2020-01-01
介護用歩行器が人気!?|椅子として利用できるシルバーカーとの違いを解説
この記事の目次
高齢になると身体機能の低下から筋力が衰え、自力で歩くという行為が困難になります。
歩くという行為は高齢者にとって筋力を維持するために非常に重要なことです。
将来、寝たきりになることを防ぐためにも高齢者には積極的に歩いていただきたいと思います。
そこで、この記事では高齢者に歩く行為の負担を軽減していただくために、歩行や移動がサポートできる歩行器について紹介・解説してみました。
ぜひ、ご覧になり参考にしてくださいね。
高齢者の歩行をサポートする介護用品
高齢になると、筋力が低下してしまい自力で歩くことが辛くなるようです。
「最近、歩くのが億劫(おっくう)になってきた」「外出したいのだけど、思うように歩けなくなってきた」と感じる高齢者は少なくないようです。
そんな高齢者には歩行をサポートする歩行器をおすすめしたいと思います。
歩行をサポートする歩行器とは
歩行が自力では困難になった高齢者のために歩行器という介護用品があります。
歩行器は介護保険を使って借りることができるレンタル介護用品の1つです。
歩行器の特徴は、高齢者の体を囲むような作りになっているため高齢者の体をバランス良く支えることができることです。
また、上半身の体重を歩行器に預けることができるため、足腰の負担が軽減されるので転倒の危険を防ぐこともできます。
高齢者の自立を目指した日常生活には自力で歩くことが重要になります。
歩行器を使って歩行をサポートされることで、少しでも自分の力で歩くことができて高齢者のQOL(生活の質)を高めることにつながるのではないでしょうか。
歩行器が必要だと思われる症状
・足や腰、股関節に痛みがある人
・バランス感覚や筋力が低下している人
・病気やケガで麻痺(まひ)や障害がある人
このような症状がある人に膝や腰にかかる負担を軽減、歩行する際の姿勢を安定させてくれます。
歩行をサポートする歩行支援用具
高齢者の歩行や移動をサポートする介護用品は歩行器の他にもあります。
それが次の2つです。
・杖
・シルバーカー
この2つと歩行器ではどのような違いがあるのでしょう。
歩行器の特徴は上記でも説明しましたが、歩行姿勢の安定や足腰に痛みがある人などに相応しい介護用品です。
杖の特徴は、自力で歩行はできるものの、バランスに不安がある方に適しているようです。
また、シルバーカーは自力で歩行が可能な高齢者や軽度な障害がある方が買い物などの外出の際に利用されるものです。歩行器と形が似ていますが別なものなので注意しましょう。
では、歩行器にはどんな種類があるのでしょう。
歩行器の特徴別種類
歩行器を利用する目的は高齢者の歩行をサポートすることですが、その中でも特徴が異なるようです。
どのような種類に分けられているのでしょう。
固定式歩行器
歩行器の脚が4つのフレーム構造になっているため、両手で持ち上げ、前方に置いて前に進むタイプ。
歩行器は軽くできていて腰の位置にグリップがあり、高齢の方でも簡単に持ち上げることができます。前に進むときに歩行器で体を支えられるため、痛みのある箇所への負担は少ないようですが、上半身の筋力や握力が衰えている方にはおすすめできません。
交互式歩行器
固定式歩行器と見た目が似ていますが、交互式歩行器は左右のフレームが動くタイプになっています。
左右のフレームは交互に動かすことができるため、右足を前に出すときは右フレーム、左足を前に出すときは左フレームを押し出します。
どちらかの脚部が常に地面についているので安定感があり、体を支えながら前に進めることが利点です。
ですが、体を左右交互に動かさなくてはならないので、左右のバランス感覚の取り方が難しい方にはおすすめできません。
キャスター付き歩行車
歩行器の脚の部分に小さ目のキャスター(車輪)が付いているタイプ。
前部分の2脚にキャスターが付いている前輪タイプ、4カ所全脚に付いている四輪タイプがあります。
キャスターが前輪タイプの歩行器は後ろ側を少しだけ持ち上げて前輪で前に進みます。
固定式歩行器では持ち上げられないという方でも使用しやすくなっていますが、身体の状態によっては操作しにくいこともあるようです。
四輪タイプの歩行器は持ち上げる必要はなくキャスターを転がして前に進むことができます。力を加えずに前に進むことができますが、前に出過ぎてしまうとバランスをとることが難しくなるので注意が必要です。
屋外用の歩行器
屋外に出かける際に適した歩行器でキャスターが付いた歩行車となるようです。
傾斜センサーが付いているものや速度調節機能が付いているものもあります。
また、外出の際に利用するということで荷物入れが付いているものもあるようです。
折りたたみタイプもあるので、公共交通機関を利用する際もかさばらずに便利に利用することができます。
このタイプは椅子の機能も付いているようです。(椅子付き歩行車)
片手用歩行器
片手しか使えない人のための歩行器になります。
歩行器とシルバーカーの違い
高齢者の方が買い物をするときに歩行器のようなベビーカーのようなものを押している姿を見かけることがあります。
それは、シルバーカーと呼ばれるもので歩行器でもベビーカーでもありません。
そのシルバーカーによく似た歩行器が外出に利用される歩行車のようです。
歩行車は体を奥まで入れられるためグリップに体重をかけることができて安全です。
また、椅子の機能が付いているものもあるので移動の際に疲れたら腰を掛けることができます。
この形の歩行車がシルバーカーと混同されるようですが、シルバーカーは介護保険を利用した介護用品には含まれません。
歩行器を選ぶコツ
歩行器にはたくさんの種類があるので、お使いになる方の目的や操作法に合わせた歩行器を選ぶことができます。
また、安全性、利便性にも優れたものを選びたいものですね。
歩行器を選ぶ際のコツを紹介していきましょう。
利用者の目的・場所に相応しい歩行器
現在はだいぶバリアフリーになっている建物が増えていますが、中にはバリアフリーにされていない建物もあります。
バリアフリーになっていない建物では段差が多く、持ち上げることが難しい四輪タイプの歩行器は適しないようです。
また、リハビリ目的だけではなく、何か物を運ぶ際に利用するには椅子付の歩行車が便利になります。
高さ調節が可能な歩行器
歩行器に高さ調節が付いていないと、スムーズな歩行ができない、身体状況の悪化などのリスクが高くなってしまいます。
グリップの高さが調節できれば利用される高齢者の身体状況に合わせて適切な高さにできます。
高さ調節も、歩行器によって異なるため、レンタルする際、購入する際は専門家に相談してから選ぶようにしましょう。
高齢者の体力や歩行レベルに合った歩行器
歩行器を利用する高齢者の体力によっては上半身の力が衰えている方もいます。また、左右のバランスが取れない方もいます。歩行器は種類によって上半身の力を必要とするものバランス感覚を必要とするものがあります。
歩行器を利用する高齢の方の体力や歩行レベルを見極めて選ぶことが重要です。
介護保険が適用される歩行器
介護用品である歩行器は介護保険を利用してレンタルすることができます。
介護保険でレンタルできる介護用品は「福祉用具貸与サービス」と言われますが、この福祉用具貸与サービスは要支援・要介護に認定された方がレンタルすることができます。
品目によっては要支援・要介護の度合いで違いがありますが、歩行器は介護保険のレンタルサービスが受けられます。
介護保険をご利用になりたい方は下の記事に詳しく書かれているので参考にしてくださいね。
【関連記事リンク】介護認定を受けるには訪問調査が必要?!申請から認定までの流れを解説
要支援でも歩行器がレンタルできる
通常、福祉用具のレンタル用品は要介護度が2以上でないとレンタルできないことが多いのですが、歩行器は要支援・要介護の認定を受けた方が対象となります。
歩行器は高齢者の歩行をサポートするためには欠かせないものなので、要支援という比較的症状が軽い方でも利用することができるようですね。
歩行器をレンタルするには
介護保険を利用して歩行器をレンタルするためには福祉用具貸与を指定された事業者に連絡をしなければなりません。
歩行器を利用する高齢者のケアプランに組み込む必要があるので担当のケアマネージャーに相談しましょう。
費用は自己負担1割でレンタルできる
介護保険を利用して介護用品をレンタルする場合の費用は原則1割負担です。(所得が一定上ある場合、2割~3割負担)
介護用品のレンタルについては下の記事に詳しく書いてあるので参考にしてくださいね。
【関連記事リンク】介護用品って結局どれを選べばいいの?オススメ20選|便利グッズもご紹介
歩行器のレンタル費用は標準的なもので2,000円前後のものが多く、自己負担額は月額150~300円前後が目安となるようです。
購入する場合を考えると1~4万円はするので利用する期間を計算するとレンタルのほうが経済的に負担が抑えられるのではないでしょうか。
機能のバリエーションが豊富なキャスター付きの歩行器は月額500円以上になるものもあります。
在宅で介護するには歩行器を利用しよう
歩行器の種類はたくさんあり、利用される高齢者の目的や使用場所に合ったものを選ぶことが可能です。
また、高齢者の安全やスムーズな歩行を考えた場合にも歩行器の利用をおすすめしたいと思います。
ですが、高齢者の体力や身体状況を考慮した歩行器を選ぶには専門家の意見が重要になるため、まずは担当のケアマネージャーに相談してからアドバイスを取り入れて選ぶようにすることが大事です。
まとめ
高齢者の方に積極的に外出してもらいたい、行動範囲を広げて元気に過ごしてもらいたいと思っていても歩行が困難では負担となり家に閉じこもりがちになってしまいます。
それでは、高齢者のQOLも下がってしまい残存機能も衰えてしまいますね。
ですが、高齢者に適した歩行器を選ぶことで外出も億劫でなくなるかもしれません。
外出が難しい高齢者でも歩行器でリハビリができれば外出も可能になるかもしれません。
あらゆる可能性を秘めた歩行器が高齢者の気持ちを明るくしてくれるのではないでしょうか!