2019-12-12

遺産相続の順位で混乱しやすいポイント10個!離婚・独身のケースもご紹介

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遺産相続の順位で混乱しやすいポイント10個!離婚・独身のケースもご紹介

この記事の目次

遺産相続のケースは、家族の形の数だけ存在します。

配偶者や子どもに相続できるのは分かるけど、独身の人は?離婚している場合はどうなるの…?

など、混乱しやすい疑問点はたくさんありますよね。

そこで今回は、遺産相続の順位で混乱しやすいポイントを10個についてご解説してみました。

疑問点が解決しやすいように、質問形式でお答えしています。

  • 遺産相続の順位について知っておきたい
  • 遺産相続のことで分からないことがある

そんな方に向けて書いた記事です。

遺産相続の順位の基本についてもお話ししているので、ぜひご参考にしてくださいね! 

遺産相続の順位について

順位

遺産相続の権利については、順位と割合が法律で定められています。

ただし、100%その通りにしないといけないわけではありません。

まずは、遺産相続の順位についてお話しします。

優先順位は法律で決められている【法定相続分】

遺産相続の順位と割合は、「法定相続分」といって民法第900条で決められています。

法定相続分の順位と割合はこちら。

前提:配偶者には必ず相続の権利がある。取り分の割合は、遺産の1/2。

  • 第一順位…子ども(取り分の割合は1/2)
  • 第二順位…両親や祖父母(取り分の割合は1/3)
  • 第三順位…兄弟や姉妹(取り分の割合は1/4)

このように、順位が低くなるにつれて遺産の取り分の割合も下がっていくのが特徴です。

配偶者は原則として遺産の1/2を相続しますが、子どもや代襲相続人がいない場合は2/3~3/4と割合が増えることも。

代襲相続人とは、相続人が死亡していたり相続欠格に該当した場合に、代わりに相続を受けられる人のことです。

代襲相続人の例

  • 子どもが死亡しているor相続欠格者の場合→孫
  • 両親や祖父母が死亡しているor相続欠格者の場合→曾祖父母
  • 兄弟や姉妹が死亡しているor相続欠格者の場合→姪や甥

代襲相続人は、被代襲者(本来の相続人)と同じ順位・割合で相続を受けることができます。

子どもが死亡していても、孫が居ればそちらに優先的に相続の権利が移行するので気をつけましょう。

法定相続分を参考にしながら話し合いで割合を決める

民法で定められている法定相続分は、必ずその通りに従わなくてはいけないものではありません。

実際の割合については、相続人全員で話し合い(遺産分割協議)を行なって決定します。

つまり、法定相続分は参考にするものであり、内容は決定事項ではないのです。

話し合いで全員が納得をしたうえであれば、割合は自由に決めてもOKということになります。

ただし、注意点はそれぞれの相続人には「遺留分」というものがあるということ。

遺留分とは、法定相続分の内容をベースとした割合のことで、最低限貰える権利のある取り分のことです。

これは、相続人が遺留分侵害額請求を出すことで認められます。

反対にいえば、この遺留分侵害額請求が出されない限りは、話し合いの結果や内容がどんなものであっても基本的には問題ありません

トラブルを防ぐためにも、話し合いは全員が納得のいくまでしっかりと行うことが大切です。

法定相続分の順位を無視できるのは遺言書だけ

遺言書には、法的効力があります。

この効力は民法の法定相続分よりも強いので、順位を無視して遺産の財産分与を自由に指定することも可能です。

ただし、何でもありというわけではありません。

相続人にはそれぞれ遺留分があり、この割合を侵害することは不可能です。

子どもだけに遺産を相続させたい(配偶者あり)と遺言書に書いてあった

配偶者には1/2の遺留分があるので、遺留分侵害額請求ができる

配偶者が遺留分侵害額請求を行った場合のそれぞれの取り分は、

配偶者1/2

子ども1/2

このように、相続人が請求の申請を行えば、遺言書の内容は一部無効になってしまいます。

他にも、遺言書には無効になるケースがいくつかあるので、不安な方は弁護士や公証人に相談をしながら執筆するのがおすすめです。

遺産相続で混乱しやすいポイント10個|よくある質問

10

遺産相続の順位や割合は、細かく見ていくと少し複雑な点がいくつかあります。

ここからは、遺産相続で混乱しやすいポイント10個についてのご解説です。

質問形式で1つ1つご丁寧に解説していくので、気になる疑問を確認してみてくださいね。

相続順位はどこまでが対象?

前提として、配偶者と子どもは絶対に相続ができます。

第二順位以降(遺言者の両親や祖父母、孫、兄弟や姉妹など)が相続できるのは、以下のようなケースです。

  • 子どもがいない(死亡含む)
  • 子どもや孫が相続放棄をした
  • 遺言書に特定の人物が書かれている

さらに詳しく見てみると、

子どもがいる場合

  • A配偶者が存命→配偶者が1/2、子どもが1/2を相続
  • B配偶者が死亡→子どもが全てを相続(複数人いる場合は平等に分割)

子どもがいない場合

  • A配偶者が存命→配偶者が全てor2/3~3/4を相続(両親や祖父母、兄弟や姉妹の有無による)
  • B配偶者が死亡→両親や祖父母が全てを相続→両親や祖父母も死亡している場合は、兄弟や姉妹が全てを相続

子どもが死亡している場合

A配偶者が存命

  • 孫がいる場合→配偶者が1/2、孫が1/2
  • 孫がいない場合→配偶者が全てor2/3~3/4を相続(両親や祖父母、兄弟や姉妹の有無による)

B配偶者が死亡

  • 孫がいる場合→孫が全てを相続
  • 孫がいない場合→両親や祖父母が全てを相続→両親や祖父母も死亡している場合は、兄弟や姉妹が全てを相続

子どもが相続を放棄した場合

  • A配偶者が存命→配偶者が全てを相続
  • B配偶者が死亡→孫が全てを相続、いない場合は両親か祖父母が全てを相続。両親や祖父母も死亡している場合は、兄弟や姉妹が全てを相続

子どもも孫も相続を放棄した場合

  • A配偶者が存命→配偶者が全てを相続
  • B配偶者が死亡→両親か祖父母が全てを相続。死亡している場合は、兄弟や姉妹が全てを相続

少し複雑ですが、配偶者や子どもの有無・相続放棄をしたかどうかで相続人の対象になる範囲は変わってきます。

遺産相続の妻の取り分はどのくらい?

妻

法定相続分では1/2と定められています。

配偶者は最も遺産相続の権利が強いので、資産の半分を1人で相続することが認められています

これは、子どもの数に限らず同じです(子どもは残りの1/2を人数で平等に分割する)。

子どもや孫、両親や祖父母、兄弟や姉妹がいない場合は全てを1人で相続することになります。

ちなみに、遺言者が女性(妻)であった場合も、もちろん同じです。

配偶者である夫は1/2を相続できます。

ただし、離婚している場合や籍を入れてない内縁の妻には、遺言書に書いてもらわない限り相続の権利はないので要注意です。

相続人と被相続人ってどっちがどっち?

相続人→遺言者から相続を受ける人のこと。配偶者や子どもなど。

被相続人→遺言者のこと。遺産を残して相続をさせる人のことです。

遺言者が独身である場合の相続の順位は?

過去に結婚歴があり、子どもがいる場合は子どもに相続されます。

これは、子どもが養子であっても同じです。

子どもがいない場合は、第二順位である両親や祖父母と第三順位である兄弟や姉妹が相続をします。

第三者であるお世話になった人などに遺産相続をさせたい場合は、遺言書へ書きましょう(相続人の遺留分を侵害することはできません)。

遺言者が離婚している場合の相続の順位は?

離婚している場合、元の配偶者に遺産相続の権利はありません。

子どもがいればその子たちに、いなければ遺言者の両親や祖父母・兄弟や姉妹に相続の権利があります。

離婚して再婚していた場合は、再婚相手の配偶者に相続の権利があります。 

再婚をした場合でも、元の配偶者に遺産相続の権利が生じることはありません。

遺産相続に税金はどれくらいかかるの?

税金

遺産の合計が3,600万円以上であれば、相続税を納める義務が生じる可能性があります。

3,600万円以下の場合は、相続税の申告も納税もする必要がありません。

相続税の計算方法についてはこちらの記事をどうぞ!

相続税の基礎控除っていくら?計算や申告する時の注意点を徹底解説【2019年】

孫が遺産相続をするにはどうしたらいい?

孫が遺産相続をする方法は3つあります。

  1. 代襲相続人になる
  2. 遺言書に書いてもらう
  3. 養子縁組にしてもらう

また、生前贈与という手段で資産を贈ることもできます。

毎年110万円までなら、贈与税もかかりません。

孫が遺産相続をする方法については、こちらの記事に詳しく書いてあります。

遺産相続で孫がいる場合の手続きを徹底解説!祖母・祖父の財産はもらえるの?

誰かが相続放棄をした場合の順位はどうなる?

相続放棄をした場合は、順位が繰り下がります。

配偶者が相続を放棄→子どもが全てを相続

子どもが相続を放棄

  • A配偶者が存命→配偶者が全てを相続
  • B配偶者が死亡→両親や祖父母が全てを相続。死亡している場合は兄弟や姉妹が全てを相続。

両親や祖父母が相続を放棄

  • A配偶者が存命→配偶者が全てを相続or配偶者が2/3、曾祖父母が1/3を相続or配偶者が3/4、兄弟や姉妹が1/4を相続
  • B配偶者が死亡→曾祖父母が全てを相続or兄弟や姉妹が全てを相続

遺言書の面倒を見ていた人は遺産を多く貰える?

親の面倒

原則として、親への貢献度は遺産相続の割合に影響しません。

ただし、

  • 遺言書に書かれていた場合
  • 話し合いで認めてもらった場合

は、貢献度に応じて遺産を多く受け取ることも可能です。

法的には効力がなく、影響しないのがポイントになっています。

遺言書の内容に納得がいかない時はどうするべき?

遺留分を請求することはできます。

遺言書には法的効力があるので、それ以外の方法では内容を変更することはできません。

ただし、遺言書の書き方や内容に不備があった場合は、無効になることも

どうしても納得ができない時は、念のため弁護士に相談をして遺言書が有効なのかどうを確認してもらうのがおすすめです。

遺産相続の順位で混乱しやすいポイントを徹底解説【まとめ】

遺産相続の順位は法律で定められていますが、これは絶対に従わないといけないものではありません。

実際に相続する割合は、話し合いで決めるのが掟です。

遺産相続に関しては優先順位や割合・遺言書の内容などが少し複雑ですが、落ち着いて調べていけば必ず解決できます。

急な事態に備えて、混乱しやすいポイントはしっかりと押さえておきましょう。

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