2019-12-12
介護用オムツの交換方法とは?かぶれの原因から予防、介護パジャマ活用法
この記事の目次
介護が必要となった高齢者の排泄方法にオムツの使用があります。
介護に使用するオムツは介護を必要としている人向けの大人用の紙オムツです。
紙オムツを使うことになる高齢者は、身体機能の低下からトイレまで間に合わない、認知症でトイレの場所が分からないなどという理由があるようです。
しかし、まだ尿意や便意があり、意思表示できるのにオムツの中に排泄しなければならない状況は介護される高齢者であっても自尊心が傷つけられたり、
皮膚のトラブルや床ずれの要因となることもあります。
介護で紙オムツを使用するには、どのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。
この記事では、介護で紙オムツを使う際の注意点を解説したいと思います。
介護で使う紙オムツとは
排泄介護で使うオムツは大人向けの紙オムツのことになります。
トイレに行くまでに間に合わなかった、認知症で尿意・便意が分からない、トイレが見つけられないなどといった排泄のトラブルを未然に防ぐために使われます。
介護で使用される紙オムツは「何らかの病気で6ヶ月以上寝たきりである」「医師からオムツの使用を認められた」という人は医療費控除の対象になります。
介護で紙オムツを使うとどんな利点、不利点があるのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
介護を受ける高齢者から見た利点
・失禁を気にしなくても済む
・外出する際の不安が減り、行動範囲が広がる
・トイレまでの移動がない、衣服の着脱がないとうことから転倒の危険も軽減される
・尿意や便意があってもわざわざ起きなくても良いので安静・安眠できる
介護者から見た利点
・トイレの介助が減るので負担が軽減される
・トイレの介助が減るので安眠できる
介護を受ける高齢者から見た不利点
・プライド(自尊心)が傷つく
・皮膚がかぶれやすくなり床ずれが心配される
・オムツを使用することがマイナスなイメージとなり、食欲不振や引きこもるなどの傾向になりやすい
・オムツに頼りすぎて残存機能の低下を引き起こしてしまう
介護者から見た不利点
・介護者が家族の場合、費用面の負担が増える
・残存機能の低下が見込まれることから介護度が上がる可能性が出てくる
高齢者が紙オムツを使用するにあたっていくつかの利点や不利点があるようですが、介護が必要となった高齢者であっても紙オムツを使用する際には自尊心を傷つけないように細心の注意が必要なようですね。
それでは、紙オムツを使用するタイミングとはいつなのでしょう。
介護で紙オムツ使用はいつから?
上記にもあるように、高齢者が紙オムツを使用するようになる基準は様々です。
人間は2本足で生活していることが基本です。
2本足歩行で長年生活していることで内臓や膀胱を支える骨盤底が衰えてきてしまいます。高齢者は、この骨盤底の衰えこそが尿失禁の要因となります。
高齢者が紙オムツを使うきっかけとなるのはこの失禁にあるようです。
また、体が不自由になり寝たきりになってしまうとどうしても紙オムツに頼らざるを得ません。
紙オムツの交換は大変?
高齢者の介護を自宅で行っている場合は、通常ご家族の方がオムツの交換をしなければなりません。
オムツの交換を家族の方にされる高齢者も、交換をするご家族の方も抵抗を感じてしまうようです。
ですが、オムツの交換をまめにしないと悪臭や皮膚のかぶれ、やがては床ずれの原因にもってしまいます。
特に、認知症の方はいつオムツを交換したのかも分からない、それどころかオムツの交換を嫌がることが多いようです。
そして、認知症の方はオムツをいじってしまいパジャマなどの衣服をビショビショにしてしまうようです。
オムツいじりを防ぐ方法
高齢となり足や腰が弱くなりトイレまでの移動が難しい、認知症でトイレが分からないという方はオムツを使わなければなりません。
自宅で介護されているご家族の方は失禁されては大変だとオムツを使います。
ところが、当のご本人である高齢者は紙オムツを使うことが不満でオムツを外してしまうことがあるようです。
また、夜寝ている時に無意識にいじってしまったり、外してしまうことがあるようです。そんな時のために、介護パジャマという寝間着があるようです。
介護パジャマとは
高齢者がトイレに行けなくなり紙オムツを使うようになるとオムツをいじったり外してしまう人がいます。
そのような時には介護パジャマを着て寝てもらいましょう。
介護パジャマは「つなぎタイプ」のファスナーロック式のパジャマや「コンビネーションタイプ」でファスナーがオートロック機能になっているパジャマがあるようです。
また、紙オムツホルダーなどもあるので1度利用してみることをおすすめします。
紙オムツをいじる、外すなどされてしまうと介護する側にしてみると大変困ることですが、高齢者には理由があるようです。
高齢になると乾燥がひどくなり体のかゆみを訴える人が多くなりますが、オムツをしていることでさらにかぶれてしまうためかゆみがひどくなるようです。
これを防ぐ方法はないのでしょうか。
オムツかぶれとは
排泄コントロールが難しくなりトイレで排泄せず紙オムツを利用する高齢者が増えているようです。
しかし、紙オムツを使用することで赤ちゃんの場合と同じ「オムツかぶれ」を引き起こす方がいます。オムツかぶれはなぜ起こるのでしょう。
オムツかぶれの原因
赤ちゃんの場合も、まだ皮膚が弱いことからちょっと下痢をしたり、長時間オムツ交換ができないとオムツかぶれを起こすことがあります。
高齢者の場合はなぜオムツかぶれになってしまうのでしょう。
加齢で肌の機能が低下
加齢することで肌に潤いが減り皮膚に与える外敵ダメージを受けやすくなっています。紙オムツを使用することで汗・排泄物による蒸れや雑菌の繁殖で陰部やお尻にかぶれを引き起こしてしまうのです。
紙オムツを長時間使用
これも赤ちゃんの場合と同様に長時間使用していると、オムツの中は雑菌の温床となってしまいます。
皮膚が薄い
高齢になると、皮膚も薄くなるため紙オムツを使用しているとお尻の摩擦で皮膚の表皮がただれてしまいます。やがてはえぐれてしまい床ずれになることもあります。
オムツかぶれ予防
介護で使用する紙オムツで高齢者はオムツかぶれを引き起こしてしまうようです。
高齢になると皮膚の新陳代謝も悪くなり、1度起こしてしまうとなかなか治りにくいため、オムツかぶれを起こさないように予防してあげたいですね。
どんなことに気をつければ良いのでしょう。
紙オムツの見直し
紙オムツには様々な種類があるので、現在使っている紙オムツで蒸れを起こしてしまうようなら違う紙オムツの見直しを考えてみましょう。通気性が良い、肌に優しいといった紙オムツもあるようです。
紙オムツを使用する高齢者の肌に合う商品を見つけることでオムツかぶれが防げるかもしれません。
オムツの交換に気をつける
高齢者は皮膚が薄く弱くなっています。
紙オムツの交換でパッドを引き抜くという時に、摩擦があると皮膚がこすれてしまいます。
紙オムツの交換の際は、できるだけ皮膚に負担がかからないように優しく交換しましょう。
拭き取る時も摩擦を与えないように、なるべく力を加えず拭き取るようにしましょう。
また、肌を清潔にすることが最もかぶれ予防には重要です。
紙オムツは体に合ったものを使用する
高齢になると、シーツのシワででも床ずれの原因になることがあります。
紙オムツが大きすぎてシワになると摩擦が起きて不快な思いをするかもしれません。
また、小さすぎても蒸れや締め付けでかゆみ、かぶれの原因にもなります。
紙オムツを使用する高齢者の体に合ったサイズのものを選びましょう。
オムツかぶれケア
オムツかぶれは気をつけていてもできてしまうことが多くあります。
悪化してしまうと大変なので早めにケアすることが大切です。
オムツかぶれになりそうだなと思ったら、オムツ交換をさらにまめにするように心がけましょう。また、排便のあとは人肌に温めたお湯で洗い流してあげると良いでしょう。
入浴が可能なら入浴回数を増やすのもオムツかぶれには効果があります。
かぶれがひどくなってしまった場合は、医師に相談してみることをおすすめします。
オムツ交換、訪問ヘルパーさんに習う
介護が必要となり排泄が難しくなったことから紙オムツを使用する高齢者がいるご家庭では色々なご苦労があります。
例えば、お母様が要介護になられたご家族が息子さんだけだったり、お父様が要介護となりご家族は遠くに住んでいる、といったケースもあります。
そのような高齢者が介護施設に入所できれば良いですが、介護施設に入所できない高齢者もたくさんいます。
そのような場合は、介護保険サービスを利用して訪問介護(ヘルパー)をお願いすることができるのです。もちろん、訪問介護を利用するにも様々な条件があります。
訪問介護を介護保険で受けるには
・介護を受ける方が住む市区町村で介護認定の申請をする
・要介護認定を受けたら「ケアプラン」を作成
・「ケアプラン」が作成されたらケアプランをもとに介護サービス事業者と訪問介護の利用を契約する
このように訪問介護の契約をすると、訪問ヘルパーさんが自宅に来てくれて身体介助をしてくれます。
身体介助の内容には、介護される高齢者の体に直接触れる入浴介助やオムツ交換などの排泄介助も含まれているので、安心してご利用いただけるのではないでしょうか。
また、訪問ヘルパーさんに身体介助の方法、オムツ交換の方法などを教えてもらえるチャンスもあるかもしれません。
まとめ
トイレで排泄することが難しくなった高齢者は介護オムツを使用することになります。
ですが、ご自身で尿意や便意を意識することができる高齢者はオムツを使用するには抵抗を感じるようです。
一方、認知症でトイレが分からない、排泄行為もよく分からないといった高齢者もいるようですが、オムツを交換することを嫌がったりオムツを外してしまったりと介護者を困らせてしまいます。
そのような場合にはかゆみがある、オムツかぶれができているなどの理由があるので邪見に怒らずにオムツを嫌がる原因を探してみましょう。
排泄介護をする家族の方の負担を減らす方法として訪問介護(ヘルパー)を利用することもできるので分からないことはお住まいの市区町村の福祉科でお確かめくださいね。