2020-01-01
介護レクリエーションで高齢者に楽しんでもらうには?【介護レクを解説】
この記事の目次
介護レクリエーション、何だかこの言葉だけでも楽しそうでウキウキしてしまいます。
介護や高齢者という言葉は重く感じるものが多く、中々楽しい話題が出てきません。
ですが、介護レクリエーションという言葉は笑い声が聞こえてきそうですね。
介護の場でレクリエーションとはどんなことをするのでしょう。
一般的なレクリエーションは身体的、精神的な疲れを癒し(いやし)、元気に回復するための休養や娯楽を意味するようです。
介護の現場でもレクリエーションは楽しく癒してくれるのでしょうか。
この記事では介護レクリエーションについて解説していきます!
ぜひ、ご覧くださいね。
介護とレクリエーションの関係
介護の現場でのレクリエーションと言えば、介護施設などで行われるイベント行事を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。
通常、イベントは大人数で楽しむ娯楽を想像させるようですが、介護現場でのレクリエーションは
・集団で楽しむレクリエーション
・個人的に楽しむレクリエーション
・日常生活をより豊かにするための基礎生活レクリエーション
などがあります。
介護の現場で行われるレクリエーションは要介護となられた高齢者の身体や精神、脳に至るまで深く関係しているようですね。
では、高齢者に楽しんでいただくレクリエーションとはどんな目的があるのでしょうか。
目的に合わせたレクリエーション
レクリエーションはただ大人数でワイワイと楽しむものだけではないようです。
要介護となられた高齢者お一人おひとりに合わせた目的別レクリエーションがあるのだとか。そして何よりも、高齢者に笑顔になってもらうことが大きな目的。
コミュニケーション能力を広げる目的
高齢になると身体機能の低下から筋力が衰えてしまい歩くことが困難になってしまう人が少なくありません。
高齢者施設のディサービスや老人ホームなどでは連日楽しいレクリエーションが行われています。
レクリエーションに参加すれば、同じような悩みを持つ仲間がいます。
仲間と悩みを共有すれば日頃沈みがちな気持ちにも明るさが取り戻せるのではないでしょうか。
身体機能の低下を防ぐ目的
高齢になると身体機能が低下することから運動量が減ってしまい筋力も衰え、要介護度も上がってしまうという悪循環に陥ってしまうようです。
それを防ぐためにも、体を適度に動かすことは欠かせません。
レクリエーションは楽しく行える催しなので無理なく体を動かすことができて、いつの間にか身体機能も向上してくるようです。
レクリエーションに参加して身体機能の低下を予防しましょう。
脳の働きを促進する目的
レクリエーションには折り紙や塗り絵など、手先を動かす、頭を使うといった活動もあります。レクリエーションで日頃使わない脳の部分を使うことで脳の働きが促進されます。
それによって認知症の予防、認知症を患っている方は症状の進行を遅らせるなどの効果が期待できるようです。
QOL(生活の質)ADL(日常生活動作)が向上
レクリエーションに参加することで、コミュニケーション能力、身体機能、脳などが活発になることからQOLやADLも向上します。
日頃の寂しさも仲間と同じ時間を共有することでストレス解消につながり笑顔も増え、毎日が楽しく感じられるのではないでしょうか。
高齢者の笑顔が増えることで、介護者の負担もぐっと軽減されるようです。
では、具体的にはどんなレクリエーションの方法があるのでしょう。
レクリエーションの方法
様々な効果あるレクリエーションですが、介護の現場ではどのようなレクリエーションが行われているのでしょう。
身体機能の低下を防ぐためのレクリエーション
要介護となられた高齢者には身体的にリハビリが必要となる方もいます。
介護施設などでは、日常生活全てがリハビリとなるようですが、それでもレクリエーションで行うことは身体機能の低下予防や改善に効果あるようです。
レクリエーションに参加することで無理なく自然に運動効果を得ることができストレス解消にも。
・ラジオ体操
ラジオ体操にはかなりの運動効果があります。
ラジオ体操は立っていても座っていてもできるので、自分の体調や体力に合わせて体を動かすことができます。
また、ラジオ体操は国民的な体操として誰もが知っているので高齢者の方でも馴染みが深く自然に体を動かすことができるのではないでしょうか。
・ジェスチャーゲーム
ゲームは脳の働きも活発にするようですが、ジェスチャーゲームは出された題目を身振り手振りで次の人に伝達するゲームとなり運動効果もあるようです。
・風船ゲーム
風船なので軽くてぶつかってもケガの心配がありません。
風船をボール代わりに使ったゲームがたくさんあるようです。
・フルーツバスケット(ハンカチ落とし)
・じゃんけん大会
・ビンゴ
・カラオケ など
脳を活性化させるレクリエーション
手先を動かすことが脳の活性化に良いとされているため次のようなレクリエーションが好まれているようです。
・塗り絵
・折り紙
・おはじき
・お手玉
・裁縫や料理などの物作り
・手遊び
・トランプ
・けん玉
・ベーゴマ
・なぞなぞ(クイズ)
どれも昔懐かしい遊びばかりですね。
高齢になると最近のことはあまり思い出せなくても昔の記憶はしっかりとあるようです。
童心にかえって楽しく手指を使うことで脳に刺激を与える、達成感が得られるといったメリットがあります。
癒しが得られるレクリエーション
体を動かしたり、脳を使ったりと身体機能や脳の働きは良くなるようですがリラックスするレクリエーションも忘れてはなりません。
高齢者は体力が衰えることから睡眠不足になり、ストレスを抱えてしまう人もいます。
そんな時には癒しを実感できるレクリエーションでリラックスしていただきたいですね。
・音楽を聴く
・深呼吸
・手のマッサージ
・動物セラピー
高齢者や障害のある方のセラピーとして小動物や植物を育てることで精神的な安定をもたらす効果があるようです。施設で動物を飼うことはできませんが、少しでも触れ合うことで穏やかな気持ちになり、昔を思い出して涙することも。
・子どもたちと触れ合う など
最近では幼児と触れ合うことで癒しが得られるという保育園児などとの交流が注目されています。
「幼老複合施設」
近年の核家族化で、高齢者と子どもが触れ合う機会が減ってきています。
そこで、最近では高齢者と子どもが同じ建物内(敷地内)で交流できる施設があるようです。
子どもにとっては、高齢のお年寄りと触れ合うことでお年寄りを労わる(いたわる)気持ちが生まれ思いやりや礼儀が身につくと言われています。
また、高齢者も子どもと触れ合うことでそれぞれ役割を見つけ、活気が生まれるようです。
高齢者の方が子どもと接することで笑顔になれば、心身に良い影響を与えてくれるのではないでしょうか。
子どもと触れ合うことができる場所
高齢者が子どもと触れ合うことができる場所は同じ建物内だけではなく、ディサービスや保育園児、幼稚園児、学童保育児などが利用する施設などでも取り組みは行われているようです。
レクリエーションを楽しんでもらう秘訣
高齢者の方にレクリエーションを楽しんでもらうためにはいくつかの秘訣があります。
ただ漠然と参加してもらうのでは意味がありません。
どのようにすれば楽しく喜んでいただけるのでしょう。
尊敬する気持ちを表す
高齢者と接する時には常に年配者だと言うことを忘れないように敬意を表しましょう。
レクリエーション中に高齢者だからと、ついつい子ども扱いをした言葉や態度で接してしまいそうですが、高齢者のプライドを傷つけないように気をつけましょう。
ケガや事故に配慮
若く健康な人でもいきなり体を動かすと危険なことがあります。
運動するレクリエーションではいきなり体を動かさずストレッチをしてもらうことも忘れないようにしましょう。
また、ハリやハサミを使う、料理をするというレクリエーションでも目を離さないように配慮しましょう。
個性や好みを尊重する
高齢になると、頑固になる方やわがままになる方も少なくありません。
自分の意思を押し通そうとすることも。
みんなが好きだと思われるレクリエーションでも、お一人おひとりの好みがあるので意見を取り入れ参加できるレクリエーションを見つけてあげることも大切です。
ひとくぐりに、高齢者だから、認知症だからと分けずにご本人の個性や好みを尊重するようにしましょう。
勝ち負けのあるレクリエーション
レクリエーションの目的は勝ち負けにこだわることではありません。
対戦式のレクリエーションを好む方もいるようですが、あまり勝ち負けにこだわるとやる気が失せてしまう人もいます。
対戦式のレクリエーションでは緩やかなルールで誰もが楽しめるゲームで参加できるようにしましょう。
進行するスタッフは分かりやすく説明
高齢者と一言で言ってもみなさんそれぞれ捉え方が違います。
目の不自由な方、耳が聞こえにくい方などにも分かりやすく説明することが大事です。
説明する際は、身振り手振りで体全体を使って伝えると分かりやすいようです。
レクリエーション介護士って何?
介護職の目的は要介護となられた高齢者の日常生活動作、健康管理などを少しで自立してもらうための介助やサポートになります。
それに対して、レクリエーション介護士の目的は高齢者の方に「喜びや生きがい」を感じてもらうこと。
レクリエーション介護士は2014年に誕生したばかりの資格です。
レクリエーション介護士のメリット
・コミュニケーション能力を身につけて高齢者とスムーズに接することができる
・特技や趣味を活かして高齢者が楽しめるレクリエーションを作ることができる
・自分のレクリエーションアイデアを企画書にして実行できる
レクリエーション介護士の活躍が増えると高齢者の喜ぶ顔も増えてきそうですね。
まとめ
高齢者は身体機能の低下から自らの意思で動くのが面倒となる人もいます。
そんな方こそ、ディサービスや介護施設のレクリエーションに参加することで無理なく体を動かすことができるのではないでしょうか。
また、認知症を患っている方でもレクリエーションならリハビリやトレーニングを意識することなく気軽に参加でき症状を緩和させてくれるようです。
レクリエーションは高齢者に生きがいと笑顔を与えてくれる楽しい行事です。
ぜひ、参加してたくさん笑っていただきたいと思います!