2020-02-02

一人暮らしの高齢者が抱える不安と問題を解説【生活費はいくら必要?】

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一人暮らしの高齢者が抱える不安と問題を解説【生活費はいくら必要?】

この記事の目次

私事ですが筆者には、もうすぐ80歳になる高齢の母がいます。

母は父が亡くなってから、かれこれ15年以上1人暮らしを続けているのですが、やはりもう80歳ということで様々な不安要因や問題を抱えています。

母が住んでいる場所は私の家からはバスや電車を乗り継いで片道1時間、弟の住んでいる場所からは車で30分ぐらいでしょうか。(私は度々、母の様子を見に行くのですが...)

もちろん、弟は母との同居を望んでいるのですが母は首を縦に振ろうとはしません。

近年、増え続けていると言われる一人暮らしの高齢者、母もその一人と言うことです。

いったい、なぜ一人暮らしをしたがるのでしょう。

この記事では、一人暮らしの高齢者が増加する理由、高齢者が抱える不安要因とその背景に迫ってみたいと思います。

ぜひ、ご覧ください。

一人暮らしの高齢者数推移

65歳以上の一人暮らし高齢者の動向

一人暮らし

参照:内閣府

 

内閣府の表を見ると、確かに男性・女性とも高齢者の一人暮らし率は増えているようです。

1980年の一人暮らしは男性が約19万人で女性が約69万人、高齢者全体の人口に占める割合は男性が4.3%、女性は11.2%でした。

そこから30年後の2010年には男性で約139万人、女性で約341万人、高齢者の人口に占める割合が男性は11.1%、女性は20.3%で30年前の1980年から見た割合が約2倍に増えています。

今後、さらに高齢者が増えることが予想されていることから、一人暮らしの高齢者の増加も見込まれているようです。

高齢者はなぜ、孤立するのか

高齢者の一人暮らしは、高齢者が好んでしているのでしょうか、それとも何か止むに止まれぬ事情があるのでしょうか。

上記の表からも分かるように、日本の高齢者の孤立は進んでいます。

それは、仕事の変化や生活環境の近代化によって親子や夫婦だけで生活する家庭がほとんどになったことが関係しているようです。

また、高齢者の価値観も昔とは異なり、「子どもを当てにせず、老後は自立した生活を送りたい」と考える人が増えています。

高齢者が一人暮らしをする理由

高齢者と一言で言っても、その価値観は様々です。

金銭的に余裕がある人もいれば、生きて行くのに精一杯の人もいます。

反対に、金銭的な余裕はないけど生きているだけで幸せだと感じる人もいるのではないでしょうか。

高齢者が一人暮らしをする理由にも様々な背景があるようです。

・家族(子ども)に頼れない理由がある

・家族(配偶者等)はすでに他界している

・経済的に困窮(こんきゅう)していない

・生活環境に不満がない

・慣れ親しんだ土地から離れたくない

高齢者がいる世帯の構成割合

65歳以上の者のいる世帯数及び構成割合(世帯構造別)と全世帯に占める65歳以上の者のいる割合

65歳

参照:内閣府

超高齢化が進む日本で、2016年(平成28年)には65歳以上の高齢者がいる世帯が全世帯の48.4%となり半数近くを占めているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。

この結果を踏まえて高齢者の一人暮らしの理由を考えてみましょう。

近年では、生涯を未婚で通す人も増加傾向にあるようで高齢の親と成人しているにもかかわらず結婚しない子どもが生活をしている世帯もあります。

その子どもは生涯、自分の子どもを持つことなく高齢になります。

また、夫婦の場合、配偶者に先立たれても再婚せずに一人暮らしを続ける人もいます。

高齢者

孤立する高齢者の不安

今後、ますます孤立する高齢者が増加すると見込まれているわけですが孤立する高齢者が増加することでどんな影響が出てくるのでしょうか。

定年後の不安

高齢者というのは一般的に65歳以上だとされています。

最近の65歳の人は男性でも女性でも皆さん、お若く見えますよね。

昔の65歳と言えば本当にお爺ちゃんお婆ちゃんでした。

とは言え、65歳という年齢は仕事をしていれば定年を迎える年齢でもあります。

その定年を境にめっきり老け込んでしまう人、いやいや、これからは第二の人生だからしっかり生きようと張り切る人、それぞれです。

女性の場合でも、夫の定年でストレスの原因が増えてしまい「熟年離婚」を考える年齢でもあるようです。

熟年離婚についてはこちらの記事に詳しく書いてあるので参考にしてくださいね。

【関連記事リンク】熟年離婚の背景|終活を準備する年齢層の離婚

夫婦が熟年離婚になると、結局は1人暮らしの危機に。

と言うことは、65歳という年齢はある意味、ターニングポイントの時期になると言えそうですね。

個人的不安

不安

参照:厚生労働省

65歳を迎えて定年になり、それまでの仕事がなくなってしまいやりがいも生きがいもなくしてしまう人がいます。

しかも、配偶者がすでに亡くなっていて子どもがいないとなると必然的に孤立してしまいますよね。

そんな高齢者はあらゆる不安要因を抱えています。

厚生労働省 「高齢社会に関する意識調査」によると、高齢者の単身世帯に不安を抱えているという人が81.7%もいることが分りました。

81.7%と言うことは、ほとんどの人が高齢での単身暮らしに不安を抱えているということですよね。

その不安要因とはどんなことなのでしょう。

1.病気になったとき(79.7%)

2.介護が必要になったとき(79.1%)

それはそうですよね、孤立してなくても病気になったときや介護が必要になったときを想像するだけで誰しもが不安を感じるものです。

その他としては、買い物などの日常生活に不安を感じると答えている人が43.5%で半数近くになっています。

日常生活に不安を感じるという人は、きっと、定年前に家事を一切やらず配偶者である妻にまかせっきりだったのでしょう。

妻は言っていたはずです。

「年を取って、私が死んだら困るのはあなたなのよ!」と。

奥さまからこう言われている男性の皆さん、老後のことを考えて今から買い物や家事を覚えておきましょう。

一人暮らしの男性が、日常生活の買い物等で困ったときは子どもや孫を頼る、それが不可能なら民間のサービスに頼るという回答が多かったようです。

それでは、病気や介護が必要になったときはどうしたら良いのでしょうか。

一人暮らしの高齢者が抱える問題

高齢者が一人で暮らす、孤立してしまうことで様々な問題の発生が考えられます。

上記にもあるように、孤立している高齢者が病気になってしまったら、介護が必要になってしまったら、これは深刻な問題です。

まずは、そうなる前から何かしらの対策を打っておかなければなりません。

病気や介護になってしまう前に

一人暮らしの高齢者が1番不安に感じていることが病気や要介護の心配です。

まだ、「もしなってしまったら」という不安なので未然に防ぐことでこの不安からは解放されるのではないでしょうか。

それが次の方法になります。

見守りサービスを利用する

見守りサービスとは、家族の方が遠くに住んでいて一人暮らしをしている高齢者の様子が分からない、また、完全に一人暮らしの高齢の方を見守るサービスです。

その内容は、見守りサービスを実施している会社によって違いがあるものの、高齢者の安全確認や安否確認、緊急時の適切な対応などになります。

※見守りサービスは介護保険サービスで利用できません。費用は全額負担となります。

見守りサービスの種類

見守りサービスは、意外な方法で行ってくれているようです。

・訪問型

訪問型の見守りサービスは、主に水道・電気、郵便局などの私たちにとって身近な会社がサービスを提供してくれています。

検査員や局員は、日頃から町の管轄エリアを巡回しているので地域に深い関りを持つ存在。

そんな人が、一人暮らしの高齢者の住まいに直接訪問してくれるので安否確認や健康状態の確認まで行えるようです。

費用

月1回30分訪問: 1,980円

月1回60分訪問: 2,480円

・センサー型

ITの技術を活用し高齢者の自宅にセンサーを設置します。

設置したセンサーにより安否確認できるという仕組みになっているので、非常時と判断された場合は自宅までサービス提供者が駆けつけるというタイプもあります。

ご家族が遠い場所にいる場合でも家族の携帯電話に連絡が入るタイプ、携帯電話やパソコンにいつでも確認できるタイプもあるということです。

センサーは、浴室やトイレなど部屋ごとに設置するのが一般的なようですが、ここ数年は冷蔵庫など高齢者が毎日使用する家電製品をはじめ、

照明やガス、人体で検知するタイプも登場してホームセキュリティとの連動型となってきているようです。

費用

一人暮らし安否確認基本セット:54,000円(税別、配送料別)

基本セット内容:安否確認システム通報機1台・安否確認ドアセンサー1個

初回契約料と月額利用料がセットになっている場合と、機器等料金は別になっている場合もあるので、ご利用をお考えの際はサービス提供者にご相談ください。

その他、見守りサービスには次の方法があります。

・カメラ型

・光熱使用確認型

・配食型

そして、見守り介護ロボットの

・ロボット型

・会話型

などの活躍もみられるようです。

介護ロボットについては下の記事に詳しく書いてあるので参考にしてくださいね。

【関連記事リンク】介護ロボットは高価格?会話型AI&ロボットスーツのメーカー情報もご紹介

一人暮らしの高齢者を見守る方法には様々なセンサー等の活躍があるようですが、高齢者としてはもっと地域と関わりを持った方法を取りたいと思っている方もいるようです。

地域包括支援センターの見守り

高齢者が一人暮らしを望む理由に、住み慣れた土地から離れたくないという理由もあります。

また、自治体でも地域の高齢者が安心して暮らせる街づくりを目指し、見守り等の取り組みを実施しているところもあるようです。

これは意外と皆さんご存知ないようですが、対象地域に住んでいる65歳以上であれば要介護認定を受けていなくても地域包括支援センターの利用はできます。

そこで、ぜひおすすめしたいのが地域包括支援センターの見守りサービスです。

65歳以上の高齢者であれば、介護認定を受けていなくても低額で見守りサービスを受けられることもあるので、一度役所の福祉科の窓口に相談してみませんか!

生活費の不安

一人暮らしの高齢者の不安要因に病気や介護の心配がありました。

それを防ぐ方法として、センサーを設置するということがありましたが費用が結構掛かってしまいそうです。

一人暮らしの高齢者は定年退職をした人ばかりではありません。

孤立する高齢者には生活費の問題に不安を抱えている方もたくさんいます。

・高齢者が一月にかかる費用

高齢者とは言え、それぞれのライフスタイルがあるので一概な数字は出せませんが、総務省のデータ「家計調査」によると、高齢単身無職世帯の消費支出は月149,603円となっています。

この数字を少ないと見るか多いと見るかは各高齢者の経済状況や身体状況により違ってくるでしょう。

そこで、先ほどからお伝えしている病気や介護の不安が現実に起こってしまうとさらに費用がかさみます。

高齢になってからの病気は要介護につながるケースもあるため、今から生活習慣の改善を目指し健康な身体を心がけていただきたいと思います。

生活習慣の改善については下の記事に詳しく書いてあるので参考にしてくださいね。

【関連記事リンク】介護施設の高齢者がインフルエンザを予防するポイント6つを紹介!

・生活保護の申請

誰しもが不安になる病気や要介護の問題。

もし介護が必要だと思ったら、介護認定を申請し要介護認定を受けることが可能です。

介護認定を受けるまでの流れは下の記事に詳しく書いてあるので参考にしてくださいね。

【関連記事リンク】介護認定を受けるには訪問調査が必要?!申請から認定までの流れを解説

しかし、介護認定を受けて要介護となっても介護保険で購入できない介護用品もたくさん出てきます。

そうなってしまうと、生活保護を受給しないと生活できない高齢者もいるのが現実。

また、健康な高齢者でも生活が苦しく生活保護を受給しないと生活がままならない高齢者も増加しています。

ここ数年、生活保護を受けている65歳以上の世帯が増えていて、生活保護を受けている世帯の半数以上を占めているようです。

その原因として考えられることは、年金がないなどといったことから生活が困窮している、そして、高齢者は収入を増やす手段が乏しいので優先される、といった背景があります。

やみくもに生活保護の受給をおすすめするわけにいきませんが、どうしても生活に困った場合は役所に生活保護の申請をする相談をしてみましょう。

相談することで、何か別な方法が見つかるということもあるかもしれません。

まとめ

今日は、高齢者の一人暮らしについて考えてみました。

個人的な印象としては、高齢者でも健康な心身があれば一人暮らしでも不安要因は軽減できるということです。

例え、定年で仕事がなくなっても社会とのつながりを持つことで心身を健康に保っている人もいます。

また、社会とのつながりを持つことが認知症などの予防にもなるようです。

あなたがもし、今後も元気で老後を過ごしたいとお考えなら、家にばかり引きこもらずに地域包括支援センターなどを利用して介護予防に力を注いでいただきたいと思います。

そして、それこそが、社会に貢献できる方法の1つではありませんか!

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