2019-12-12
仏壇の向きは風水で決めた方がいいの?おすすめの設置場所や注意点・宗派の正しい方角
この記事の目次
結論から申し上げますと、仏壇の向きに正しい方角はありません。
なーんだ、じゃあいいや!とこの記事を閉じそうになった方、ちょっと待ってください。
正しい方角は定められていませんが、「風水的に好ましい向きや設置場所」は存在します。
ここだけは避けたほうがいいという場所もあるので、決まりがないからといってどこでも自由に設置していいわけではないのです。
今回は、仏壇の向きで迷っている方のために、
- 一般的な仏壇の向き4つ
- 仏壇の向きを決める方法
- 宗派別の正しい仏壇の向き
- 仏壇のおすすめな設置場所【風水の観点も】
- 仏壇の向きや設置場所の注意点
この5つについて詳しくご紹介していくので、ぜひご参考にしてみてくださいね♪
一般的な仏壇の向き4つ
一般的に多い仏壇の向きには、説が4つあります。
これらはどれが正しいというものではなく、参考にするべきものです。
それでは、一般的な仏壇の向き4説についてご紹介します。
春夏秋冬説
春夏秋冬説とは、方角に良し悪しの区別はないので、どの向きに置いても問題がないという説です。
方角の東西南北を春夏秋冬になぞらえ、四季それぞれに意味があるように向きにも無駄なものや悪しきものはないということを表現しています。
基本的にはこの説を中心に考えてOKですが、どうしても方角や向きが気になる方は、これからご紹介する3つの説の中から最適なものを選んでみてくださいね。
南面北座説(なんめんほくざせつ)
南面北座説は、北向きを避けて南向きに仏壇を位置するといいという説です。
南向きがいいとする理由は、
- 風通しが良いため
- 直射日光を避けるため
- 釈迦が説法をする時は南を向いていたため
です。
仏壇は木材を使用していることが多いので、直射日光を浴びると変色してしまうことも。
直射日光を浴びない位置にすることで、私たちも拝みやすくなるというメリットがあります。
本山中心説(ほんざんちゅうしんせつ)
本山中心説は、宗派の総本山がある方向に向かって拝めるように、仏壇を位置するといいという説です。
総本山の位置(方角)は自宅の場所によって異なるので、場合によっては北向きにも南向きにもなるのが特徴。
注意点は、「仏壇の向きを総本山の方にする」のではなく、「自分が拝む視線の先が総本山の方になるようにする」ことです。
仏壇は総本山の方角に対して背を向ける形になるので、間違えないように気をつけましょう。
西方浄土説(さいほうじょうどせつ)
西方浄土説は、西にある極楽浄土に向かって拝めるように、仏壇を東向きに位置するといいという説です。
仏壇を通して西の極楽浄土に拝む形になるので、仏壇は東向きになるということですね。
仏壇の向きを決める方法
仏壇の向きを決めるのは、あなた自身です。
とはいえ、
- 宗派や風水に従うべきか
- 暮らしに応じて柔軟に考えるべきか
迷いますよね。
ここでは、仏壇の向きを決める方法について詳しくご紹介します。
宗派に従う
まずは、ご自分の信仰する宗派に従う方法です。
宗派にはそれぞれ、推奨されている説(向き)があります。
絶対的なものではありませんが、従えるのであればした方が安心です。
宗派別の正しい仏壇の向きについては、次の章で詳しくご紹介します。
風水を意識する
家のインテリアを考える時には、風水を参考にすることも多いですよね。
原則として、仏壇に正しい向きというのは存在しないので、風水を意識して向きや設置場所を考えてもOKです。
注意点は、風水だけに頼らず、仏壇をみんなが拝みやすいところに設置するようにすること。
仏壇は家の中の小さなお寺の役割があるので、拝みにくい場所に設置して供養の回数が減ってしまうことがないように気をつけましょう。
暮らしに応じて考える
現代では、家族や住まいの在り方が多様化しています。
昔は家の中に仏間があるのが一般的でしたが、今はほとんど見られませんよね。
仏壇の向きや設置場所は、暮らしに応じて柔軟に考えるという方法もあります。
ポイントは、なるべく家族の団らんに近い賑やかで暖かみのある場所に設置すること。
最近は、インテリアに馴染むおしゃれな仏壇も増えているので、リビングやダイニングにさりげなく設置するのもおすすめです。
宗派別!正しい仏壇の向き
実は、各宗派には「正しい仏壇の向き」があります。
ただ、これは絶対に守らなくてはいけないものではありません。
ライフスタイルに応じて、可能ならば意識して参考にするのがおすすめです。
それでは、宗派別に正しい仏壇の向きをご解説していきます。
日蓮宗
日蓮宗では、仏壇の向きは特に定められていません。
直射日光の当たる場所や湿気の多いところ以外であれば、暮らしに応じて自由に向きを決められます。
真言宗
真言宗では、総本山がある方向に向かって拝めるようにする「本山中心説」が推奨されています。
真言宗の総本山は、和歌山県の高野山金剛峰寺です。
総本山の方角は自宅の位置によって異なるので、場合によっては北向きにも南向きにもなります。
曹洞宗・臨済宗
曹洞宗や臨済宗では、仏壇を南向きにする「南面北座説」が推奨されています。
南向きは直射日光を避けられる方角でもあるので、おすすめです。
浄土宗・浄土真宗・天台宗
浄土宗や浄土真宗・天台宗では、私たちが仏壇を通して西の極楽浄土にいらっしゃる阿弥陀如来を拝めるように、「西方浄土説」を推奨しています。
理由は、阿弥陀如来は浄土宗や浄土真宗・天台宗のご本尊であるからです。
※西方浄土説では拝む私たちの視線の先が西になるので、仏壇自体は東向きになります。
時宗
時宗も、浄土宗や浄土真宗・天台宗と同じように、西にある極楽浄土を拝めるように「西方浄土説」を推奨しています。
ただし、暮らしや状況に応じて柔軟に向きを変更しても良いとされているので、可能な限りで大丈夫です。
仏壇のおすすめな設置場所【風水の観点も】
仏壇の設置場所は、向きと同じくらい大切です。
基本的にはどこに置いてもOKですが、なるべく避けた方が良い場所はあります。
ここからは、風水の観点を交えながら仏壇のおすすめな設置場所のご紹介です。
心が落ち着く和室
和室は、日本人の心の拠り所となる落ち着く部屋ですよね。
仏間に一番近い雰囲気でもあるので、家の中には和室がある場合は仏壇を置く場所としておすすめです。
また、和室の畳は座って拝みやすいというメリットも。
仏壇を通して自分と向き合いながら、ご先祖さまにもしっかり感謝の気持ちを伝える時間を持つとができます。
風水的に運気の良い向き(仏壇の)は、
- 南東
- 南
- 東
- 西
とされているので、和室に置く場合はこの向きを意識してみてくださいね。
風通しの良い窓際
風水では、爽やかな風通しがあるところはとても運気の良い場所だとされています。
風通しのある窓際に空きスペースがある場合は、仏壇の設置場所としておすすめです。
注意点は、
- 直射日光が当たらないようにする
- 雨が降ったときに水が入り込まないようにする
この2点です。
窓際に置くときは、仏壇の管理やカーテンの開け閉めに気をつけましょう。
家族団らんのリビング
実は、リビングは仏壇を置くのに最適な位置です。
風水では、家の中で家族が団らんするような明るい場所がとても好まれます。
リビングに仏壇があると、拝むとき以外もご先祖さまたちと一緒に過ごせるような感覚になりますよね。
仏壇の種類やデザインによっては難しいかもしれませんが、コンパクトな壁掛けタイプやおしゃれなモダン仏壇の場合は、ぜひともリビングへの設置がおすすめです。
拝む習慣をつけやすい寝室
仏壇を寝室に置いてもいいのか悩む方も多いようですが、全く問題ありません。
寝室は、日々の疲れを癒し休息する場所です。
毎日必ず過ごす場所なので、仏壇に拝む習慣をつけるためにも最適。
1日の始まりや終わりに、自分と向き合いながらご先祖様に挨拶をすることができます。
注意点は、仏壇に足を向けて寝ないようにすることです。
玄関やトイレの近くは避ける
仏壇の設置場所として避けた方がいいのは、玄関やトイレの近くなどです。
玄関は、たくさんの人が出入りする慌ただしい場所。
ご先祖様が安らかに過ごせませんし、落ち着いて拝んだり供養したりするのにも向いていません。
トイレがNGな理由は、風水学的に邪気が多い場所であることと水回りであること。
水回りは湿気が多く仏壇が傷む原因になりやすいので、洗面台の近くなども要注意です。
仏壇の向きや設置場所の注意点
仏壇の向きや設置場所は、自由度が高いことが分かりましたよね。
しかし、仏壇ならではの注意点がいくつかあります。
最後は、仏壇の向きや設置場所の注意点のご紹介です。
仏壇の高さに気をつける
仏壇の設置場所や向きと同じくらい、高さも重要な要素です。
適切な高さは拝む方法によって異なりますが、仏壇の位牌やご本尊が目線より下にならないようにできるとベスト。
上置きタイプのコンパクトな仏壇なら、そのまま床置きせずに目線が高くなるよう仏壇台を用意するのがおすすめです。
仏壇台についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
仏壇の台はDIYできる?仏壇台の種類・選び方・使い方・代用法を徹底解説!
直射日光や湿気の多いところは避ける
仏壇は木材のことが多く、直射日光や湿気に弱いのが特徴です。
明るい場所や方角に向けて設置するのは良いのですが、直射日光は当たらないように気をつけましょう。
移動が簡単にできるコンパクトな仏壇の場合は、湿気が多くなる梅雨の時期だけ他の部屋に移動させるのもおすすめです。
仏壇と神棚が向かい合わないようにする
仏壇の向きとして唯一タブーとされているのは、神棚と向かい合ってしまうように設置すること。
理由は、向かい合わせにするとどちらかを拝むとき、もう片方に背を向けてしまうことになるからです。
「対立祀り」とも言われ、家相的にも良くないので気をつけましょう。
仏壇のおすすめの設置場所や注意点・宗派の正しい方角【まとめ】
仏教では、仏様は東西南北・上下左右全ての空間に存在していると考えます。
そのため、正しい仏壇の向きというのは存在しません。
家族の団らんを感じられるような心地の良い場所・方角ならば、基本的にはどこでもOKです。
この記事でご紹介したような風水や宗派によるおすすめな向き・設置場所がご参考になれば幸いです。