2020-01-01

介護記録の書き方とは?敬語の言葉遣い、禁止用語などを解説

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介護記録の書き方とは?敬語の言葉遣い、禁止用語などを解説

この記事の目次

介護職の仕事には欠かせないものがたくさんあります。

その中の1つに「介護記録」が含まれるのですが、介護職員でもあまり得意ではない人もいるようです。

「介護記録ってどうやって書けばいいの?」「書く暇がない!」などとお悩みの方もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では介護記録をルールに基づいた書き方で解説してみました。

ぜひ、参考にしてくださいね。

介護記録は何のために書くの?

介護記録を書く目的は様々あるようです。

まず、大きな目的としては介護サービスの質の向上です。

そのための目的として次のことが挙げられます。

介護職員の意識向上

介護記録を記載することによって、利用者さんをより注意深く観察する必要があります。

介護スタッフだけの主観に依存する観察になると毎日の成長が期待できません。

介護記録に記載されている作業を通じて、利用者さんの生活機能を見渡す姿勢を習慣化すれば介護職員としての意識向上はもちろん、介護知識や技術の向上にもつながっていくのではないでしょうか。

支援する関係者のコミュニケーションを円滑にするため

介護の現場では、利用者さんに少しでも自立した日常生活を送っていただくために介護士はもちろん、医師や看護師、社会福祉士やケアマネージャー、介護療法士など様々な職種が一丸となり支援を行っています。

そのため、利用者さんに関する情報や必要とするもの、健康上の問題点などの情報を発信、共有する必要があります。

介護記録はそのためのツールとしての役割を果たしてくれます。

介護職員の振り返りに役立つ

介護記録とは看護記録と同じ意味もあるようです。

介護の現場での高齢者はいつ、何が起こるか分からない状況にあります。

先ほどまで元気だった利用者さんが突然発熱したり、急に倒れてしまうこともあります。

そのような場合に介護記録に記されていることを振り返れば解決に向けた作業内容が書かれているかもしれません。

また、利用者さんに対しての介護内容が適切だったかどうかを判断材料にもなります。

事業所や介護施設で行ったサービスの証になる

介護記録は正確に記載することが求められています。

そのため、日頃、介護現場を目にすることがないご家族が見ても、利用者さんの介護内容や生活状況を理解し安心していただけるのではないでしょうか。

また、例え事故が起きて訴訟となった場合でも介護職員の利用者さんに対しての対応の経緯が真摯であったことなどを明確に判断する公的な証として扱うこともできます。

ですが、記載に不備や虚偽が認められた場合はこれに当てはまりません。

ケアプラン作成に役立つ

利用者さんのケアプラン作成には介護記録に記載されている内容が大切な資料となります。

介護記録に書かれた内容の多くは、ケアプランにおける解決するべき課題を根拠として扱われています。介護記録は利用者にとってもより良い生活を継続するために欠かせない存在だと言えそうです。

介護記録とは、単に介護職側だけが運営基準を満たすだけの記録ではありません。

利用者さんにはより良いサービスを、そのご家族はもとより、地域住民全体に信頼、安心していただくための必要不可欠な要素であることは間違いないようです。

アプリ

介護記録って何を記録するもの?

介護職の方が日勤から夜勤に引き継ぐとき、また、夜勤から日勤に引き継ぐときに介護記録を見ることによって、それまでの高齢者の様子や施設での出来事などを詳しく知ることができます。

つまり、高齢者の体調や様子、出来事などを記録しておくことで次の業務引継ぎをスムーズに進めることができるのです。

具体的にはどんなことを記録するのでしょう。

介護記録の基本「5W1H」

ビジネスでも情報を正確に伝達する際に使われている「5W1H」。

ご存知の方もいると思いますが、中々実践できないものです。

頭の中では分かっているのだけど、言葉や文字にするとなるとどう表していいのやらと悩んでしまうのですよね。

5つのW、1つHのを使って表すと簡単に記録することができるようです。

では、実際に当てはめてみましょう。

誰が(who)

介護スタッフが利用者Aさんに声がけ

「朝食のパンを残されたので、『お腹がいっぱいなのですか?』と聞いたら『もう、食べられません』と言われた」

こんな書き方では、誰がパンを残してなぜ、食べられないと言ったのか全く分かりません。

これでは、引継ぎのときに様子を知りたくても誰だか分からず様子を見ることができません。

ここで誰の(who)を使ってみると

「利用者のAさんが朝食のパンを残されたので、『お腹がいっぱいなのですか?』と聞いたら『もう、食べられません』と言われた」

こう書くことによってAさんは朝食のパンを残したことが理解できます。

何を(what)

記録を書く際に1番大事なことは「何を」したかになります。そのためには文章の最初に結論を書くことが分りやすくする記録の基本です。

利用者Bさんと介護スタッフが

「『Bさん、今日は良いお天気なので散歩に行きましょうね。』と言うとBさんは『でも、寒気がするので外には出たくない』と言った。念のため風邪かなと思い熱を測ったら発熱していた。」

ここで1番大事な部分は熱を出しているということです。状況説明はその後に書いてもいいですよね。

「Bさんは37.8度の発熱のため今日は散歩なし。寒気がすると言っているため現在は部屋で休んでいる」

と簡潔に理解することができます。

いつ(when)

時間を明記することはもちろんですが、何の前だったのか後だったのか、何をしている時だったのかなど、その時の状態を絡めて(からめて)書くことで状況判断しやすくなります。

例えば、レクリエーションゲームで興奮していた、散歩中で疲れていたなど状況が把握しやすくなるのではないでしょうか。

どこで(where)

時間の明記と同様に場所も重要になります。

散歩中に公園で、だけではなく公園のベンチで、公園に行く途中でなど明確な場所を書くようにしましょう。

なぜ(why)

なぜとは、理由です。

例えば、「今日、Bさんは公園に散歩に行くのをやめた」だけではなくて「今日、Bさんは寒気がするため公園に散歩に行くのをやめた」など明確な理由を付け加えることも忘れないようにします。

どのように(how)

これは、利用者さんがどのような表情でどのように行ったかを記録することです。

ここで大事なことは、介護スタッフの憶測や推測を交えないこと。

朝食のパンを残したAさんはイヤそうな顔をしていたからパンが嫌いなのではないか、お腹が痛いのではないかというのは、Aさんが言わない限りスタッフの憶測や推測に過ぎないということになります。

ですが、実際の介護の現場は常に忙しくこんなことをしている場合じゃなーいなんてなりかねません。

できるだけ分かりやすく明確に誰が読んでも理解できるように記録することは大変なようですね。

見たままを、事実に基づいて書く

介護記録は事実を知ることが目的の1つです。

憶測や推測で書いてしまうと事実が見えなくなってしまい混乱を招いてしまいます。

例えば

「Aさんはお腹が苦しそうな様子だった」

これは、スタッフが様子を憶測で言っています。これだけを記録してしまうとお腹が痛くて苦しいのかお腹がいっぱいで苦しいのか判断が付きません。

なので「Aさんはパンを残したので『もう、お腹がいっぱいなのですか?』と聞くと苦しそうな顔をして『もう、お腹がいっぱいで食べられません』と言った」は事実に基づいて書いているのでお腹がいっぱいで食べられなかったという事実が分りますね。

「Bさんは散歩に行くのが嫌みたいだった」

これもスタッフが憶測や推測で判断しています。

なぜ、嫌なのかを知らなくては次に引き継ぐスタッフに情報を伝えることができません。

「Bさんは、発熱しており公園の散歩は取りやめた。聞いてみると寒気がすると言っていた。」

と事実を記録することで他のスタッフにも情報を適切に伝えることができます。

介護記録のルールとは?(敬語や禁止用語)

介護記録は日記や作文ではありません。

事業所や施設が介護サービスを提供したという証明となる正式記録です。

文章の終わりは常体で

文末は「~です」「~ます」という敬体で終わらせる必要はありません。

「~だ」「~である」で終わる常体で統一させましょう。

時間の経過

時間の経過を曖昧(あいまい)にしないように介護記録では過去形で書くようにしましょう。

「~した」「~であった」と書きます。

また、現在も観察が続いている場合は現在形の

「~している」と現在形で書きます。

記載内容を訂正

介護記録に書いた内容を訂正する際は、訂正部分に二重線を引き赤字で訂正内容、日時、記載者名を加筆、または、余白があれば別途記載するようにしましょう。

記録用紙に余白がある場合は記録漏れと誤解されないように斜線を引いておくこと。

専門用語や略語は?

介護職員同士ばかりが目にする介護記録ではなく、利用者さんご家族も見る機会があるためなるべく専門用語や略語は避けましょう。

介護記録はほとんどの場合、同じような記載方法のようですがグループホームによって決められた禁止用語などルールがあることも。

その際は職場のルールに従って書くようにしましょう。

介護記録アプリで簡単入力

最近では、簡単に介護記録をスマートフォンやタブレットで入力できるアプリがあるようです。

これまで手で書かなくてはならなかった介護記録がスマホで簡単入力できるなんて、忙しい介護職の作業負担も軽減されるのではないでしょうか。

まとめ

介護記録とは、介護職の人ばかりではなく誰が読んでも理解できるように書かなくてはならないようです。

そうとは言え、介護記録を書く人も介護スタッフ、介護を実際行うのも介護スタッフ、忙しい合間をぬって記録していくのはかなり大変な作業。

介護の現場だからこそ必要不可欠な介護記録ですが、それこそ時代のニーズに合わせたスマホやタブレットの普及、ペーパーレス化が進むと同時に介護職の方の負担が軽減されることを応援したいと思います。

 

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