2019-10-10

離婚の「悪意の遺棄」ってどういう意味?事例で分かりやすく解説!

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離婚の「悪意の遺棄」ってどういう意味?事例で分かりやすく解説!

この記事の目次

離婚を考えて調べ物をしていると出てくる言葉「悪意の遺棄」。

言葉だけでは、どういう意味なのかさっぱり分かりませんよね。

悪意の遺棄は離婚で裁判に及んだ時に、とても大きな役割を果たします。

少し複雑ですが、知っておかないと裁判で不利に働くことも。

今回は、離婚の「悪意の遺棄」について事例を交えながらまとめてみました。

よくある質問についてもお答えしているので、ぜひご一読ください。

悪意の遺棄とは

悪意の遺棄とは、夫婦の義務を片方が放棄することです。

実は、夫婦の義務というのは法律で明確に定められています。

まずは、悪意の遺棄の基本についてのご紹介です。

夫婦の義務を放棄すること

まず、「悪意の遺棄」という言葉の意味はこちら。

  • 悪意…夫婦関係を破綻させようとする意志のこと
  • 遺棄…配偶者を見捨てること、義務を放棄するということ

つまり、夫婦関係を破綻させようとする意志を持って配偶者を見捨てるような行為をすると、「悪意の遺棄」に該当することになります。

一方的に別居をしたり生活費を工面しなかったりと、夫婦の義務を放棄するような行為もNGです。

また、あまり知られていませんが夫婦の義務については民法第752条で明確に定められています。

民法第752条

ー夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

 

このように、夫婦には以下の3つの義務があるのです。

  • 同居義務
  • 協力義務
  • 扶助義務

これらの義務を放棄して悪意の遺棄だと認められると、離婚は必ず成立します。

夫婦の義務は法律で定められているということを覚えておきましょう。

法律で離婚が認められている行為

悪意の遺棄は、法律で離婚が認められている行為です。

離婚請求をして悪意の遺棄と判断されれば、離婚は必ず成立します。

その理由は、悪意の遺棄が民法第770条によって規定されている「法定離婚事由」に該当するからです。

法定離婚事由とは、裁判で離婚を成立させる時に必要となる5つの理由のこと。

このどれかに該当していることが認められれば、法的に離婚が成立します。

法定離婚事由

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上の生死不明(失踪)
  4. 回復の見込みがない精神病にかかっている
  5. その他、結婚生活を継続できそうもない理由がある時

法定離婚事由として認めてもらうには、多くの証拠や証言が必要になります。

簡単な道のりではありませんが、悪意の遺棄が疑われる情報は裁判で有利に働くことも。

離婚を裁判で成立させたい時は入念な証拠集めと、腕の良い弁護士に依頼することが大切です。

離婚の理由になる悪意の遺棄の事例

悪意の遺棄では、よくある事例が存在します。

意図的でなくても、結果的にそうだと認められることも。

ここでは、離婚の理由になる悪意の遺棄の事例についてご紹介します。

勝手に別居をする

夫婦間の合意なく別居をすると、悪意の遺棄に該当する可能性が高くなります。

これは、夫婦の義務である「同居義務」を放棄することになるからです。

一方的に実家に帰って戻らないなどのケースも当てはまりますが、相手が不貞行為を働いていた場合は別です。

なぜなら、相手の行為が先に法定離婚事由に該当する可能性があるから。

合意のない別居は悪意の遺棄の対象ですが、正当な理由があれば認められることはまずありません。

生活費を渡さない

一緒に住んでいても配偶者に十分な生活費を渡していなければ、悪意の遺棄に該当するケースがあります。

夫婦の義務の一つである「扶助義務」では、婚姻関係にある場合は相手に自分と同等の生活を保障しなければならないという決まりがあるからです。

これは配偶者だけでなく、未成年の子供がいる場合はその子に対しても課されます。

また、別居している場合でも婚姻費用は毎月渡すのが義務なので要注意。

婚姻費用とは生活するのに十分な生活費のことで、移住費や食費、学費なども含まれています。

十分な生活費であったかどうかは、世帯主の収入や経済状況によって裁判所が判断するので気をつけましょう。

健康なのに働かない

健康なのに働かずにいることも、夫婦の義務である「扶助義務」に違反します。

働かないと生活費を渡すこともできないので、家庭を維持することができません。

ポイントは「健康なのに」という点です。

何らかの病気や精神疾患を抱えている場合は該当しないので、気をつけましょう。

また、正確には働こうとする姿勢が見られない場合に対象になることが多いようです。

働こうとする姿勢があるかどうかは、求職活動の痕跡が証拠になります。

働く気があって就職活動をしているけどできていないという場合は、悪意の遺棄には該当しません。

家を出て帰ってこない

一方的な別居のパターンと同じですが、よくあるのが浮気相手の家に住み込んでしまっているケースです。

中には、勝手に失踪扱いになってしまっていることもあります。

浮気相手の家に住み込んでいる場合は、法定離婚事由の不貞行為にも該当することに。

裁判で離婚請求を拒否することはできず、多額の慰謝料を請求されてしまいます。

自分が被害者の場合は、別居中に相手が不貞行為に及んでいなかったか確認しておくことが大切です。

モラハラや暴力を受けている

配偶者からモラハラや暴力を受けている場合の一方的な別居は、悪意の遺棄に該当しません。

夫婦関係を破綻させるような行為(悪意)を働いたのは、相手の方ということになるからです。

また、モラハラや暴力は法定離婚事由として離婚を成立させることができる可能性も

裁判で認めてもらうには、モラハラや暴力を受けていたという証拠を集めておくことが大切です。

自分ではどうしたらいいのか分からないという場合は、弁護士に相談しながら指示に従っていくことをおすすめします。

離婚で悪意の遺棄を成立させるには

離婚で悪意の遺棄を成立させるには、裁判を起こして訴え認めてもらう必要があります。

少し大変ですが、離婚を成立させて慰謝料をもらうためには避けて通れません。

それでは、離婚で悪意の遺棄を成立させる方法をご紹介します。

裁判を起こして認めてもらう

離婚で悪意の遺棄を成立させるには、まずは裁判を起こすことからです。

離婚は、夫婦の合意さえあればいつでもできるもの。

一番良いのは夫婦間で慰謝料のことまで話し合って合意をすることですが、相手が応じる気がないとなかなか難しいですよね。

悪意の遺棄を成立させたいと考えているということは、既に相手の消息が掴めないか離婚に合意してくれないという状況だと思います。

離婚で裁判を起こすには、手順があります。

  1. 離婚調停をする
  2. 離婚訴訟を起こす

まずは、家庭裁判所で離婚調停を行います。

離婚調停は、弁護士を挟んで夫婦で話し合いをしながら進めていくものです。

この段階で双方が離婚の条件や慰謝料について納得できれば、離婚は成立。

問題は、離婚調停でも解決できなかったり、相手が調停に全く応じなかったりする場合です。

そういった場合は、一歩進んで離婚訴訟を行うことになります。

離婚訴訟で悪意の遺棄や法定離婚事由が認められれば、相手の合意なく離婚を成立させることが可能に。

相手の消息が不明な場合も、裁判所から相手に離婚の成立が命じられるので安心です。

相手に慰謝料を請求することもできる

相手に悪意の遺棄が認められた場合、離婚を成立させるだけでなく慰謝料の請求もできます。

これは、相手が離婚に応じないために離婚訴訟を起こして成立した場合でも同じです。

相手の消息が不明でも裁判所から慰謝料の請求や強制差し押さえ等があるので、必ず手にすることができます。

また、悪意の遺棄に不貞行為が関与していた場合の慰謝料はさらに高額に

裁判を起こす前に不貞行為があったかどうか、あった場合は証拠を集めて立証できるようにしておきましょう。

離婚の悪意の遺棄に関するよくある質問

悪意の遺棄を成立させるのは、そう簡単なことではありません。

該当する事例以外にも、時効や婚姻費に関することなど疑問点はたくさんありますよね。

最後に、離婚の悪意の遺棄に関するよくある質問にお答えします。

悪意の遺棄には時効がある?

悪意の遺棄に時効はありません。

ただし、慰謝料の請求には時効があります。

原則として、離婚が成立してから3年が経過していると、慰謝料を請求できなくなってしまうことに。

時効が成立するのを避けるためにも、慰謝料の回収は弁護士などを通して早めに行うのがおすすめです。

モラハラや暴力を受けて逃げている場合は?

配偶者のモラハラや暴力を理由に別居をしている場合は、悪意の遺棄にはなりません。

ただし、十分な証拠がなければ悪意の遺棄として認められてしまうこともあります。

相手に問題があったということを認めてもらうためにも、物的証拠を集めておくことが必要です。

別居中に婚姻費用を貰っていても悪意の遺棄を訴えられる?

婚姻費用を受け取っていた場合は、悪意の遺棄として認めてもらうのは難しくなります。

ただし、受け取っていたお金の金額が著しく少なく、婚姻費用として認められない場合は該当することもあります。

生活費以外の問題(不貞行為など)があった場合も、悪意の遺棄には該当しなくても法定事由として認められる可能性が高いので確認しておきましょう。

離婚の悪意の遺棄の意味とよくある事例【まとめ】

悪意の遺棄は、離婚を成立させるためにはしっかり確認しておきたい項目です。

裁判所で認定してもらうのはそう簡単なことではありませんが、相手の言動が悪質な場合は最後まで諦めずに訴え続けることが大切。

よくある事例を参考に、万が一の場合は万全の対処ができるように備えておきましょう。

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