2020-02-02

家系図の書き方とは?|調べ方などわかりやすく行政書士が徹底解説

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家系図の書き方とは?|調べ方などわかりやすく行政書士が徹底解説

この記事の目次

相続について検討する中で、家系図が必要になってくるケースもあります。

例えば、土地の所有者が高祖父や曽祖父であったために、関わりのある親族全員に同意を得なくてはならないケースがあります。

相続の際になんとか調べ上げてそれで終わりでは、将来また自分たちの後の世代が同様に苦労することになります。

将来的な相続のことを考えると、何かの折に「家系図」を作成しておくのも、準備として望ましいことと言えます。

では家系図を作るためには、どのような方法で行えばいいのでしょうか。

1 家系図の調べ方とは?

家系図を作るためには、まず自分やその配偶者、子どもについてなど「家族」だけではなく、兄妹姉妹、父母、祖父母、ご先祖様の情報を集める必要があります。

確実にそれらの情報が書かれているのは、市町村が管理する戸籍簿です。戸籍をたどっていけば、あなたの家系のご先祖を確認することが可能です。

戸籍を確認する際は、まず自身の両親の戸籍がどこにあるのかを確認します。その戸籍がある自治体がいわゆる「本籍地」ですので、本籍地がある自治体に証明を請求することから始めましょう。

親の戸籍には、親の直前の戸籍(=自分から見れば祖父母の戸籍)から入籍したことが明記されているため、同様に祖父母の戸籍がどこにあるのかを調べ、該当する戸籍の本籍地の自治体に証明を請求します。

基本的には、この繰り返しです。さかのぼれる限りさかのぼっていけば、自分の先祖について確認をすることができます。

なお、戸籍に記載されている本籍地は、市町村合併等で名称が変わっている場合があるので、あらかじめ現在の名称でどこに該当するかをあらかじめ確認しておきましょう。

2 戸籍の種類によって得られる情報が異なる

一般的に「戸籍」と呼ばれているものは、実は3つの種類に分かれています。

それぞれの戸籍には特徴がありますので、それぞれ有益な情報を抽出して整理すれば、家計簿の作成に欠かせない情報を得ることができます。

 

〇現在戸籍

今現在使用されている戸籍のことを「現在戸籍」と呼びます。

最新の戸籍の内容を証明して欲しい場合、本籍地の市町村へ請求すると、この現在戸籍の中から必要な情報を抽出して証明してくれるのが「戸籍謄本」です。戸籍謄本は同じ戸籍に入っている全員の情報が表示されています。

また、出生日や死亡日、親子関係、養子縁組、夫婦関係(婚姻・離婚)、親権者や後見人等に関する事項などが同時に掲載されています。

ちなみに戸籍謄本は「全部事項証明」と呼ばれていますので、取得時には間違えないように請求しましょう。

 

〇除籍

除籍とは、婚姻、養子縁組、死亡、転籍(本籍地の変更)により、在籍する人が誰もいなくなってしまった戸籍のことです。

自治体で管理されている戸籍の中でも、在籍者が誰もいなくなって除籍になってしまうと除籍簿に移され保存期限(150年間)まで保管されます。

誰も在籍しなくなったからと言って、即座に廃棄されることはなく、過去の戸籍情報を一定期間保管しているわけで、自身の先祖の情報が、先述した現在戸籍の情報と同等の内容で確認することができるものになります。

また、他市町村に本籍を移す「転籍」をした場合も、転籍先の市町村に新たに戸籍が編製されますが、それまでの戸籍は除籍となって除籍簿に保管されます。

もし、転籍の履歴がある対象者がいる場合、その人の現在戸籍だけを取得しても、転籍前の情報は現在戸籍には記載されていません。ですので、現在戸籍と除籍を一緒に取得して家訓することになります。

 

〇改製原戸籍

改製原戸籍(かいせいはらこせき)は、法律により戸籍の様式や記載内容が改正されると、改正されたことで前の様式の戸籍が生まれます。これを「改正原戸籍」と呼びます。

改製原戸籍は、改製原戸籍簿に記録されて保存期限(150年間)まで保管されます。

一方、改製により新たに編製された戸籍には、在籍している人の情報だけを移し替えるので、婚姻や縁組をした方、亡くなった人は除籍されてしまい、新戸籍には明記されていません。

特に、死亡した方との親族関係を知るためには、現座戸籍と改製原戸籍の両方を確認する必要があります。

 

その他、戸籍を遡って調査する方法以外にも、情報を集める方法はあります。

例えば、檀家としてお寺などとかかわりがある場合は、寺の過去帳から情報収集する方法もあります。

あるいは、現存する墓石を見て納骨されている人や墓石を建立している人を調査して把握する方法もあります。

ですが、公的に証明されることや、確実に書面をもって証明されることから、戸籍による調査をすることは極めて信ぴょう性が高くなります。

特に信ぴょう性にこだわる必要がある場合は、戸籍による調査を重視してもよいでしょう。

3 戸籍の取得方法

戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍謄本を取得する場合は以下のような方法があります。

 

〇自治体の窓口に本人が直接取りに行く

「戸籍に関する証明書の交付請求書」を記載し、本人確認書類とともに提出します。

この時、自身の本籍地や戸籍筆頭者(=調べたい人が属する戸籍の一番最初に記載されている人)を把握している場合は、交付請求書に記入する必要があります。

 

〇郵送請求

住所地と本籍地が異なっている人や、本籍地が遠い方、あるいは平日に自治体の窓口へ行く時間がない場合は、郵送で本籍地の役所に申請し、取り寄せる方法があります。

郵送の場合、申請書以外にも、返信用封筒、住所を確認できる運転免許証などの本人確認書類の写し、手数料(定額小為替か現金書留)が必要となります。

手数料は市町村で異なることがありますので、あらかじめ確認しましょう。

 

〇代理人に取りに行ってもらう

戸籍は代理人が請求することができます。

代理人となりえるのは、請求する戸籍に入っている本人またはその配偶者です。

それ以外の、直系の子孫や先祖以外の方が請求する場合には、委任状や取得のための正当な理由、代理人の本人確認ができるもの(運転免許証・住民基本台帳カード・健康保険証など)が必要です。

家系図作成の場合は、私たち行政書士も戸籍請求の代理を依頼されることがありますが、この際は「相続にかかる家系図作成のため」と理由にすれば問題なく戸籍を取得することができます。

 

〇コンビニで取得する方法

一部の自治体では、コンビニに設置されてるコピー機の「行政サービス」を利用して、24時間いつでも戸籍謄本を請求できます。

この方法では、マイナンバーカード又は住民基本台帳カードが必要であり、全ての自治体が対応しているわけではありません。

また、取得できるのは戸籍謄本のみであり、改正原戸籍や除籍の取得には対応していない場合もあります。

4 戸籍謄本以外の調べ方

戸籍謄本以外にも、先祖の情報を確認する方法が「過去帳」です。

お寺などとのお付き合いがある場合、過去の葬儀や納骨の履歴を確認することで、先祖の情報が残っている可能性もあります。

あと、情報が残っていればの話ですが、かなり昔までの情報を入手することも可能です。

戸籍謄本だけの場合では、江戸時代の後期までさかのぼることができますが、それ以前となると調べることはほぼ不可能です。

そのため、本家や菩提寺で管理されている過去帳であれば、故人の戒名や俗名、死亡年月日、享年などが記載されているので、家系図作成のための大きな助けになります。

過去帳は自宅用のものと、寺院管理用のものとがあります。自宅用のものがない場合は、寺院管理のものを閲覧させてもらうことになりますが、個人情報保護のために閲覧させてもらえない場合もあります。

あと、時間がない場合や、独力で行うのは難しそうな場合は行政書士に調査を依頼する方法もあります。行政書士に依頼すれば、調査だけではなく家系図の作成も同時に依頼することもできるので手間が軽減できます。

ちなみに、行政書士に依頼した場合は5万円から10万円程度の費用をいただくことになります。戸籍取得のための出張費や事務手数料などがかかるため、ご理解をいただいている次第です。

5 家系図作成の注意事項

家系図の作成にあたって、私たち行政書士が守っている基本的な書き方やルールがありますのでご紹介します。

実際、家系図を作成する際に法律上守らねばならないようなルールはありません。そのかわり、見やすくて血筋の流れがわかりやすいものを作ることを心がけましょう。

特に守るべきなのは「同じ世代は高さをそろえる」ことです。具体的には、自分と兄弟は同じ高さにしておき、自身の親世代も同様に高さをそろえて書いておくことです。

また、血縁関係の中でも重要な「婚姻」については、その相手同士を二重線でつなぐことです。この際、夫が右、妻が左になるように配置します。

もし後妻がいる場合は、先妻を夫をとつなぎ、その左側に後妻を先妻とつなぐ描き方が基本です。

子どもたちの記載については、男女の区別は不要で、右から左へ生まれた順番に記載します。

亡くなっている人は名前の先頭に「故」などと記載して明記します。

ちなみに、性が違う人はフルネームで記載します。例えば「田中家家系図」の場合、田中姓の人だけは名前のみを記載し、養子縁組や婚姻などで別姓になった場合は「山口花子」などとフルネームで記載しましょう。

6 まとめ

家系図の作成は、パソコンを使ったり、直筆で記載して保管するなど、どんな方法であっても問題はありません。

もし、相続等の手続きに使うなど、各種申請時の資料として用いるのであれば、エクセルやワードなどに自分で入力して印刷したものを持っていれば十分でしょう。

格式にこだわる場合、筆耕や表装を施した家系図を作ることもできますが、毛筆の手書きでかつ上質な表装を施した家系図を作ると、安くても20万円程度かかります。

家系図は「登場する人の関係がわかりやすい」かどうかがポイントです。また、補足情報で死去の理由などを探ってみると、同じ疾病で亡くなっていることがわかるなど、自身の一族の既往歴などがわかって、今後の健康管理に役立つようなこともあり得ます。

自身のルーツをたどる中で、知って得することは意外と多いものです。費用は多少かかりますが、ぜひこの機会に家系図を作成してみませんか。

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