2020-01-01
介護ロボットは高価格?会話型AI&ロボットスーツのメーカー情報もご紹介
この記事の目次
介護ロボットと言って、皆さんが想像するのはどんなロボットでしょうか。
介護の現場で介護職に代わって、高齢者の介護をしてくれる「ドラえもん」のようなネコ型ロボット?
最近ではこの「ドラえもん」のようなAI(人工知能)を搭載した介護ロボットが注目を浴びているようです。
果たして、AIを搭載したロボットとはどんなロボットなのでしょうか。
また、介護ロボットの導入は可能なのでしょうか。
この記事では、介護ロボットの現状や導入問題について解説しています。
介護ロボットとは
介護の現場での介護ロボット、それは要介護の方の自立を助け、介護職の業務の負担を減らし手助けするロボットである。
介護ロボットの現状
日本の高齢化は世界に類のないスピードで進行し、どの国でも経験したことがない超高齢化社会を迎えています。
そのような状況下で、介護分野では深刻な人材不足が指摘され続けています。
そこで、国は介護ロボットを普及させることでこの介護職の人材不足の問題が解決するのではないかと考えたようです。
しかし、実際に介護ロボットを必要とする介護施設等にはまだまだ普及はされてないのが現状です。
その理由としては次のことが挙げられます。
理由1.介護ロボットは単一作業である
今の段階の介護ロボットでは単一作業しか行うことができず、要介護の方1人の介護を全部行うためには多様な種類のロボットを組み合わせて使わなければなりません。
理由2.介護ロボットは人の手に代わらない
介護ロボットが介護スタッフに代わって業務を担う段階までには至っておらず、どうしても人の手による操作が必要になるため実用的ではないようです。
理由3.介護ロボットの必要性にギャップ
現在、開発されているロボットと、要介護者や介護者の必要性にギャップが生じていることも普及を遅らせていることの原因の1つです。
理由4.介護ロボットは安全?
介護ロボットは本当に安全なのかという疑問の声もあり、介護現場で介護ロボットの実用化はまだまだ先のことになりそうです。
介護ロボットの導入
上記のような現状を踏まえて、介護ロボットの導入を検討されている法人様(介護施設等)も見ることを鑑みると、商品名を出しても良いと思いました。また、AIは最近になって流行っている言葉なので介護関係者も注目しているのかもしれませんね。
AIとは
最近、注目を浴びているAIとはいったいどのような機能を持っているのでしょう。
AIは人口知能とも言われていて、人間の知的なふるまいの一部をソフトウェアを用いることで人工的に再現することができます。
私たちの身近では掃除機のルンバがAIを搭載して人間の代わりとなって細かい場所までお掃除してくれます。
また、自動車の自動運転もAIが活用されていることは有名ですよね。
このようなことから、介護の現場でもAI 搭載の介護ロボットの導入を取り入れようとする動きがみられています。
今後の介護ロボット
現在、介護の現場では見守り支援を行う、また、要介護の方とある程度以上の精度を持った会話のできるロボットが活躍しています。
今後はケアマネージャーの代わりにケアプランを作成できるロボットや、要介護の方の状態を自発的に判断し、睡眠に適した照明を調節する介護システムなど様々なAIを搭載した介護ロボットの開発が見込まれています。
化学的根拠に基づくケア
株式会社エクサウィザーズ社では、AIと人の協業による緻密な指導を実現。
テクノロジーを活用して、ケアされる人、ケアする人ともに負担のないケアを実現することでQOL(生活の質)の改善と国や自治体の社会保障低減にも寄与しています。
AIが行った基本的な指導に、人にしか気づけない細やかな指導を重ねることで、よりレベルの高い気づきを得ることができ、ケアの質を上げられます。
介護支援ロボット「アイオロス・ロボット」
介護支援ロボット、アイオス・ロボットはAI関連技術がふんだんに搭載されているということで大変に驚かされるようです。
しかも、アイオスは日本市場で介護分野に注力することが発表されています。
アイオスが介護の現場で活躍する内容は実に多岐にわたり
例えば、高齢者の方に物を運ぶ、要介護の方の状態の見守りで転倒や体調を検知して介護スタッフのスマホに速やかに通知してくれるなど、人の顏や物の検知、認識までもできるようです。
また、ロボットに装備されているアームで約2㎏までの物をつかむことができ、両腕に抱えるようにして持つと胴体に支える機構もあり約10㎏の物まで運ぶことができます。
ハンド部分のグリッパーでは圧力センサーを搭載しているので柔らかい物を持つ能力もあるようです。
さらに驚くことにはエレベーターに乗り、行き先階までのボタンを押して行くことができるのだとか。
アイオスにはまだまだ驚かされる機能があるようですが、介護の現場での活躍で介護スタッフの負担が軽減される日はそう遠くはないようですね。
では、介護支援「アイオス・ロボット」の他にはどんなロボットの活躍が期待できるのでしょう。
介護支援ロボットHAL
介護支援ロボットHALは、身体機能を改善・補助・拡張することができる世界初のサイボーグ型ロボットスーツです。
HAL腰タイプ介護・自立支援用は一台二役で要介護者の自立度の向上や、介護者の身体的負担を軽減することができます。
例えば、ベッドから車いすの移乗動作では介護者の腰にかかる負担を低減することで腰痛を引き起こすリスクを減らします。
要介護者は介助なしで立ち座り動作などができるため自立度の向上、介護者の身体的負担を大きく軽減します。
HALの活躍は、腰痛によって介護職から離職を考える人の離職対策をお手伝いしてくれるようですね。
HAL介護支援(腰タイプ)購入価格: 税込み価格 2,000,000円
初期導入費用:108,000円
介護支援ロボット「マッスルスーツ」
あら、いつからダウンタウンの浜ちゃんは介護士になったの?と思わせるようなテレビコマーシャルをご覧になった方もいるのではないでしょうか。
このコマーシャルはお笑い芸人のダウンタウン、浜田雅功さんが介護支援ロボットの「マッスルスーツEvery」を身につけ様々な使用イメージを再現したものだとか。
「マッスルスーツEvery」は、現場で働く人の腰にかかる負荷を軽減、日常の力仕事までをサポートしてくれるシンプル、そしてパワフルなアシストスーツ。
マッスルスーツは、人や重い物を持ち上げる、中腰の姿勢を続けるなど身体に負担がかかる作業をする際の動作を助け作業負担を軽減させるとともに腰痛予防にも貢献している装着型の作業支援ロボットです。
従来型のマッスルスーツは価格の面から法人向けの需要が高かったマッスルスーツでしたが量産化に成功して既存の機能は変わらず個人のお客様でも購入可能な価格を実現しました。
「マッスルスーツEvery」購入価格 136,000円(税別)
従来のマッスルスーツEdgeの価格は498,000円(税別)だったので、約3/1となり買い求めやすくなったようですね。
癒しの介護ロボット
介護の現場では介護における身体的な支援だけではなく、精神的な支援をしてくれるロボットの活躍も見られています。
その多くは高齢者や利用者の心を癒してくれる効果があるようです。
セラピーロボット「パロ」
高齢者の精神的な癒しに動物セラピーという療法がありますが、介護施設などでは様々な事情から動物を飼うことは難しいとされています。
そこで開発されたのが、セラピーロボット「パロ」ちゃんです。
セラピーロボット「パロ」は、本物の動物に代わって人に楽しみや安らぎなど精神的な働きかけを行ってくれます。
その効果が認められ2002年には“最もセラピー効果があるロボット”としてギネスに認定されたのが「パロ」です。
介護の現場でも利用者である高齢者からは「孫のように可愛い」「パロちゃんを見ただけで笑顔になれる」と大人気。
コミュニケーションロボット「パルロ」
コミュニケーションロボット「パルロ」は、音声認識力、自然な音声合成力を活用して会話ができる人型コミュニケーションロボットになります。
「パルロ」はおしゃべりなので高齢者との会話もはずみます。また、歌をうたうことやダンスも大好きなのでパルロの周りは笑顔でいっぱいに!
現在では、全国1000ヶ所を超える高齢者福祉施設で認知症予防や自律支援で活躍されています。
介護ロボット導入の利点と不利点
介護ロボットが開発されて介護の現場で使うことが現実的に叶う(かなう)とどんな利点、不利点があるのでしょう。
介護ロボット導入の利点
・介護をする介護者の身体的・精神的な負担が軽減される
要介護者の介護をする介護者は介護職を含め、腰痛を訴える人がたくさんいます。
それは、要介護の方の移乗や移動で腰に負担がかかる介助が多くなるからです。
このような介助を介護ロボットが代わって行うことで、介護者の身体的な負担が軽減されて精神的な負担も軽くすることができます。
・要介護者の精神的負担を軽減することが可能
上記のような介助で介護者にいつも「介助してもらうのが悪い」「申し訳ない」「恥ずかしい」などと思ってしまいますが介助してくれるのが介護ロボットなら遠慮することもなく、精神的負担が軽減するようです。
・人員不足が軽減
介護ロボットが導入され介護業務が向上すれば、本来の目的のように介護職の不足も解消され、人件費も削減、介護現場が働きやすい職場に変わることも期待できます。
介護ロボット導入の不利点
・コストが高い
介護ロボットはまだまだ普及率が低く、単価も高くコストの問題点があります。
また、活用事例も少ないため介護者にとっても要介護者にとっても「本当に利用しても大丈夫?」といった不安を隠せないといった現状があるようです。
・操作が難しい
実際に導入してみたものの、いざ、使おうと思ったら操作が難しく慣れるまでに相当な時間がかかるといったことも問題点になるようです。
・介護ロボットの保管スペースがない
現状での介護ロボットは大型のものが多く、保管スペース、設置スペースの確保が難しいという問題点も。
介護ロボット、現在の導入率
介護ロボットを導入している、導入していないということを〈介護ロボットONLINE〉が調査をしたところ、していないと答えた人が71.4%、していると答えた人が28.6%となったそうです。
導入していると答えた施設は介護老人保健施設や特別養護老人ホームが多く、ディサービスなどのショートステイではほとんど使われてないようです。
まとめ
介護ロボットとは、人間の代わりとなって要介護の高齢者や介護する介護者の身体的・精神的負担を軽減してくれるロボットです。
それを踏まえた上で、賛否両論あるようですが最後は両者が笑顔になることが1番です。
介護ロボットはまだ高額で導入が難しいというデメリットもありますが介護者の負担を大きく軽減することができます。(補助金の対象となる介護ロボットも多くあります。)
「持ちつ持たれつ」という言葉もありますが、少子高齢化社会において介護従事者の負担も軽減することで介護の負担も軽減され、日本の未来が明るくなると筆者は考えています。
一方だけが負担を被り疲弊するのではなく、介護する側、される側がより働きやすい、より介護されやすい職場環境とは何かを考え、より良い社会へと変えていきましょう!