場はありません。

この場合は、法要後の食事が済んだらお布施をお渡しします。

あるいは、最初に僧侶を出迎えたタイミングでお渡しすることも可能ですが、お布施を渡すタイミングに不安がある方は前もってお寺に訊いておくとよいでしょう。

 

施主が終了の挨拶をして、会食に

僧侶が退場したら、施主は終了の挨拶を行います。

開始の挨拶のときよりも一言二言長めに話すとよいでしょう。

内容は、参列していただいた方への感謝の気持ちと会食の準備があることを伝えるものにします。

会食のメニューはお弁当や会席料理が一般的ですが、子供向けに食べやすいものを選ぶことも多いようです。

自宅やお寺で法事を行った場合は、会食を別の場所でいただくこともあります。

 

施主による法事終了の挨拶文例

本日はご多用の中、お集まりいただきまことにありがとうございました。

たくさんの方々にお越しいただき、故人も大変喜んでいることと思います。

ささやかではございますが、お膳をご用意させていただきましたので、お時間の許す限りおくつろぎください。

本日はまことにありがとうございました。

 

法事で準備するお金、必要なもの

年忌法要についてご紹介してきましたが、これらの法事・法要にはお金がかかります。

ここでは、施主が負担しなければならない費用を紹介します。

 

僧侶へのお布施の相場と準備のやり方

僧侶へのお布施は、約3万円が目安です。このほか、出張料としてのお車代が5千円~1万円程度、お食事代としてのお膳料が5千円~1.5万円程度が相場になります。

これはあくまで目安なので、実際のお布施の金額は、お寺に法要の依頼を行う際に確認を取っておくとよいでしょう。

お布施の包み方は各宗教によって異なりますが、「御礼」という表書きが宗教に関係なく使用できるため、不安な場合はこの表書きを使います。

 

法事で使うお供え物について

法事用に色味がおさえられた花束を飾ることが多いようです。

生前故人が好きだった花を入れて飾れば、供養としての意味合いも大きくなります。

花束以外なら、お茶や和菓子、タオル、石鹸などをお供えするとよいでしょう。

故人が生前好きだったものをお供えしたい場合は、お寺などに問い合わせます。

 

法事の引物は何がいい?

法事が終わると参列客に持って帰ってもらうお土産のことを、引き出物ではなく引物(ひきもの)と呼びます。

引物はあくまでも不祝儀なので、残らない食べ物や消耗品が適切です。

また、持ち帰りやすいものだとなおよいでしょう。

そういったこともあり、石鹸や洗剤、飲み物、お菓子、商品券やカタログギフト、乾物が良く選ばれています。

 

まとめ

年忌法要を中心に、法事にまつわるさまざまなことを紹介しました。

法事で施主をつとめる予定のある方や参列を控えている方は、失敗することのないよう、ぜひ今回の内容を参考にしてみてくださいね。

 

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