2020-04-04
米寿のお祝いは何をする?県ごとの特徴やお祝いのポイント、米寿の方の生きた時代
この記事の目次
日本は世界有数の長寿国として知られています。
長寿の「寿」とは長命の意味もあり、素晴らしいことですよね。
その長寿を祝う風習を「賀寿」と言います。
長寿を祝う節目の年齢にはそれぞれ呼称があり、呼称それぞれ由来があるようです。
賀寿は還暦からはじまり数々の長寿祝いがあります。
今日は賀寿のひとつ、米寿について考えてみました。
一般的には、米寿のお祝いをするのか、するとしたらどんなことに注意するべきかなどを解説しています。
ぜひ、ご覧くださいね!
米寿とは
米寿は賀寿のひとつで88歳の長寿を祝うことです。
賀寿は還暦からはじまり250歳を祝う「天寿」までたくさんの種類があります。
年齢 | 呼び名 | 読み方 |
60歳 | 還暦 | かんれき |
70歳 | 古希 | こき |
77歳 | 喜寿 | きじゅ |
80歳 | 傘寿 | さんじゅ |
81歳 | 半寿 | はんじゅ |
88歳 | 米寿 | べいじゅ |
90歳 | 卒寿 | そつじゅ |
99歳 | 白寿 | はくじゅ |
100歳 | 百寿/紀寿 | ひゃくじゅ・ももじゅ/きじゅ |
108歳 | 茶寿/不枠 | ちゃじゅ/ふわく |
111歳 | 皇寿/川寿 | こうじゅ/せんじゅ |
119歳 | 頑寿 | がんじゅ |
120歳 | 大還暦/昔寿 | だいかんれき/せきじゅ |
250歳 | 天寿 | てんじゅ |
2020年の米寿の年齢
【数え年で祝う:88歳1933年(昭和8年)】
【満年齢で祝う:87歳1932年(昭和7年)】
数え年と満年齢
米寿は88歳を祝う節目の年齢ですが、数え年で祝う方と満年齢で祝う方がいます。
数え年とは、生まれた瞬間からすでに1歳と数え、元旦の1月1日になった瞬間から2歳になること。
極端な例では、12月31日の大晦日に生まれた赤ちゃんは翌日の1月1日には2歳になってしまいます。
何だか、早く老いるようで損した気分ですよね。
そして、満年齢とは私たちが通常使っている年齢の数え方。
誕生日が来るとひとつ年が増える考え方です。
昔(1949年)、満年齢で年齢を数える方法が法で定められたとか。
それまでは、数え年で年齢を数えるのが一般的だったようです。
現在でも、高齢者が数え年で年齢をいう人が多いのはこのような経緯があっからなのですね。
また、七五三や厄年なども数え年の年齢が使われています。
最近では、長寿祝いを満年齢でお祝いする方が増えているようです。
米寿の由来
賀寿にはたくさんの種類があり、それぞれの呼称に由来があります。
88歳を祝う米寿は、「米」の字を分解すると八十八になることからだと言われています。
長寿祝いは元々、日本と中国(明)が貿易をしていた頃にはじまり、中国の風習が日本にも伝わり影響されたようです。
ところが、中国の風習で伝わってきたのは奈良時代の還暦や古希まで。
それ以降の77歳の「喜寿」など「寿」がつくお祝いは日本が起源で室町時代からの風習だとされています。
米寿も日本ではじめられた風習なので米という字が使われているのですね。
米寿の色
米寿のお祝いカラーは傘寿と同じ「黄色や金茶」。
長寿カラーには決まりではありませんが、テーマカラーだとされています。
皆さんがよく知られているのは、還暦の「赤」ではありませんか?
そして、喜寿や古希は「紫」などというのも有名ですよね。
米寿の場合は「黄や金茶」でとっても元気が出る色、なんだかパワーアップできそうですね
ですが、最近では還暦の「赤」以外のお祝いではあまりこだわりがなくなってきているようです。
もちろん、長寿者のお好きなカラーが1番ですよね!
88歳の方が生まれたころの日本
88歳の方が生まれたころは昭和の初めのこと、皆さん、想像がつきますか?
このころは日本と中国の戦争や世界でもあちこちで戦争が起きていた時代でもあります。
1929年にアメリカで起きて世界中を巻き込んだ世界恐慌。
その影響が日本にも及び、1930~1931年にかけて日本の経済は危機的な状況に陥りました。
これが、戦前の日本におけるもっとも深刻な昭和恐慌と呼ばれているものです。
企業の倒産やリストラも相次ぐなど失業者の数も増大。
北海道では大凶作に見舞われ、東北地方の農村では欠食児童や女子の身売りが急増したと言われています。
悲しい時代だったのですね。
その欠食児童や身売りの女子などを救う法、児童虐待防止法が公布されたのが1933年の4月。
相次ぐ飢餓や恐慌などから子供の身売りが多く曲馬団や曲芸団、酌婦や女給に酷使される児童が多かったため、14歳以下の児童の虐待や重労働を禁じたとされています。
このころの婦人(女性)の人権はほとんどなく、ようやく人権が問われる時代でした。
女性の人権がないような時代なので子供の人権などさらに低かったようです。
曲馬団や曲芸団はいわゆるサーカス団のこと。
最近ではあまり聞きませんが、「悪いことをするとサーカスに売り飛ばすよ!」と大人たちが脅かしたのはこのような事実からだったようです。
その後、この年の10月に児童虐待防止法が施行されます。
こんな時代に生まれた88歳の方はさぞご苦労が多かったのでしょうね。
戦前、戦中、戦後を生き抜いてきてこられた米寿の方たちに改めて感謝と尊敬の意を表したいと思います。
米寿(88歳)は日本人の平均寿命よりも上
日本人の平均寿命は現在、過去最高。
厚生労働省によると、男性が81.25歳、女性が87.32歳となっています。
ということは、米寿の88歳は平均寿命以上ということになり、さらにおめでたいですよね。
とは言え、米寿の方はかなりのご高齢であることからお祝をするにも気をつけなければならないことがあるようです。
米寿のお祝いで注意すること
最近の高齢者は本当に若く見えるため88歳の方でも70代に見えることもあります。
しかし、やはり高齢は高齢なのでお祝いをするときには体調に十分注意してあげましょう。
米寿のお祝いだからと、家族旅行など遠出を計画しても高齢なだけに急に体調を崩しかねません。
旅行に行けたとしても、体に負担をかけ過ぎないように十分に気をつける必要があります。
それでは、米寿の方のお祝いはどんなお祝いが喜ばれるでしょう。
米寿祝いはいつがいい?
米寿のお祝いをいつするのか決まりはありません。
ご本人の誕生日にすることもあれば、敬老の日でもかまわないのです。
米寿のお祝いに参加する家族や親族が集まりやすいお正月や休日に選ばれることが多いようです。
長寿者ご本人の体調も含めて家族の皆さんで話し合って決めましょう。
米寿のお祝いはしないほうがいい?
米寿など長寿のお祝いを周りの誰かが主催すると「死んでしまう」または「縁起が悪い」などという迷信や言い伝えがあるようです。
長寿の高齢者のお祝いなだけに怖い話ですよね。
その考え方としては、「一段落して気が抜けてしまい亡くなってしまうのでは?」と言われています。
しかし、そのような場合でも長寿者本人がお祝いを主催すれば難を逃れるのだとか。
その信憑性はともかく、長寿のお祝いは誰が主催しても問題ありません。
長寿者ご本人が主催するケース、家族が主催するケース、または、周りの友人がするケースと色々なケースがあります。
お祝いをしない選択
長寿のお祝いをすると亡くなる、と言うより節目の年齢で亡くなる人が多いということも言われているので、ご本人があまり気にされるなら無理してお祝いをしない選択もあるのではないでしょうか。
私たちが考えている以上に縁起をかつぐ年代の方のため経験的にそんな出来事が多かったのかもしれません。
地域で違う米寿祝い
長寿のお祝いである米寿を歓迎しない人もいるようですが、地域によっては米寿に重きをおいているところもあるようです。
どんな地域なのでしょう。
北海道
北海道では他の地域で盛んにおこなわれている還暦祝いより米寿祝いが盛ん。
還暦で有名な赤いちゃんちゃんこを着てお祝いするのだとか。
米寿のテーマカラーの黄色や金茶にこだわりがないのが特徴です。
東北地方
むしろ還暦祝いをあまりしないという東北地方。
米寿のお祝いに重きをおいています。
また、お祝いには青い座布団をプレゼントするという珍しい贈り物が特徴。
山形県(内陸部)
山形県の内陸部でも一部地域では、東北地方と同じように米寿のお祝いに重きをおいています。
ただし、プレゼントや贈り物をするのではなく手形を色紙にとって米びつに張り付け、記念にするというユニークなお祝いが習わしだとか。
こちらもかなりな特徴ですね。
米びつなのがミソなのでしょうか?
栃木県
栃木県では、米寿のお祝いを「はちぼこ祝い」、喜寿のお祝いを「しちぼこ祝い」と呼び、長寿祝いの中でも特に重要なお祝いと考えられているようです。
こちらも、それぞれの由来に基づいた呼び方をされているようですね。
群馬県
こちらの群馬県も米寿のお祝いに重きをおいています。
お祝いには、半紙と水引きつきの※火吹き竹を近所に配る習わしがあるのだとか。
なかなかユニークな特徴のようですが、意味があるのでしょうね。
(※火吹き竹:穴の開いた筒状の竹)
石川県
石川県では還暦祝いは誕生日ではなく節分前後の吉日にお祝いをするのだとか。
そして、米寿に紅白のお餅と手ぬぐいを近所に配るそうです。
三重県
三重県では還暦、米寿ともに盛大なお祝いをします。
還暦では赤いちゃんちゃんこではなくても赤いものを身に着ければOKなんだとか。
特徴は豪華なお祝いをすることだということです。
中国地方
中国地方では東北地方のように座布団のプレゼントが一般的な習慣。
東北地方が青い座布団に対して、中国地方では紫色の座布団。
ほかの地域でも違う色の座布団があれば【笑点】ができそうですね(笑)
福岡県
福岡県の米寿のお祝いは、ご近所さんに長生きの印として長さを測る物差しとお餅を配るそうです。
こちらの発想もかなりユニークな特徴。
佐賀県
佐賀県も米寿のお祝いに座布団をプレゼント。
しかし、色の決まりがないのが残念。
沖縄県
沖縄県の米寿のお祝いは島豆腐の「とーかちすーじ」をスライスして揚げた「るくーじゅ」という料理を食べるのだとか。
沖縄県はやはり、独特なお料理でお祝いをされるようですね。
米寿のお祝いは全国各地でユニークな特徴がありました。
各地域の伝統や習慣が重んじられているのでしょうね。
お祝いは本人の意思を尊重
上記にあるような各地域の伝統や習慣を基準にお祝いをするケースもありますが、特にそのような伝統や習慣がない場合もあります。
そういった場合はどのように米寿のお祝いをすれば良いのでしょう。
ただ、お祝いをするかしないかはご本人の意思を尊重してあげましょう。
長寿者に「してあげる」より「頼る」方が喜ばれるかも?
米寿は88歳のお祝いです。
88歳の方が喜んでくれることってなかなかおもいつきませんよね。
そのようなときは無理にお祝いの席を設けたりせずに、自宅で好きな食べ物を作ってあげたり、お孫さんのお写真をプレゼントするだけでも喜んでいただけるのではないでしょうか。
今後も元気で生活していただくためには無理をさせないことが1番だと思います。
また、意外なことに高齢者は頼りにすると喜んでくれます。
何かお願いをするのも米寿の方に喜んでもらえる方法かもしれませんよ!
まとめ
ここまで、88歳の方のお祝い米寿を解説してみました。
米寿を祝う方法は色々あると思いますが、やはりご本人の体調が1番気になるところです。
もちろん、お元気で健康な方もたくさんいますが、88歳という年齢は体力も免疫力も万全とは言えません。
そして、米寿のお祝いをしたがらない長寿者もいるようです。
米寿のお祝いで大事なことは本人の意思を尊重すること、長生きしてくれたことへの感謝の気持ちをしっかりと伝えることではないでしょうか。