2019-09-09
法事の香典は回忌によって違う?金額相場や親族に対してなど疑問にお答え
この記事の目次
お葬式の香典の相場は決まっていますが、法事では回忌によって変動します。
四十九日や一周忌、三回忌…種類が多すぎて、よく分からなくなってしまいますよね。
香典は気持ちが大切ですが、マナーを守らないと失礼にあたることもあります。
今回は、法事の香典の金額相場を回忌別にまとめてみました。
親族に対してはどうなのかなど、関係性による金額相場の目安もご紹介しています。
法事の香典の金額のことでお悩みの方は、ぜひご参考ににしてくださいね。
法事の香典とは
法事の香典は、お悔やみの気持ちを伝える大切な慣習です。
故人へのお供え物の役割も担っているので、心を込めて包むようにしましょう。
まずは、法事の香典の基本についてご紹介します。
故人の前にお供えするお金のこと
香典とは、お線香やお花、食品が由来の故人へのお供え物のこと。
参列者で品物を持ち寄ることで、遺族の方の負担を減らそうというのが目的です。
現在では、品物の代わりにお金を包むのが慣習になっています。
香典と別にお供え物を用意することもありますが、基本的にはお金を包むだけでOKです。
宗派や地域、関係性によっては両方用意した方がいいこともあるので気をつけましょう。
ちなみに、キリスト教では「香典」という言葉は用いません。
仏教における法事の代わりに追悼儀礼というものがありますが、お金を包む場合は「御花料(おはなりょう)」や」「忌慰料(きいりょう)」 として渡すのが慣習です。
法事の香典の金額は回忌によって変わる
法事は、一回限りの弔事のことではありません。
故人が逝去してから数日ごと、数年ごとに執り行われます。
法事の別名は「追善供養(法要)」ですが、これは故人の魂を成仏させるために行うもの。
どれも欠かせない、大切な行事なのです。
ただし、法事は回を重ねるごとに規模が縮小していく傾向にあります。
満2年目に行われる三回忌くらいまでは知人や友人も呼ぶのが一般的ですが、それ以降は親族のみで行うのが通例です。
そのため、香典の金額相場も回を重ねるごとに下がっていきます。
法事の香典の金額相場は、全て一律ではないので気をつけてくださいね。
法事の香典の金額相場【回忌別】
法事の香典の金額相場は、回忌や故人との関係性によって決定します。
大幅にズレた金額を用意してしまうと、遺族の方を困らせてしまうことになるので要注意。
それでは、法事の香典の金額相場を回忌別にご紹介します。
初七日と四十九日
初七日と四十九日は、故人が逝去してからまだ間もない時期に行われる法事です。
- 初七日…7日目の法事。現在では、少し期間を早めてお葬式の当日に続けて行うことが多い。
- 四十九日…49日目の法事。この日から「忌明け」になるので、盛大に行うのが一般的。
初七日の香典の金額相場は、お葬式の後に続けて行うのか、それとも別で行うのかによって違ってきます。
友人や知人のお葬式の香典の相場は、3千円~1万円。
お葬式の後に続けて行う場合の初七日の香典の相場は、葬儀で包んだ金額の半額程度が適切です。
別日に改めて行う場合は、初七日と四十九日の金額相場は同じくらいと考えて構いません。
故人との関係性別、初七日と四十九日の金額相場まとめはこちらです。
- 両親…3~10万円
- 兄弟、姉妹…1~5万円
- 祖父母、叔父、叔母、甥、姪…5千円~3万円
- いとこやその他の親戚…3千円~1万円
- 友人、知人、会社関係…3千円~1万円
金額相場に幅があるのは、自分の年齢や個人的な関係性の深さによっても変動するからです。
親族でなくても交流が深くお世話になった人には、多めに包むのがマナーになります。
一周忌と三回忌
一周忌と三回忌は、節目となる大切な法事です。
三回忌までは友人や知人を呼んで行うことが多いので、香典マナーはしっかり覚えておきましょう。
- 一周忌…満1年目に行う法事。
- 三回忌…満2年目に行う法事。
故人との関係性別、一周忌と三回忌の金額相場まとめはこちらです。
- 両親、兄弟、姉妹…1~5万円
- 祖父母…5千円~3万円
- 叔父、叔母、甥、姪…5千円~1万円
- いとこやその他の親戚…3千円~1万円
- 友人、知人、会社関係…3千円~1万円
初七日や四十九日と比べると、少しずつ相場が下がっているのが特徴です。
ちなみに、諸都合で初七日や四十九日に参列できなかった場合は、少し多めに包むのがマナー。
全ての法事に参加している場合は、相場の中でも少なめの金額をチョイスしても構いません。
むしろ、遺族の方が気を遣わずに済むこともあるので、参列率によって金額は調整しましょう。
七回忌以降
三回忌以降も、数年ごとに法事は続きます。
- 七回忌…満6年目に行う法事。
ただ、七回忌以降の法事は親族以外を呼んで行うことはほとんどありません。
親族のみで慎ましやかに行うことが多く、香典の金額相場も著しく下がります。
- 両親、兄弟、姉妹…1~3万円
- 祖父母…5千円~1万円
- 叔父、叔母、甥、姪…5千円~1万円
- いとこやその他の親戚…5千円~1万円
- 友人、知人、会社関係…3千円~1万円
金額相場はこのようになっていますが、実際には香典(お金)ではなく品物を持ち寄ってお供えするというパターンも多いです。
参列者で事前に打ち合わせを行って、故人の好きだったものや役に立ちそうなものなどをみんなで贈ることもあります。
アットホームな雰囲気で執り行うことが多いので、他の参列者の様子を見ながら臨機応変に対応するようにしましょう。
法事の香典の金額相場に関する注意点
法事の香典を包む時は、金額相場以外にもいくつか注意点があります。
マナー違反をして遺族の方に失礼を働くことがないよう、しっかり把握しておきましょう。
最後に、法事の香典の金額相場に関する注意点をご紹介します。
金額の数字に気をつける
法事の香典を包む時は、金額相場だけでなくお金の数字にも気をつけます。
まず、2,4,6,8などの偶数は基本的にNG。
偶数は割り切れる数字なので、「故人とのこの世(自分)との縁が切れてしまう」ということを連想させてしまうからです。
4や9も、「死」や「苦」を表すということで避けられてきました。
日本人は昔から、数字の表す意味や言葉を大切に信仰してきた民族です。
最近はあまり気にしないという風潮もありますが、年配の方の中にはまだまだこういったタブーを気にしている方が多いのが現実。
香典はなるべく1,3,5など、奇数かつ忌み言葉を連想させない数字の金額で包むようにしましょう。
また、中には「お札の枚数が偶数にならなければいい」と認識している方もいます。
例 2万円を1万円札+5千円札2枚(計3枚)で包む
しかし、このやり方であっても基本的にはタブーです。
香典の負担は大きいかもしれませんが、数年に一度の大切な不祝儀事です。
なるべく、失礼のないような金額を包むことを心がけてくださいね。
法事では新札を用意する
お葬式の香典には旧札を包むのがマナーですが、法事では違います。
法事の香典は、必ず新札で用意しましょう。
その違いと理由はこちら。
- お葬式…突然行われるもの。新札はすぐに用意できないものなので、使用すると「故人の死を待っていた」という印象になってしまうのでタブーとされている。
- 法事…故人が逝去してしばらく経ってから行われるもの。準備できる期間は十分にあるので、新札を用意するのがマナー。
お葬式は、突然の連絡を受けて参列するものです。
そのため、用意周到だと待ち望んでいたような印象を与えてしまいます。
新札しかない場合は折り目をつけるなど、旧札として包むのがマナーだということを覚えておきましょう。
一方で、法事はきちんと準備をして参列できるものです。
不祝儀事だからとよく誤解されているのですが、法事では新札を包む方が好ましいとされています。
ただし、宗派や地域によって慣習は異なるもの。
中には、法事で旧札を包んでも問題ないという場合もあります。
判断が難しい時は、他の参列者と確認を取り合うのがおすすめです。
確認をすることで、正しい情報が分かったり金額相場の参考にしたりすることもできます。
疑問点がある時は、積極的に他の参列者と交流をして情報交換を行うようにしてくださいね。
会食がある場合は上乗せする
法事では、終わった後にみんなで会食を行うのが一般的です。
会食は自宅で行なったり飲食店で行なったりと、いろいろなパターンがあります。
この会食費はその場で徴収しないので、香典の中に含めて渡すのがマナー。
基本的には、香典に5千円~1万円を上乗せすればOKです。
この金額は、法事の規模や会食の場所によって調整します。
他に同行する参列者がいれば(子どもなど)、その人数分も一緒に包むようにしましょう。
会食が行われない場合は、もちろん上乗せをする必要はありません。
行われるかどうかは、事前に届く法事の案内状に記載されています。
しっかりと確認をして、間違えのないように把握しておいてくださいね。
包む金額は年齢によっても変わる
法事の香典の金額相場は、自分の年齢によっても変わります。
一般的に、社会的立場や経済的余裕は年齢を重ねるごとに増していくものです。
20代であれば少なめでも構いませんが、40代でも同じ金額だとマナー違反になってしまうことも。
また、保護者下にある若い人は、保護者と連名で出すことも少なくありません。
その場合は、連名人数を考慮して少し多めに包むのがマナーです。
関係性が重要なので一概には言えませんが、大人として良識のある金額を包むことを心がけましょう。
法事の香典の金額相場を回忌別にご紹介【まとめ】
法事の香典の金額相場は、回忌や年齢などさまざまな要因で決定します。
少なすぎても多すぎても困らせてしまうことになるので、相場に合った金額を包むのがベスト。
金額の数字や会食の有無にも気をつけながら、香典でお悔やみの気持ちを伝えましょう。