2019-12-12

遺産相続で孫がいる場合の手続きを徹底解説!祖母・祖父の財産はもらえるの?

この記事を読むのに必要な時間: およそ4分
遺産相続で孫がいる場合の手続きを徹底解説!祖母・祖父の財産はもらえるの?

この記事の目次

遺産相続の権利は、孫にもあります。

ただし、孫が遺産を受け取れるのはいくつかの条件を満たしている場合のみ。

事前に手続きを行っておかないと、相続の権利を受けられないこともあります。

何だか複雑そうな遺産相続の手続き…お互いが後悔をしないためにも、手続きの方法や分配についてはしっかり把握しておきたいですよね。

今回は、

  • 孫に遺産相続をしたい方
  • 自分が孫として遺産相続を受け取れるのか気になる方

に向けて、両方の視点から遺産相続と孫についてご解説していきます。

遺産相続を孫にする時の注意点についてもまとめているので、確認してみてくださいね。

遺産相続を孫ができる5つのケース【手続きの方法】

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遺産相続を孫がするには、いくつかの条件があります。

中には、遺言者による事前の手続きが必要であることも。

まずは、遺産相続を孫ができる5つのケースと手続きの方法についてご解説します。

代襲相続人になる

代襲相続人とは、相続の権利を持っている人が亡くなってしまっている場合に、代わりに相続を受ける人のことです。

日本では、法定相続人といって相続を受けられる人の優先順位と割合が法律で定められています。

  • 第一順位…故人の子ども(亡くなっている場合は代襲相続人である孫)
  • 第二順位…故人の両親や祖父母
  • 第三順位…故人の兄弟や姉妹(亡くなっている場合は代襲相続人である姪や甥)

※この法定相続人の中に配偶者が含まれていないのは、前提として「配偶者には必ず遺産相続の権利がある」から。

配偶者が遺産相続の権利を放棄しない限り、相続の割合は遺産の1/2と定められている。

このように、法定相続分の順位に従ってそれぞれの立場に、代襲相続人というものが存在しています。

孫が遺産相続の権利を獲得する最も多いパターンは、この代襲相続人になった場合です。

ただし、代襲相続人になるには孫の親(故人の子ども)が死亡していることが条件なので、これは手続きでどうにかなるものではありません

自分の子どもよりも孫に優先的に遺産相続をしたい場合は、次にご紹介する「遺言書に書く」という方法が有効です。

遺言書に書かれている

遺言書には、法的効力があります。

そのため、遺産を孫に優先的に残したい場合はその旨を書いておくことで、法定相続分の順位に関係なく実行することが可能です。

ただし、遺言書の内容に効力を持たせるにはいくつかルールがあります。

代表的なものはこちら。

  • 内容が具体的かつ不透明でない
  • 必ず自分の意思に従って1人で書く
  • 自筆で日付や押印など必要な情報を記載する

遺言書の内容は、誰が見ても理解できるように具体的かつ明確に記載しなくてはいけません。

遺族が解釈の仕方で揉めることがないように、誰にどの割合で遺産を相続したいのか、数字ではっきりと書いておくようにしましょう。

また、遺言書は2人以上の共同で書くと無効になってしまいます。

家族による代筆も原則として認められていないので、本人が何らかの事情で自筆できない場合は公証人に依頼するという方法がおすすめです。

 

遺言書の形式にはいくつか種類がありますが、最も一般的なのは「自筆証書遺言」というもの。

本人が全て自筆で書く形式ですが、日付や押印などのルールを守る必要があります。

自筆で書くのが不安な方は、「公正証書遺言」にするという手段も。

これは、公証人に遺言の内容を伝えて遺言書を作成してもらう形式です。

少し手間と時間がかかりますが、間違いがなく安心して効力を発揮できるのがメリット。

絶対に孫に遺産相続をしたいという方は、この公正証書遺言がおすすめです。

生前贈与をもらっておく

生前贈与とは、生きているうちにお金や資産を受け渡すことです。

遺産相続とは異なりますが、この方法であれば法的な規制がないので、孫にも安心してお金や資産を贈ることができます。

ポイントは、毎年110万円以内であれば贈与税がかからないということ。

例えば、500万円を遺産の代わりに生前贈与として贈りたい場合は、毎年100万円ずつを5年間に渡って贈れば節税対策ができます。

注意点は、生前贈与が家族のトラブルにならないようにすること。

家族と話し合いをして理解を得てから、行うように気をつけましょう。

養子縁組になる

養子縁組の手続きを行うと、孫を自分の子どもとして扱うことができるようになります。

遺産相続における法定相続分の順位では、我が子は第一順位です。

そのため、代襲相続人に該当しなくても、子どもとして遺産相続を受けることが可能に。

実子と養子で相続の権利や割合に違いもありません。

ただし、相続の権利を持てる養子の数には上限があります

相続税法第15条で定められている制限はこちら。

  • 実子がいる場合…相続の権利を持てる養子は1人まで
  • 実子がいない場合…相続の権利を持てる養子は2人まで

このように、養子の相続権利の範囲は実子の有無によって異なるので注意が必要です。

遺産分割協議で主張する

遺産分割協議とは、相続人たちで遺産の分配を決めるために行う話し合いのことです。

遺産の分配については、法定相続分で定められている内容を参考にしながら、話し合いで決定します。

この話し合いで、孫が遺産相続を受けたい旨を主張して認められれば、遺産を受け取ることが可能になるのです。

ただし、法定相続分では原則として孫は相続人の中に含まれていません(代襲相続人になる場合を除く)。

孫の遺産相続の権利が遺産分割協議で認められるのは稀なケースなので、確実に受け取りたいのであれば遺言書に書いてもらう方法が有効です。

遺産相続を孫にする時の分配と計算方法

計算

孫への遺産相続の分配は、どんな状況で相続の権利を得たかによって異なります。

それぞれ、分配の割合や計算方法が違うので気をつけましょう。

それでは、遺産相続を孫にする時の分配と計算方法をご紹介します。

代襲相続人の場合

第一順位である子どもの代わりになるので、分配は1/2です。

孫(代襲相続人)が複数人いる場合は、この2/1をさらに均等に分割します。

遺産の合計額:5,000万円

家族:配偶者、子ども1人(死亡している)、孫2人

  • 配偶者…5,000万円×1/2=2,500万円
  • 子ども…死亡しているので孫2人が代襲相続人になる
  • 孫1…2,500万円×1/2=1,250万円
  • 孫2…2,500万円×1/2=1,250万円

遺言書に書いた場合

遺言書では、孫への分配額を自由に指定することができます。

ただし、遺産相続には「遺留分」という制限があり、遺言書でもこの権利を侵害することはできません

遺留分とは、法律で決められている相続人の遺産の取り分のことです。

例えば、孫1人だけに全遺産を残したいと遺言書に書いても、他の家族が遺留分を主張して申告すると一部が無効になってしまいます

それぞれの遺留分は法定相続分とほとんど同じ割合になるので、孫へ遺産相続をしたい場合はこの遺留分を侵害しない程度にするように気をつけましょう。

※家族が遺言書の内容を認めて遺留分を請求しない場合は、そのまま認められます。

養子縁組にした場合

孫を養子縁組にした場合、子どもと同等の扱いで遺産相続を受けることができます。

ただし、実子の有無によって権利を受けられる養子の数が違うので注意が必要です。

例 遺産の合計額:5,000万円

家族:配偶者、実子1人、養子1人の場合

  • 配偶者…5,000万円×1/2=2,500万円
  • 実子…2,500万円×1/2=1,250万円
  • 養子…2,500万円×1/2=1,250万円

 

家族:配偶者、実子1人、養子2人の場合

  • 配偶者…5,000万円×1/2=2,500万円
  • 実子…2,500万円×1/2=1,250万円
  • 養子1…2,500万円×1/2=1,250万円
  • 養子2…実子がいる場合、遺産相続を受けられるのは養子1人のみなので原則として0円

 

家族:配偶者、実子0人、養子3人の場合

  • 配偶者…5,000万円×1/2=2,500万円
  • 養子1…2,500万円×1/2=1,250万円
  • 養子2…2,500万円×1/2=1,250万円
  • 養子3人…実子がいない場合、遺産相続を受けられるのは養子2人までなので原則として0円

遺産相続を孫にする時の注意点

注意

遺産相続を孫にする時は、家族への理解を得ておくことが大切です。

特に、遺言書で特別に孫へ遺産相続をする時は要注意。

事前に話し合いを行っておかないと、家族間での大きなトラブルに発展してしまうことも。

ここからは、遺産相続を孫にする時の注意点をご紹介します。

家族で話し合いをしておく

遺産相続で揉めないためには、とにかく家族での話し合いが大切です。

家族の死や資産に関わることなので話題にしにくいかもしれませんが、事前の相互理解と納得がないと大きな金銭トラブルに発展してしまいがち。

せっかく仲の良かった家族たちが、遺産のことで揉めて絶縁するのは避けたいですよね。

特に、孫へ遺産相続をしたい場合は、その旨を家族全員に知っておいてもらう必要があります。

こっそり遺言書に書いて孫が憎まれたり恨まれたりすることがないように、みんなの理解と納得を得ておくようにしましょう。

遺言書は「公正証書遺言」にしておく

遺言書は自筆でも法的効力を持ちますが、より確実にしたい場合は「公正証書遺言」にしておくのがおすすめです。

公正証書遺言は、遺言者が公証人に内容を伝えて作成してもらうもの。

公証人が内容に関してのアドバイスもしてくれるので、安心して効力のある遺言書を残すことができます。

公正証書遺言を作成する費用(手数料)は、分配する遺産の金額によって異なります。

遺産が100万円以下であれば手数料は5,000円程度、1,000万円を越えると2万3千円程度…など、遺産の金額が大きいほど手数料は高くなる仕組みです。

手間と時間・費用はかかりますが、安心して正式な遺言書を作成できるのが大きなメリットになっています。

遺産相続の期限と税金について知っておく

遺産相続には、手続きの期限があります。

この期限内に手続きを行わなかった場合は、遺産相続の権利が無効になってしまうことも。

原則として期限外の処置や延長などはできないので、しっかりと確認をして気をつけましょう。

また、遺産の金額が大きい場合は相続税という税金を支払う必要がある場合も。

相続税の申告や納税は相続開始後10ヶ月以内が期限になっているので、こちらも期限を過ぎてしまわないように注意が必要です。

遺産相続の税金や計算方法についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

相続税の計算方法は意外とかんたん?非課税の対象となるケースもご紹介

遺産相続と孫に関するよくある質問

質問

遺産相続を孫にしたいという想いを抱えている方は、とても多くいらっしゃいます。

反対に、孫の立場で「祖母や祖父から遺産はもらえるのかな…?」と、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

最後に、遺産相続と孫に関するよくある質問にお答えします。

祖母でも祖父でも孫に相続できる?

はい、できます。

遺産相続に性別は関係ありません。

孫が代襲相続人になる場合であれば、祖母でも祖父でも全く同じ条件で相続ができます。

孫の親が離婚している場合はどうなる?

孫の親(祖母・祖父の子ども)が離婚している場合でも、孫が代襲相続人になる権利は継続します。

ただし、孫が代襲相続人になるのは親が亡くなってしまっている場合です。

親が離婚しているからといって、相続の権利がそのまま孫に移行することはないので気をつけましょう。

遺産相続で孫がいる場合の手続きを徹底解説【まとめ】

遺産相続は、渡す側にとっても受け取る側にとっても重要な問題です。

本来、相続の上位順位に孫は含まれません。

しかし、法定相続人の死や遺言書への記載内容によっては、孫でも相続を受けることができます。

孫へ遺産相続をしたい時は、手続きや家族の話し合いを慎重に行って、トラブルがないように気をつけてくださいね。

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