2020-03-03

空き家の解体費用に補助金は活用できるの?行政書士の目線で簡単に解説

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空き家の解体費用に補助金は活用できるの?行政書士の目線で簡単に解説

この記事の目次

空き家の管理については、遠方に住んでいるなどの事情で思うように管理ができない場合も多くなっています。

また、空き家を管理していた人が亡くなるなどの事情で、空き家の管理がなされなくなることで、倒壊の危険性がある「特定空き家」も年々増加しています。

自治体でも、空き家の管理不足による危険性の増加を危惧しており、自治体によっては空き家の解体に際して補助金を交付する自治体も増加しています。

では実際に、補助金を交付してもらえるケースはどのようなケースになるのでしょうか。

1 空き家の補助金制度の概要

空き家の補助金制度は、空き家を解体する際に、自治体が解体費用の一部を補助金として交付してくれる仕組みになっています。

この制度は国の制度ではなく、自治体独自の取り組みとなっていることが多く、自治体によってはこのような制度が存在しない自治体もあります。

一般的には、昭和40年代に大規模な宅地開発が行われ、その後居住者の高齢化とともに空き家が多く存在するようになった自治体、市街地の中に戦前からの建物が多く残っている自治体などが補助金制度を設けていることが多くなっています。

また、親の世代がマイホームとして建てた住居が、子どもの世代にとって不要となっているのも空き家増加の要因と言えます。子どもたちは結婚して別の場所にマイホームを構えた結果、親が亡くなったとたんに活用することもできない空き家が残り、管理が不十分なまま周辺の環境に悪影響を与えてしまう事態になることもあるのです。

これらの状況から、自治体ごとに空き家問題に取り組みを始める中で、空き家の解体を促進するための補助金制度を創設する動きが高まっているのです。

補助金制度と言っても、解体に係る費用のすべてがフォローしてもらえるわけではありません。例えば上限額を設定する形で、「総経費の3分の1で、上限額100万円まで」などという仕組みになっている場合が多いです。

自治体によっては、地元企業を優先する考え方もあることから、解体にあたっては当該自治体に本支店を置く企業へ依頼することを条件としている自治体もあります。

補助金の名称も、自治体ごとにまちまちになっています。例えば「老朽家屋等解体工事助成補助金」とか「空き家解体補助金」などと故障されているケースが多いようです。

そのため、問い合わせる際には「空き家の解体に関する補助金制度」と説明した方がスムーズに担当課に取り次いでもらえるかもしれません。

2 自治体が空き家の解体を促進する理由

日本国内にある住宅総数のうち、約14%が空き家になっていることは、あまり知られていませんが事実です。

今後も日本国内では人口の減少が続くことが予想されており、その結果空き家は増加の一途をたどることは必須です。

このような時世の結果、空き家が増えたり放置したままになることで、街の景観が損なわれるだけでなく、倒壊して第三者に被害を与えてしまうリスクが高まることや、放火の対象にされるなど犯罪の引き金になるリスクも高まることを自治体では懸念しています。

また、ごみを不法投棄される可能性も高まりますし、野生動物が住み着くことで糞尿や死骸、ゴミなどの腐敗臭が発生する可能性も高まるため、住民の生活環境に悪影響を与える可能性も高まってくるでしょう。

もちろん、空き家イコール悪と言う考え方ではなく、空き家の利活用や解体を促進することで、新たな住民の移住を促進する考え方もあります。人口が減少している今、自治体としては多くの住民に移住してもらい、税収を確保したい意図があるのです。

そのため、自治体は様々な制度を設けて空き家の利活用や解体を促しているわけです。空き家の管理に悩んでいる方は、自治体が積極的に空き家の活用や処分を推進している今だからこそ、制度を利用して空き家の処分などを行うタイミングが来ているのです。

3 空き家を解体することのメリットとは

空き家の活用方法を考えていくと、空き家そのものを売り払うか賃貸物件にするなどの方法が考えられます。

ですが、空き家があまりにも老朽化していて購入者が見つからないような場合は、空き家を解体して土地を売却する方がよいかもしれません。特に、駅から近い場所であるなど、地理的条件によっては、空き家を解体し更地にした方が高額で売れることもあります。

また、空き家解体補助金制度も、自治体によっては空き家解体後の土地に住居を立てる場合や、駐車場などの事業用用地として使う場合には、補助金額が加算されることもあります。

総合的に考えると、空き家だけでなく、活用の予定もない土地も一緒に処分しようとするならば、空き家を解体しておく方が売却もしやすいと考えられる場合は、積極的に空き家の解体を検討するべきでしょう。

また、空き家を維持している限り固定資産税や水道代などの光熱水費は必要となりますが、空き家を解体してしまえばこれらの負担が無くなります。

その他、空き家の維持管理のために遠くから足しげく通っていた場合、そのための交通費が空き家を解体することによって不要になるなど、日常の出費が軽減されることも空き家を解体するメリットと言えるでしょう。

4 対象となる空き家

空きや解体補助金制度は、各自治体によって対象となる建物が異なります。

一般的には「空き家」であることが大前提となりますが、空き家になってから一定期間経過していることを条件にしている自治体が大半です。例えば「1年以上居住その他の実績がない」などと設定していることが一般的です。

また、所有者が個人であることも必須条件となっていることが多いです。空き家と言っても、企業が使っている店舗や営業所の場合は当然対象にならない仕組みになっています。ただし、個人が事業主となっている店舗兼住宅の場合は補助金制度の対象としている自治体も多いです。

さらには、空き家を撤去した後の状況についても考慮している自治体もあります。

例えば、土地の売却等がスムーズに進むことを目的として「抵当権が設定されていないもの」であったり、「土地の売却を行う予定の場合」など、空き家の後に新たな住民が家を建てて暮らしてもらえる移住推進の政策としてとらえている自治体も存在します。

もちろん、自治体が行う補助金制度ですから、住民登録がなされていること、税金の滞納がないことなどの条件も設けられています。

最近では、東日本大震災や阪神大震災を契機に建築基準法が改正されており、最新の耐震基準を満たしていない住宅のみを補助金制度の対象としている自治体も多くなりました。耐震基準を満たしていないイコール倒壊の危険がある、という解釈の元に住民の理解を得ながら空き家の解体を促進する狙いがあるためです。

5 業者によって解体費用は異なる

空き家の解体工事は、地元業者やハウスメーカーに頼むのが一般的ですが、最近は空き家が増えてきたこともあり、解体専門の業者も多く登場しています。

空き家の解体を決めるには、複数の業者に見積を取って比較することがオススメです。

業者によって見積額は異なりますが、解体工事費の差が生じるのは「発生する廃材などの運搬費用&処分費用」と、実際に作業に従事する作業員の「人件費」です。

例えば、空き家の構造が木造の場合と、鉄骨住宅の場合とでは、当然処分費は変わってきます。木造の場合は処分費が安価で済む場合もありますが、鉄骨の場合は運搬する際の車両へ廃材を積み込むためにクレーン車などが必要となるため、処分費が木造に比べて高くなりがちです。

また、空き家のある場所が大きな道路に面している場合は、4tダンプなどを利用して一度に多くの廃材を持ち出せますが、団地内の道路だと2tダンプを使うのも難しい場合があり、小さな車両でこまめに廃材を持ち出すことになり、作業期間も作業費用もかさむことになります。

6 補助金をもらえない場合もある

自治体の補助金である以上、「所得制限」が設けられている場合もあります。例えば申請する人が高収入者である場合、一定の所得以上を得ているために補助金をもらえない場合があります。

税金を支出する以上、お金持ちに対して補助金を出すというのは、一般市民には理解されないことでもありますから、大半の自治体が所得制限を設けている場合が多いです。

また、空き家を解体してから補助金を申請しても対象にならない場合があります。基本的に、空き家解体の補助金は解体に着手する前に補助金を申請する必要があります。

あわせて、実際に解体が行われたことを証明する報告も義務付けられています。報告時には解体費用を支払った領収書のコピーや、解体作業中の写真などを用意して報告することとなっており、それらの提出がなされないと補助金が交付されません。

その他、自治体の予算には限度があるため、年度途中に申請をしても予算が予定金額に達していると、当該年度中に補助金をもらうことができない場合もあるので、補助金をあてにしている場合は年度が始まって早々に申請することをお勧めします。

7 まとめ

空き家解体の補助金は、解体前にもらえるのではなく、すべての解体が終わった後に「完了届」などを提出して初めて受けられるものです。

つまり、補助金をあてにして解体するといっても、解体が完了するまではすべての費用をいったん自分が支払うことになるのです。手持ちのお金が少ない場合には思わぬ出費に驚くことになりますので、資金計画はしっかりと立てておきましょう。

また、自治体によっては、解体にあたって地元の業者を使うことを義務付けている自治体もあります。自治体としては、地域経済の振興策として地元の業者に仕事を提供するねらいもあるので、ルールに従って業者を選定しなくてはなりません。

安い業者はその地域以外にもたくさんあるのにと思うでしょうが、税金を原資として補助を受けるということは、さまざまな制約や条件を理解しておかねばならないことは、前もってご承知おきいただきたいと思います。

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