2020-01-01

介護うつになる前に介護のプロに相談できる?【介護うつは防げる病】

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介護うつになる前に介護のプロに相談できる?【介護うつは防げる病】

この記事の目次

「介護うつ」やりきれない言葉です。

近年、高齢化が急激に進んでいるようですが、それは喜ばしいことなのでしょうか?

ただ、長生きできるだけで誰もが幸せを感じているのでしょうか?

高齢化が進むと同時に少子化や核家族化問題があり、年老いた父母の面倒を見ることができず高齢夫婦の老々介護となっている家庭も少なくありません。

在宅介護では主に家族の方が高齢者の介護をすることになります。

そして、介護者は次第に疲れ果てストレスがたまってうつ病を発症してしまうのです。

この記事では、高齢者のお世話をする介護者の「うつ」について考えてみました。

介護うつとはどんなうつ?

介護うつと聞くと、介護される高齢者が発症するのか介護する介護者が発症するのか疑問に感じてしまいませんか?

ここでは、介護をする側、介護者のうつ問題を取り上げていきたいと思います。

介護うつとは、家庭内でご家族のどなたかが介護が必要となり長い間介護していることでストレスがたまり、身体的にも精神的にも大きな負担となりうつ状態、うつ病になってしまうことを言います。

介護うつの現状

介護うつは主に在宅で介護をされている方が発症するようです。

また、介護うつとは正式な病名でなく介護による疲れやストレスが原因となりうつ病を発症することを「介護うつ」と呼ばれるようになりました。

介護うつの原因

介護をするには大変なストレスがあるようですが、その中でも特にご苦労されることがあるようです。

それが次に挙げる介護の代表的なものです。

・排泄の付き添いやオムツ交換

・入浴時の付き添いや身体洗浄

・食事の準備や介助

・移乗・移動

・見守り 徘徊や夜間の転倒防止など

・認知症の症状の対処

などなど、挙げていったらキリがありませんね。

これらは、介護のプロである介護職の方でもかなりキツイお仕事のようです。

介護うつだと気づくのはいつ?

介護うつは病名ではありません。

介護に疲れてしまいストレスとなり気づかないうちにうつ病となってしまうことです。

どんな症状が表れるとうつ病だと判断できるのでしょう。

・何をやっても楽しくない

・何もかも面倒だ

・昔は楽しめたことが楽しくない

・何を食べても美味しくない

・体が鉛(なまり)のように重い

・疲れているのに眠れない、睡眠不足が続いている

このような症状が感じられたら、自分でも気が付かないうちにうつ病を発症しているかもしれません。

最悪の場合、「もう、死んでしまいたい」という言葉が頭をよぎってきます。

このような希死念慮(きしねんりょ)が襲ってくる前に精神科を受診しましょう。

うつ病は適切な治療が必要です。

高齢者が高齢者の介護

高齢者が高齢者の介護をすることを老々介護と言います。

老々介護とは、65歳以上の高齢者を65歳以上の高齢者が介護する状態。

65歳以上の年齢の妻が65歳以上の年齢の夫の介護をする、また、その反対で夫が妻の介護をすることもあります。

あるいは、最近では65歳以上になった高齢の子どもがさらに高齢となる親の介護をするという場合も増えているようです。

認知症の高齢者が認知症の高齢者を介護?

老々介護の実態を聞いても驚くところですが、もっと大変な状況があるようです。

それは、老々介護をなさっている方が認知症で要介護、介護される方も介護する方もどちらも高齢者、且つ、要介護の認知症だという状況です。

このような状況を認認介護と言うようです。

何かとても危険な状況の介護だと思うのですが...。

このような介護方法を取らざるを得ないのが在宅介護の現状だということです。

在宅での介護は誰がすればいいの?

ひと昔前の介護と言えば、家庭内の嫁の仕事と決められていた印象があります。

現代はどうなのでしょう。

介護を受ける年齢になる頃には子どももすでに結婚して家庭をもっているか独立していることが多くなりそうです。

高齢となった家族の介護をするのは同じ高齢の配偶者ということになってきます。

すると上記にあるように老々介護ということになるのですが、高齢なうえ女性である妻が高齢とは言え男性である夫を介護するのは起き上がり介助1つとっても容易ではありません。

お互いが高齢となった夫婦で介護をするには限界があるのではないでしょうか。

いつまで続くか分からない介護に疲れ果ててしまう妻は介護うつを引き起こすでしょう。

また、子どもが何人かいる場合は幸いにも誰かが介護を引き受けてくれるかもしれません。

ですが、何人かいる子どもの中の1人に介護を任せきってしまうとやがて介護のストレスがたまり介護うつを発症してしまうことも現実にあるのです。

介護うつから起こる問題点

皆さんも、ニュースなどで耳にすることもあると思いますが、介護で疲れてしまいストレスとなると高齢者を虐待してしまうこともあるようです。

介護うつが引き起こす高齢者の虐待問題は決して他人事ではありません。

厚生労働省による「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」の発表では、思わぬ状況に驚きます。

虐待

 

要介護度

家族

参照:厚生労働省

養護者とは家庭におけるご家族になるわけです、そして、虐待をしてしまうのもご家族、ご身内の方ということです。

介護で疲れ切った身体や心にさらに追い打ちをかけるのが高齢者でも認知症を患った方になるでしょう。

この表を見ると、介護度が高くなるにつれ虐待の数も増えています。

介護度が高いと言うことは認知症の症状もあると言うことになるでしょうか。

認知症を患っている高齢者はこちらが言っていることが理解できず暴力的になることもあります。

特に夜遅くなってからの徘徊は、介護者の手を煩わせるばかりで苦労が絶えません。

そのような時につい、手を挙げてしまうことになるのも介護うつが引き金となっているようです。つい、手を挙げてしまって後悔してしまい、また、自分を追い込むことも。

介護者は神ではありません。

そんな時は1人で思い悩まずに誰かに相談することが必要です。

相談

まずは介護を知ろう!

介護うつになってしまう理由に介護を全部1人で引き受けてしまうことがあるようです。

介護者はスーパーマンではありません。

何でもかんでも自分1人で抱え込まないことが大切です。

まずは介護を知ることから始めてみませんか?

高齢者を介護してくれる施設やサービスなどの相談

そのためには

・お住まいの市区町村の介護保険窓口

「介護保険課」「高齢福祉科」など

・地域包括支援センター

他にも

・社会福祉協議会

・社会福祉法人

・医療法人

・NPO法人

・ボランティア団体

・一般企業 など

様々なところで介護の相談を受け付けてくれるようです。

ご家族であるお父さんやお母さん、あるいは、お爺ちゃんやお婆ちゃんが高齢になってきて介護が必要になる前に介護のことを話し合う、調べるといったことが必要です。

まずは、上記にある相談窓口で相談をして介護認定を受けましょう。

介護認定を受けるには

介護認定を受けないと介護保険が利用できません。

在宅で介護されている場合は介護保険を利用して「訪問介護」というサービスを受けることが可能です。

もちろん、要介護の認定調査があり、その介護度によって違いがありますが「訪問介護」サービスが受けられないとしても「ディサービス」「ショートステイ」といったサービスを使うことができます。

介護が必要だなと思ったら1人で悩まずに相談をして介護が必要な方の介護認定を受けるようにしましょう。

介護認定を受けるには下の記事に詳しく書かれているので参考にしてくださいね。

【関連記事リンク】介護認定を受けるには訪問調査が必要?!申請から認定までの流れを解説

介護認定が受けられると介護保険を利用して様々なサービスを受けることができます。

ですが、介護を受ける高齢者がご家族以外からの介護を受けることを拒否するかもしれません。高齢になると、わがままになったり、頑固になる方もいるようです。

そうは言え、介護者であるご自身が自分を第1に考えることで今後の対策が見えるのではないでしょうか。

どうしても介護が難しくなってきたら、介護施設を利用することも視野に入れましょう。

ディサービスやショートステイを利用する選択肢もありますが、費用に余裕があれば有料老人ホームなどに入所してもらう方法もあります。

要介護のご家族を老人ホームなどに入所してもらうことで、「邪魔にしたようで罪悪感を覚える」と思う方もいるようですが、介護うつになったり自殺を考えてしまうよりは良い選択なのではないでしょうか。

老人ホームについては下の記事に詳しく書いてあるので参考にしてくださいね。

【関連記事リンク】良い老人ホームの見分け方とは?間違えてはいけない介護施設の選び方

介護離職とは

介護離職とは、介護職員が介護職を辞めてしまうことだと思っていましたがここでも介護離職という言葉が使われるようです。

ここで言う、介護離職とは家族の介護をするため仕事を辞めてしまうことです。

社会問題にもなっている介護離職

家族や親族の介護のため仕事を辞める人が毎年10万人前後いるとされています。

仕事と介護の両立は難しいため仕事を取るか介護を取るか難しい選択に追い込まれてしまうのですね。

介護離職はしない方が良い

介護と仕事の両立は難しいようですが、できるだけ辞めない選択をした方が良さそうです。

会社によっては、「介護休暇」や「介護休業」を利用できるところもあります。

介護休暇⇒ 要介護の家族を介護するための休暇で最大5日まで取得することができる

条件

・要介護状態にある対象家族を介護する人

・雇用期間が6ヶ月以上の全従業員(正社員、アルバイト、パート、契約社員、派遣社員)

介護休業⇒ 要介護の家族を介護するための休暇で通算93日まで取得することができる

条件

・要介護状態にある対象家族を介護する人

・同一事業主に引き続き1年以上雇用されている

これらの休暇はよく似ていますが、取得できる条件と期間が異なります。

介護休暇も介護休業も法律で守られている制度なので、休みが必要な場合は雇用主に申し立てましょう。

厚生労働省が推奨する、企業が取り組むべき5つの支援

厚生労働省では、介護に直面した従業員に対し「企業が取り組むべき支援」は5つある、としています。

厚生労働省が推奨する、企業が取り組むべき5つの支援

1.仕事と介護の両立を支援する姿勢であることを伝える

2.地域包括支援センターなどで地域支援情報をしっかり把握するよう伝える

3.上司との三者面談で、当面の支援方針を共有する

4.介護の体制ができてきたら、両立のための介護支援プラン策定を支援する

5.定期的に上司と共にフォロー面談をする

参照:OBC360°

まとめ

介護とは、辛く長い道のりです。

しかし、だからこそ自分1人で抱え込まない努力が必要です。

介護は身内だからこそ上手くいかないこともあります。

そんな時は、介護のプロに頼るのも悪いことではありません。

全部が全部頼るわけではなく、負担を軽減するだけだと考えましょう。

介護うつを防ぐ方法なので前向きに検討してみてくださいね。

要介護となった高齢者のためにも、介護する介護者のためにも国の介護保険制度を利用して少しでも快適な介護を目指していただきたいと思います。

 

 

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