2019-10-10
離婚の慰謝料は誰が支払う?|慰謝料の相場を紹介
この記事の目次
離婚の慰謝料というと、ピンと思い浮かぶのは芸能人の高額な金額ではないでしょうか。
芸能人はどうしてあんなに高額な慰謝料を払ったり、もらったりできるのか羨ましい限りです。
それでも、最近の芸能人はあまり離婚する人がいないのか慰謝料の話題を聞きません。
慰謝料とは、一般的には精神的な苦痛を癒すための損害賠償を言うようです。
例えば、夫が浮気をして離婚に至ったら精神的苦痛となるわけですが、どんなケースでも慰謝料を請求することができるのでしょうか。
妻が浮気した場合は、夫のケースとは異なるのか気になるところです。
今日は、芸能人ではなく一般人の慰謝料について解説してみたいと思います。
ぜひ、ご覧ください。
慰謝料、支払うのは誰?
慰謝料には、2つのタイプがあると思いませんか?
1つは、交通事故などに遭い怪我をすることによって発生する慰謝料。
そして、もう1つは浮気や不倫などにより離婚に至った場合の精神的な慰謝料。
これらに共通するのは、どちらの慰謝料も精神的負担に対して支払われる金銭だということです。ここでは、離婚により発生した慰謝料を見ていきたいと思います。
離婚による慰謝料
離婚で慰謝料が発生する場合は普通、離婚を申し入れる配偶者が支払うように思いますが、実際はどうなのでしょう。
離婚する際に、夫、あるいは妻だけに離婚原因がある場合は、その原因の張本人が慰謝料を支払う義務があるようです。決して、離婚を切り出した方が慰謝料を支払うわけではないのですね。
そして、離婚原因によって支払われる慰謝料は変わってくるようです。
夫婦のどちらかに明らかな離婚原因がある場合は、相方である夫、または妻に対して慰謝料を支払う義務があります。
離婚原因が不貞行為・暴力行為
明らかな原因というのは、浮気や不倫などの「不貞行為」やDVの「暴力行為」です。
夫婦は法律では貞操義務があり、その義務に違反すると法律上は不法行為とみなされます。
夫婦のどちらかが不貞行為を働いた場合、裁判上では離婚を請求できる原因となります。
また、不貞行為である浮気や不倫をされた相方は、精神的に苦しんだり悲しんだりするのですがさらに、追い打ちをかけるように離婚となるとますます精神的苦痛を受けることになります。
暴力行為においては精神的苦痛だけではなく身体的苦痛の慰謝料、暴力を受けたことで怪我をした場合は損害賠償請求が認められるケースもあります。
離婚の原因により、望んでいなかったにせよ離婚に追い込まれてしまうと、原因をつくった張本人は相方の配偶者に対して慰謝料の支払いを追う義務が発生してしますのです。
離婚原因が性格の不一致
性格の不一致は離婚原因で1番多いとされていますが、慰謝料は基本、発生しません。
なぜなら、夫婦である2人に責任があるとされているからです。
また、裁判所としては夫婦のどちらにも原因がある場合でも慰謝料は発生しないとされています。
離婚原因が性格の不一致といったケースでは協議離婚となり、夫婦が話し合いにより慰謝料の金額を決めることができます。
慰謝料の支払いがないケースも結果的にはあるようです。
離婚慰謝料に期限はあるの?
離婚するにあたって、裁判所に慰謝料請求の相談をすると個別の事情を踏まえたうえで、金額や支払い方法などの詳しい内訳が慰謝料として決まるようです。
しかし、離婚の慰謝料には時効によって請求権を失うことがあるのです。
慰謝料の請求はもともと、不法行為が原因なので離婚成立後3年以内に請求しないと請求権を失い時効となってしまうので気をつけなければなりません。
但し、離婚時には明らかでなかった不貞行為の発覚が離婚後に及んだり、不貞行為の相手が判明した場合は、請求権が時効で消滅しないケースもあるようです。
離婚の慰謝料の明細
離婚の慰謝料の明細としては、不法行為を行った方が支払うことになるわけです。
例えば、夫婦のどちらかが浮気をして離婚することになったら不貞行為として、そのまま不法行為となります。
夫婦の片方が不貞行為をしたことが原因で離婚に至ったのなら、慰謝料の明細は「不貞行為をしたことの責任」と不貞行為によって「離婚に至った責任」の2つになります。
裁判所では、不貞行為での離婚の場合の慰謝料はこの2つを考慮するのでしょうか。
実際、離婚に対する慰謝料として金額を計算するときは、このような明細を考慮することはなく、慰謝料を総体的に見て支払われる金額の条件を決定するようです。
しかし、先述にもあった暴力行為に原因がある離婚慰謝料などは、精神的に受けた苦痛だけではなく怪我などの身体的苦痛もあるため、損害賠償の請求も認められるケースがあります。精神的な慰謝料とは別に暴力による後遺障害で高額の金銭が認められた離婚裁判もあるようですが、悲しい結末となることも多いようです。
相場が気になる離婚の慰謝料
ものごとには何でも相場というものがありますが、離婚の慰謝料にも相場なんてあるのでしょうか。
離婚の原因は様々で、人によってケースが異なるので相場などないような気がします。
家庭裁判所などにおける資料のデータでは、50~400万円が範囲内と決められていて、その中の中心となる金額は200~300万円だと言われているそうです。
ですが、このようなデータは弁護士などが扱う事案であるため一般的とは考えにくいようです。世の中の離婚夫婦が全て、弁護士を介するとは限りませんよね。
慰謝料の相場(不貞行為)
それでも、浮気や不倫などの不貞とされる行為が原因となるケースは100~300万円が慰謝料の相場だとされています。
これを、少ないと見るか十分だと見るかはあなた次第ですが、どのようなことを考慮してこういった金額になるのでしょう。
・浮気や不倫の不貞行為と思われる回数
・浮気や不倫の不貞行為と思われる期間
・浮気や不倫に至った経緯
・子供がいる、いない
などがあるようです。
慰謝料の相場(DV)
DVにも色々なケースがあるようですが、精神的な暴力だけではなく身体的に与えた暴力にも慰謝料は加算されるようです。
配偶者により受けた暴力が大きい場合は、精神的慰謝料とは別に損害賠償が請求できるのです。その内容としては、受けた暴力による治療費、仕事が出来なくなったことの損害などになります。
DVで支払われる慰謝料の相場は50~300万円とされているようですが、それこそケースバイケースではないでしょうか。
DVの場合に考慮されるのは次のような内容です。
・暴力の態様
・暴力を受けた期間
・暴力を受けた被害の程度
身体的な暴力とならないモラハラなどのケースは態様があまりにも悪質で違法な場合があります。
しかし、モラハラなどの場合は立証するのが非常に難しくなり総体的にに少ないケースというのが現実のようです。
暴力と言っても程度があるようで理不尽な判断だと思うのですが、一般的には夫が妻に暴力を振るうことが多いと思います。それが、1週間に2回か3回以上で1回に2,3時間以上の暴力を受けていた場合は慰謝料がもらいやすいということです。
その判断はどこから来ているのでしょう?
もちろん、1年に1回程度の平手打ち程度の暴力では慰謝料の対象にはならないようです。
芸能人のせいで不倫慰謝料の相場が低迷
慰謝料の相場が低迷している原因に芸能人の影が。
その影響なのか、一般人の相場も低迷気味だとか。
その原因は何なのでしょう?
それは、芸能人たちの不倫、ゲス不倫ブームで不倫が珍しいことではないと判断されているようです。
不倫が一般化されて、裁判官側の不倫に対する認識が昔とは大きく変わってきているのだとか。
一概には言えませんが、不倫に対する考え方や慰謝料に対する考え方にも時代の流れが影響するようです。そういえば、最近の芸能人たちの離婚では昔のようにビックリするほどの金額の慰謝料を支払ったことは聞いたことがありませんね。
そうとは言え、不貞行為の場合での慰謝料を決める金額は婚姻関係の期間、それまでの家庭環境や浮気や不倫の証拠の有無によって変わって来るようです。
家庭環境が良く、円満だった場合は高くなり、悪かった場合は安くなるようなので、今からでも明るい家庭環境を築いていくことをおすすめします!
浮気や不倫相手に慰謝料は請求できるのか?
夫、あるいは妻が浮気や不倫をした場合、配偶者だけに慰謝料を請求するだけでは気が済まないというケースもあります。
浮気をした相手にも慰謝料を請求することができるのでしょうか。
結果としては、必ずしもできるとは限らないということです。
これもケースバイケースということですが、大きく分けて次のようになります。
故意、過失として請求が認められる場合
・浮気、不倫の相手が夫または妻が既婚者だと知りながら肉体関係を持った、または気がつく状況でも把握しなかったなど
・浮気、不倫相手が夫または妻が既婚者だと知っていたが、結婚生活は破壊されていると勘違いしていたなど
・浮気、不倫の相手が夫または妻が既婚者だと知ってはいたが明らかに浮気だと気づいているのにも関わらず把握できなかったなど
故意、過失として請求が認められない場合
・SNSのサイトなどで知り合い、名前も住所も知らないまま既婚者だと気づくことなく関係をもった
権利の侵害として請求が認められる場合
・円満だった夫婦関係が、浮気、不倫により婚姻関係が悪化したため離婚に追い込まれた
・浮気、不倫だとされてる相手との肉体関係はなかったが、夫婦の関係が破綻してしまうほど密接な交際をしていた
権利の侵害として請求が認められない場合
・夫婦の関係がすでに悪く、別居などをしていて婚姻関係が破綻していたと判断
不倫相手に慰謝料を請求できない場合
・すでに、十分な慰謝料を受け取っている
・時効が成立している
離婚と終活
離婚を考えたら終活を準備しましょう。
終活とは、様々な形がありますが死と向き合うことでこれからの人生を自分らしく生きて行くための準備。
離婚することで、どう生きて行くかを見つめるチャンスが終活になるはずです。
それには、現実な金銭問題も含まれています
離婚に年齢は関係ありませんが、もし高齢になってからの離婚だと裁判を起こしているうちにどちらかが亡くなってしまうことも考えられるからです。
離婚調停中に夫婦のどちらかが亡くなってしまうことで、慰謝料や遺産相続などの問題が解決できないケースもあるのではないでしょうか。
そのようなことにならないためにも、離婚を考えたら終活準備もはじめましょう。
まとめ
人は誰でも、離婚しようと思って結婚するはずはありません。
それでも、長い間一緒に暮らしていると離婚を考えることが出てきます。
考えるだけは誰でもありますが、本当に離婚するとなるとかなりのエネルギーが必要なようです。
イザという時に慌てなくても済むように少しずつ準備をしておくのもアリかと思います。
そんな時に役立つのが終活です。
万が一、離婚に至ったケースでも、離婚せずに済んだケースでも終活はあなたの味方となってくれるでしょう。